現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 空間歪んでる!? 二度見必至の左右非対称車! 床まで透明になる「DS X E-TENCE」はフレンチセンス爆発のクルマだった

ここから本文です

空間歪んでる!? 二度見必至の左右非対称車! 床まで透明になる「DS X E-TENCE」はフレンチセンス爆発のクルマだった

掲載 3
空間歪んでる!? 二度見必至の左右非対称車! 床まで透明になる「DS X E-TENCE」はフレンチセンス爆発のクルマだった

 この記事をまとめると

■2018年にDSが発表した「X E-TENSE」は左右でスタイルやディメンジョンが異なる

公道で走るハズだったレベル4自動運転車! コロナのせいで幻となったトヨタ「LQ」

■XE-Tenseのコンセプトは「2035年に走るラグジュアリーカー」

■奇抜でハイセンスなデザインをさせたらフランスメーカーの右に出るものはない

 左オープン右キャノピーのアシンメトリースポーツカー

 DSのXE-Tenseを初めて目にした方、とりわけクルマ業界に精通した方なら「ニコイチ」なんて言葉を思い浮かべたかもしれません。

 なにしろ、クルマの左側はオープンコクピットのスポーツカーでありながら、右半分はキャノピーに覆われてボディサイズすら非対称。あたかも、2台のクルマを無理やり合体させたかのようなスタイルこそ、ニコイチ(二個を一個に)を想起させるのですが、フランス人に言わせると「アシンメトリー(左右非対称)」といったヘアスタイルみたいな表現(笑)。国が違えば価値観も大いに異なることを教えてくれる、X E-Tenseはとてもいいサンプルとなりそうです。

 そもそもDSはフランスのPSAグループにおけるラグジュアリー分野を担うブランド。X E-Tenseも、大勢いるデザイン担当者のひとりによれば「(XE-Tenseで)フランスと、ラグジュアリーを想起してもらえると うれしい」とコメントしています。

 もちろんX E-Tenseは「2035年に走るラグジュアリーカー」というコンセプトを掲げたエクスペリメンタルモデルなのですが、DSの偉いところはエクスペリメンタルモデルに投入したデバイスやモチーフ、あるいは技術を「わりかし」市販車に反映しているところかと。

 たとえばDSのアイコンともいえるパールトップステッチは、最初こそコンセプトカーむけにフランスの伝統的な縫い方を職人に頼って再現していましたが、これを量産車むけにアレンジ。なんとパールトップステッチができるミシンを開発してしまったそうです。ちなみに、パールトップステッチでもっとも有名なものは、言わずと知れたシャネルのオートクチュール(注文婦人服)とされています。

 アンバランスなのにバランスの取れたスタイリングがエモい

 パールトップステッチに限らず、こうした職人芸とか匠の技を、DSではサヴォア・フェールと呼び、量産車かコンセプトカーを問わずじゃんじゃん投入。当然、未来のラグジュアリーカーたるX E-Tenseも「サヴォア・フェールだらけ」と呼んで差し支えありません。

 メーターフレームや、スイッチパネルに施されたギョシェ彫りによる「クル・ド・パリ文様」や、ドライバーズシートのステッチもDSでおなじみの「ウォッチストラップデザイン」、あるいはフランス人が大好きな「組木細工」もダッシュボードに用いられ(しかもフランス製高級オーディオFOCALのスピーカーシステムが内蔵されています)るなど、フランスのエスプリで腹パン間違いなし!

 こうした「贅の限りを尽くした」的なモデルはだいたいドンガラで、ショールームに飾られがち。ですが、2035年に走ることになっているXE-Tenseはしっかりランニングモデルとして仕立てられています。奇しくも2035年といえば、EUがガソリン車の販売を禁止すると宣言したその年であり、X E-Tenseはそのあたりをにらんだのか2個のモーターを搭載したEVとなっています。

 また、DSはEVレースのフォーミュラEにも積極的に参戦していますから、駆動系にもサヴォア・フェールばりに通常時は540馬力、サーキットモードと呼ばれる最大出力時は1360馬力を発揮。そして、ハンドルこそ装備されているものの、X E-Tenseは2035年にむけて自動運転をデフォルトに設定しています。

 となると、現状のスタイルでは運転席と助手席はどう見てもセパレートされているわけで、せっかくの自動運転なのにドライバーは風が当たるのを楽しむだけというストイックな乗り物になってしまうのかもしれません。もっとも、このあたりニコイチの弊害、いやアシンメトリーの醍醐味と解釈すべきでしょう(笑)。

 それでも、カーボンモノコックボディや透過率の変更ができる床面(透明も可能なのでこれはこれでスリルありそうです)、あるいはフォーミュラE譲りのパワートレインなど、DSパフォーマンス部門とやらのテクノロジーは侮れません。網目にみえるヘッドライトやテールランプにしても、昔のDSが採用したコーナリングに沿って照射方向が変わるシステムをLEDで再解釈したもの。

 正確なディメンションこそ公表されていませんが、前後バランスを含めスポーツカー的資質の高そうなスタイルなど、よくぞニコイチ、いやアシンメトリーで実現できたと感心することしきり。今風にいえば、こういうエモいの作らせたらフランス人しか勝たん、といった感じでしょうか。

 惜しむらくは、最近になってEUが2035年以降もガソリン車の販売を認める方向に舵を切りなおしたことでしょうか。せっかくのEVスーパーラグジュアリースポーツカーだったのに、いまさらエンジン付きに変えるとなるとニコイチどころかサンコイチ、いやハイブリッドだったりしたらヨンコイチだとか、よく分からないクルマになっちゃいそう。

 とはいえ、未来を走るX E-Tenseですから、それくらいのインパクトがなくちゃ始まりませんよね(笑)。

こんな記事も読まれています

それは超小型“軽トラ”? スズキの「新モビリティ」はめっちゃ仕事向け! トラックショーでアピール
それは超小型“軽トラ”? スズキの「新モビリティ」はめっちゃ仕事向け! トラックショーでアピール
乗りものニュース
日産が低CO2アルミニウム製部品の採用を開始! 2030年までにすべてを置き換え!? CO2排出量の大幅削減を目指す
日産が低CO2アルミニウム製部品の採用を開始! 2030年までにすべてを置き換え!? CO2排出量の大幅削減を目指す
くるまのニュース
岩佐歩夢「鈴鹿と違って朝からいい感触」。牧野と山本は「徐々に調子を上げられた」【SF第2戦予選会見】
岩佐歩夢「鈴鹿と違って朝からいい感触」。牧野と山本は「徐々に調子を上げられた」【SF第2戦予選会見】
AUTOSPORT web
角田「タイムを出すときはほぼ全コーナーでいい動きだった」マシンには一貫性があり、コースとの相性も問題なし/F1第7戦
角田「タイムを出すときはほぼ全コーナーでいい動きだった」マシンには一貫性があり、コースとの相性も問題なし/F1第7戦
AUTOSPORT web
アストンマーティン、F1エミリア・ロマーニャGPで大型アップデート投入もライバル追従には「不十分」とストロール語る
アストンマーティン、F1エミリア・ロマーニャGPで大型アップデート投入もライバル追従には「不十分」とストロール語る
motorsport.com 日本版
ディーゼルってどんなエンジン? 使われる軽油ってどんな燃料? 知ってるようで知らないガソリンエンジンとの違いとは
ディーゼルってどんなエンジン? 使われる軽油ってどんな燃料? 知ってるようで知らないガソリンエンジンとの違いとは
WEB CARTOP
本当に悔しい……2位に終わり奥歯を噛む岩佐歩夢。PPスタートでのポジションダウンも響く「データをしっかりと見直さないと」|スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス
本当に悔しい……2位に終わり奥歯を噛む岩佐歩夢。PPスタートでのポジションダウンも響く「データをしっかりと見直さないと」|スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス
motorsport.com 日本版
シボレーの新型電動SUV、航続513km…『エクイノックスEV』の米国受注開始
シボレーの新型電動SUV、航続513km…『エクイノックスEV』の米国受注開始
レスポンス
ワークスマシンに近い走りを楽しめるTOM’S「GRヤリス TSS340」の魅力
ワークスマシンに近い走りを楽しめるTOM’S「GRヤリス TSS340」の魅力
@DIME
予選大失敗のアロンソ、エミリア・ロマーニャGP決勝に向けセットアップ変更。ピットレーンスタートを選択「その方が、いくつかメリットがある」
予選大失敗のアロンソ、エミリア・ロマーニャGP決勝に向けセットアップ変更。ピットレーンスタートを選択「その方が、いくつかメリットがある」
motorsport.com 日本版
レッドブル&HRC密着:RB20に5つのアップデートを実施。初日は「期待ほどパフォーマンスはよくなかった」と不安が残る
レッドブル&HRC密着:RB20に5つのアップデートを実施。初日は「期待ほどパフォーマンスはよくなかった」と不安が残る
AUTOSPORT web
完成度の高いアッパーミドルサルーン、新型「クラウン」セダンの魅力
完成度の高いアッパーミドルサルーン、新型「クラウン」セダンの魅力
@DIME
マクラーレン、打倒フェルスタッペン狙いの”ギャンブル”はしない!「手は尽くすが、サイコロは振らない」
マクラーレン、打倒フェルスタッペン狙いの”ギャンブル”はしない!「手は尽くすが、サイコロは振らない」
motorsport.com 日本版
東京多摩を貫く「幻の街道」とは? 青梅街道から“分岐するはず”の大幹線 影も形も…ちょっとある!
東京多摩を貫く「幻の街道」とは? 青梅街道から“分岐するはず”の大幹線 影も形も…ちょっとある!
乗りものニュース
日産「新型ミニバン」初公開! ちょっとビッグな「エヴァリア」! 3列7人乗りの「欧州のオシャレミニバン」は日本でもアリか
日産「新型ミニバン」初公開! ちょっとビッグな「エヴァリア」! 3列7人乗りの「欧州のオシャレミニバン」は日本でもアリか
くるまのニュース
ルーキー岩佐歩夢が魅せた! 2番手以下にコンマ3秒差をつけSF初ポールを獲得【第2戦予選レポート】
ルーキー岩佐歩夢が魅せた! 2番手以下にコンマ3秒差をつけSF初ポールを獲得【第2戦予選レポート】
AUTOSPORT web
完成度の高いアッパーミドルサルーン、新型「クラウン」セダンの魅力
完成度の高いアッパーミドルサルーン、新型「クラウン」セダンの魅力
@DIME
完成度の高いアッパーミドルサルーン、新型「クラウン」セダンの実力
完成度の高いアッパーミドルサルーン、新型「クラウン」セダンの実力
@DIME

みんなのコメント

3件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

599.0881.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

100.0499.0万円

中古車を検索
XEの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

599.0881.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

100.0499.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村