歴代最大のヒットモデル、ケンメリ
ハセガワ製のケンメリGT-Xをベースに、輸出仕様のダットサン240K GTを作ろうというこの企画、1回目ではボンネットの切り離しやエンジンルームの構築についてお伝えしたが、今回はエンジンの流用と搭載、必要な補機の自作などとなる。工作の詳細については画像とそのキャプションをご参照いただくとして、ここでは実車のケンメリについて少し紹介しておこう。
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スカイラインの歴史は1957年、プリンス自工の高級セダンとして登場したことによって始まった。1963年の二代目からはファミリー向けのセダンに転身、ここでレース活動に向けた2000GTも登場し、以後のスカイラインは、4気筒のファミリー向けモデルと、6気筒のGT系モデルの二段構えでその系譜を継いでいくことになる。
1966年にプリンスは日産に吸収され、1968年には日産の元で初めてのフルモデルチェンジが行われた。その4年後の1972年9月、スカイラインは三度目のモデルチェンジで四代目・C110型系へと移行。この四代目スカイラインこそ、巧みな広告戦略によって歴代最大の販売成績を誇る人気モデルとなった、通称ケンメリである。この呼び名は、宣伝キャラクターである「ケンとメリー」に由来する。
5年間で実に合計67万台を売り上げたケンメリであるが、無論いくら宣伝が良くても、クルマそのものが良くなくては売れる訳がない。二、三代目と徐々に強調されてきたスポーツイメージ、そして初代から継承されてきたゴージャスムード、そのハイレベルな融合こそケンメリ大成功の理由であった。
豪華なムードは、先代よりも若干大柄なボディと、よりアメリカンな印象を強めたボディスタイルからもたらされている。ボディサイズは先代と比べてGT系では全長で45mm長く、全幅で30mm広くなった。ホイールベースは先代では2ドアの方が短かったが、今度は2ドアと4ドアで統一され、2610mm。
スタイリングでは、リアフェンダーに入るプレスライン(所謂サーフィンライン)が、エッジとしての盛り上がりよりもその下の抉れを強調した形となったのが特徴だ。4ドア・セダンのGT系および2ドア・ハードトップには円形のテールランプを採用し、スカイラインらしさをよりアピール。
機構的には先代からほぼ変わりなく、L20型6気筒2Lエンジンに前ストラット/後セミトレのサスペンションという基本コンポーネンツを受け継いでいる。GTではシングルキャブ、豪華版のGT-Xではツインキャブとなるのも先代同様。
一方、4気筒モデルはプリンス直系のG型エンジンを搭載、1.6Lと1.8Lがあった。こちらのサスペンションはリアがリーフリジッドとなるが、G型ならではの吹け上がりの良さと鼻先の短さ・軽さによる軽快な走りから、GTよりむしろこちらを好むツウも少なくなかったようだ。バン/ワゴンは4気筒のみの設定であった。
GT-Rの登場と消滅、そして最終的に5年に及んだモデルライフ
1973年1月には、DOHCのS20を搭載したGT-Rが発売されているが、よく知られているように、わずか197台で生産を終了している。1975年秋にはマイナーチェンジを行い、後期型へ移行。GT系のフロントグリルはセンターグリルが独立した形ではなくなり、却って彫りの深い顔立ちとなった。
GT-Xはグレード名をGTX-Eと改め、排ガス規制適合のためエンジンはインジェクション(EGI)仕様のL20Eを搭載。また、GT-R譲りの四輪ディスクブレーキやスタビライザーを装備したGTX-E・Sも登場した。このグレードはインテリアにおいてもGT-Rに似たアルミ製メーターパネルが特徴となる。
4気筒エンジン搭載のモデルは、排ガス規制対策のため搭載ユニットをG型からL型へと変更。また外観においても、GT系とイメージを合わせた彫りの深いグリル形状などが採用されている。これらの変更は時期をずらして散発的に行われており、GTX-Eの登場は9月、GTX-E・Sの追加とGTのマイチェンは10月、4気筒モデルの変更も10月と、3回に分けて実施された。
こうして排ガス対策のあおりを受けてモデルチェンジが遅くなったケンメリ・スカイラインであるが、登場5年後の1977年には五代目・C210型系へと移行を果たしている。
※使用キット
ハセガワ1/24スケールプラモデル ニッサン スカイライン HT 2000GT-X (KGC110)
3,520円(税込)
ハセガワ公式サイト
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