F1新規参入を目指し、アメリカ大手GM傘下のキャデラックと組んで着々と準備を進めているアンドレッティ。先日はイギリス・シルバーストンに新たなファクトリーをオープンしたばかりだ。彼らがF1に参戦できるかどうかは依然として不透明な状況にあるが、それでも計画を推し進めるべく、ヨーロッパの拠点で働くスタッフの新規採用を行なうという。
今年初め、F1側に2025年からの新規参戦を認めない旨を通達されたアンドレッティ。「アンドレッティの参戦はF1に十分な価値をもたらす確証がない」と判断された格好だが、2028年にはGM製パワーユニット(PU)の供給準備が整う見込みのため、そこがエントリー許可に向けた大きなチャンスだと見られている。
■F1早期参戦の野望は成就せず。アンドレッティ・キャデラックのエントリーが却下された3つの理由
今回アンドレッティで募集されるのは、空力開発責任者や機械設計責任者などの上級職のほか、空力やCFD、モデル設計、電装系、制御システム、IT、車両性能、製造など多岐に渡る分野のエンジニアなど、計60名。それらは全てシルバーストンが拠点になるとのことで、場所はシルバーストン・サーキット、そしてアストンマーティンF1チームのファクトリーのすぐ近くだ。
また、アンドレッティ・グローバルのオーナーであるマイケル・アンドレッティの父で、F1とインディカーで共にタイトルを獲得したレジェンドドライバーであるマリオ・アンドレッティはAP通信の取材に対し、週末に行なわれるマイアミGPを含めてF1の首脳陣との話し合いの場を増やしていきたいと語った。
「我々は彼らと一度しかミーティングをしていない。これは問題だ」
「これは十分とは言えない。だから次のミーティングは大歓迎だ。座って話をしよう」
「これまで逃してしまった機会もいくつかあったが、過去を振り返るのではなく、前向きに考えなければならない。我々はこの目標に向けて歩みを止めたことがないし、私は希望を持ち続けている」
「我々の取り組みが計画通りに進んでいることは明確になっている。そして我々はただ協議をしているだけの段階ではない。実際に手を動かしているのだ。シルバーストンに新たな拠点が立ったことがそれを示している」
アンドレッティ親子としては、F1がアンドレッティの参戦を拒否したことは、明らかに財政面に紐付いたものであると確信している。それ以外、説得力ある理由は聞かされていないという。
マリオ・アンドレッティはこう続ける。
「我々は『言われたことは何でもやる』と言おうとしているのだ。しかし彼らときたら、『いやいや……君たちには恥ずかしい思いをさせたくないから、(F1には)来ないでおくれ』というような言い訳をするくらいで、他には何も言ってこない」
「ただもちろん、我々としても恥をかきたくないとは思っている。事実、ゼネラルモーターズ(GM)もこのプロジェクトを非常に前向きに捉えてくれているし、長期的に取り組んでくれることになっている。これ以上何ができるのかは分からない」
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