現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ車の「サンルーフ」減った? 昔は「あこがれの装備」なのに… 装着するとデメリットも? 近年は「ガラスルーフ」が増加に

ここから本文です

なぜ車の「サンルーフ」減った? 昔は「あこがれの装備」なのに… 装着するとデメリットも? 近年は「ガラスルーフ」が増加に

掲載 51
なぜ車の「サンルーフ」減った? 昔は「あこがれの装備」なのに… 装着するとデメリットも? 近年は「ガラスルーフ」が増加に

■かつて定番の「サンルーフ」なぜ減った?

 クルマに備わるさまざまな快適装備があるなかで、ルーフ(屋根)の一部が開く「サンルーフ」装着車を好んで選ぶという人もいるでしょう。
 
 しかし、近年ではサンルーフの設定が減ってきている傾向にあるのです。

まさかの「ミニ アルファード」初公開!? 全長3.5mの「軽自動車サイズ」をお披露目!

 サンルーフはルーフの一部が開閉構造となっており、車内の空気が吸い出されて換気ができたり、車内に日差しを取り入れられるだけでなく、乗員が手軽に開放感を味わえる人気の装備です。

 一般的にはサンルーフと呼ばれていますが、ムーンルーフ、スライディングルーフなどの名称を使用しているメーカーもあります。

 上級クラスのモデルでは標準装備として備わるケースもありますが、多くが新車時に選択するメーカーオプションで設定されており、十数万円程度と比較的高価なオプションのひとつです。

 国産車では、手動式が1968年登場のホンダ「N360」に初めて採用され、モーターによる電動式は1978年登場のホンダ「プレリュード」で初採用されたといわれています。

 一部の車種ではサンルーフの可動部が窓になっている「ガラスサンルーフ」を採用しており、シェードを格納すれば窓を閉じた状態で光を取り入れることができます。

 特に、1980年代からはバブル景気によるクルマの装備の充実化といったことや、いわゆる「デートカーブーム」などから人気の装備となり、憧れの装備として知られていました。

 しかし、2000年代以降では一部の上級モデルを除き、サンルーフを標準装備したり、メーカーオプションとして用意するクルマは減少傾向にあるようです。

 この背景には、換気というサンルーフの目的に対し喫煙者が減少していることや、安全性向上のためにルーフ強度を高める必要があること、低燃費化を目指して重量のあるサンルーフ機構を廃し、軽量化する必要があることなど、様々な要因があるとされています。

 そして近年では、先進安全装備の強化や電動化など、クルマの高機能・多機能化していることから新車の車両本体価格が上昇している傾向にあります。

 そうしたなかでオプション装備を選ばず価格を抑制したいユーザーがサンルーフを選ばないという指摘もあるようです。

 一方、近年はサンルーフに代わる新たな装備が登場し、採用される新車も増えています。

 パノラマルーフ(パノラミックルーフ、ガラスルーフとも)は、ルーフの大面積をガラスとしたもので、日差しを取り入れることができ、天井に開放感が生まれることはサンルーフと同様ですが、ガラス自体の開閉機構を持ちません。

 2020年6月に発売されたトヨタのミディアムSUV「ハリアー」現行型では、先代では開閉できるサンルーフを装備していましたが、現行ではガラスの透過を切り替えられる「調光パノラマルーフ」がオプションで設定されています。

 また、2023年1月に発売されたトヨタ「プリウス」も同様に、先代ではサンルーフでしたが現行では後席まで広がる大型のパノラマルーフがメーカーオプション設定されています。

 開閉できないパノラマルーフですが、そのぶんフロントシートからリアシートまで、大きなガラスエリアを持たせることができ、大きな特徴となっています。

 パノラマルーフの装着に関して、国産ディーラーの販売スタッフは過去の取材で次のように説明しています。

「当社のクルマでパノラマルーフを付けられるのは上級グレードがほとんどです。また装着を希望するお客様の多くは『開放感が欲しい』という理由から付けられているようです」

 また、中古車販売店のスタッフは以下のように話しています。

「パノラマルーフやサンルーフを装備しているクルマは流通台数が少なく、高値で販売されています。

 そのぶん乗り換えや下取りに出す場合、お乗りのクルマにパノラマルーフやサンルーフが装着されていると、買い取り査定ではプラスの評価になり、新車のオプション価格と同じ程度加算されるケースもあります」

■装着すると「デメリット」も?

 車内にいながら日差しを取り入れたり、開放感を感じられるサンルーフやパノラマルーフは、特に春頃では花見も可能で、満足感の高い装備だと言えます。

 しかし、装備することによるデメリットもあるようです。自動車整備工場の整備士は以下のように話します。

「サンルーフ装着車の場合、モーターが故障すると開閉動作ができなくなってしまいます。

 閉まった状態で故障すればまだ良いのですが、開けた状態で閉められなくなってしまうと雨漏りが起きたり、密閉性が確保されません。また、水抜き穴が詰まることで、完全に閉じているのに雨漏りするケースもあります。

 パノラマルーフに特有なものとしては、ひょうや雪塊などの落下物で割れてしまう危険性もあります。いずれのケースでも室内の天井やカーテンエアバッグなどを外す必要があるので、高額な修理となってしまうでしょう。

 さらに、サンルーフとパノラマルーフのどちらにもある故障ですが、電動シェード(薄い日除け)を装備するクルマで、シェードのモーターやシェード自体がうまく機能せずに巻き込んでしまい故障するケースもありました」

 このようにサンルーフやパノラマルーフを装備することに起因する故障もあり、ガラスルーフではその修理費用は特に高額になることも多いようです。

 また、ガラスの性能が向上し、断熱や紫外線カットといった機能が採用されているとはいえ、直射日光が注ぐという点から、夏場の炎天下などでは暑さを感じやすいことを指摘する意見もSNSなどでは見られます。

 さらに、サンルーフやパノラマルーフ時自体も高額なオプションである点もデメリットだと言えます。

 花見や星空を眺めたり、寒い季節に日差しを取り込んで車内を暖めるなど、様々なメリットもあるサンルーフ・パノラマルーフですが、クルマを選ぶ際はメリットとデメリットの両方をよく考えた上で選択したほうが良いでしょう。

こんな記事も読まれています

車の「サンルーフ」いる?いらない? 最近減ったものの「絶対必要派」と「余計なものは不要派」で見解に差 それぞれの“こだわり”とは
車の「サンルーフ」いる?いらない? 最近減ったものの「絶対必要派」と「余計なものは不要派」で見解に差 それぞれの“こだわり”とは
くるまのニュース
クルマのドアに装着された「謎のバイザー」どんな機能!? 「付いてないクルマ」と何が違う? 気になる「効果」や取り付け方法とは
クルマのドアに装着された「謎のバイザー」どんな機能!? 「付いてないクルマ」と何が違う? 気になる「効果」や取り付け方法とは
くるまのニュース
世界初の「2階建て」ミニバン! 斬新すぎる「屋根裏部屋」付きのマツダ車が凄い!「車中泊」が最高に楽しめる「面白ミニバン」に注目!
世界初の「2階建て」ミニバン! 斬新すぎる「屋根裏部屋」付きのマツダ車が凄い!「車中泊」が最高に楽しめる「面白ミニバン」に注目!
くるまのニュース
クルマに加工された「謎のツブツブ模様」なぜ必要? どうして車種によって有無がある? 気になる「不思議な印」の役立ち方とは
クルマに加工された「謎のツブツブ模様」なぜ必要? どうして車種によって有無がある? 気になる「不思議な印」の役立ち方とは
くるまのニュース
中古のトヨタ「ランドクルーザー」価格高騰! それでも欲しい!? 購入時に注意すべき“意外なこと”は?
中古のトヨタ「ランドクルーザー」価格高騰! それでも欲しい!? 購入時に注意すべき“意外なこと”は?
くるまのニュース
大人“6人”乗れるレクサス「高級ミニバン」初公開! 1500万円の豪華仕様、反響は?
大人“6人”乗れるレクサス「高級ミニバン」初公開! 1500万円の豪華仕様、反響は?
くるまのニュース
トヨタ「アルファード」が欲しい! けど“現行”は高すぎ… 「先代アルファード」なら200万円程度で買える!? 狙い目の「お買い得中古車」とは
トヨタ「アルファード」が欲しい! けど“現行”は高すぎ… 「先代アルファード」なら200万円程度で買える!? 狙い目の「お買い得中古車」とは
くるまのニュース
なぜ背の高い「SUV」増えた? 新車“6割”を占める現実… 「セダン」「ワゴン」より何が優れている? シェア拡大の理由とは
なぜ背の高い「SUV」増えた? 新車“6割”を占める現実… 「セダン」「ワゴン」より何が優れている? シェア拡大の理由とは
くるまのニュース
ホンダ新型「最高級ミニバン」500万円超でもコスパ最強! 「ライバル車より良い!」の声も!? 新型「オデッセイ」への反響は?
ホンダ新型「最高級ミニバン」500万円超でもコスパ最強! 「ライバル車より良い!」の声も!? 新型「オデッセイ」への反響は?
くるまのニュース
アンダー200万円! トヨタの「快適小型SUV」何が良い? デビュー“4年”でも売れまくり! 「ヤリスクロス」の魅力は?
アンダー200万円! トヨタの「快適小型SUV」何が良い? デビュー“4年”でも売れまくり! 「ヤリスクロス」の魅力は?
くるまのニュース
ホンダ新型「フリード」発売へ! 「エアー」と「クロスター」どっちが人気? 斬新すぎる“SUV風”の評価はどう?
ホンダ新型「フリード」発売へ! 「エアー」と「クロスター」どっちが人気? 斬新すぎる“SUV風”の評価はどう?
くるまのニュース
新型「6人乗りハイエンドミニバン」発売! 国産“最高峰”の「3列目」も採用! 快適すぎるレクサス「新型LM」 サードシートの特徴は
新型「6人乗りハイエンドミニバン」発売! 国産“最高峰”の「3列目」も採用! 快適すぎるレクサス「新型LM」 サードシートの特徴は
くるまのニュース
5ナンバーサイズの「小型ミニバン」なぜ異様に売れる? トヨタ「シエンタ」&ホンダ「フリード」が絶大な支持を集める理由
5ナンバーサイズの「小型ミニバン」なぜ異様に売れる? トヨタ「シエンタ」&ホンダ「フリード」が絶大な支持を集める理由
くるまのニュース
トヨタ「シエンタ」の最大ライバル! 全面刷新のホンダ「新型フリード」初公開! 大人気「小型3列ミニバン」どっちが好き? アンケートの結果とは
トヨタ「シエンタ」の最大ライバル! 全面刷新のホンダ「新型フリード」初公開! 大人気「小型3列ミニバン」どっちが好き? アンケートの結果とは
くるまのニュース
ホンダ新型「フリード」実車展示に来場者殺到! “乗車体験”に長蛇の列!? 「カッコいい」「大ヒットの予感」早くも話題に!
ホンダ新型「フリード」実車展示に来場者殺到! “乗車体験”に長蛇の列!? 「カッコいい」「大ヒットの予感」早くも話題に!
くるまのニュース
ホンダが斬新な「小型SUV風ミニバン」初公開! ゴツい“タフ顔”に「3列シート」搭載!「新型フリードクロスター」の魅力とは!
ホンダが斬新な「小型SUV風ミニバン」初公開! ゴツい“タフ顔”に「3列シート」搭載!「新型フリードクロスター」の魅力とは!
くるまのニュース
ホンダに「小さな高級車」あった! 豪華内装の“ラグジュアリー感”スゴい! 「上質すぎインテリア」採用の「最上級フィット」どんなもの?
ホンダに「小さな高級車」あった! 豪華内装の“ラグジュアリー感”スゴい! 「上質すぎインテリア」採用の「最上級フィット」どんなもの?
くるまのニュース
トヨタの新「シエンタ」発表! 最新型は「0円オシャ内装」に大注目!? オシャ度爆上ゲ「特別インテリア&エクステリア」で”差が付く”裏テクパッケージとは
トヨタの新「シエンタ」発表! 最新型は「0円オシャ内装」に大注目!? オシャ度爆上ゲ「特別インテリア&エクステリア」で”差が付く”裏テクパッケージとは
くるまのニュース

みんなのコメント

51件
  • gon********
    昔、GX81系でサンルーフオプションで着けたけど、ほとんど開閉しなかったかな。タバコ吸う方には最高のアイテムだと思うよ。デメリットはボディー剛性も悪くなるし重量も増すからラグジュアリー系の車なら良いけど、スポーツタイプはつけない方が良いかも。
  • ******
    初代アルテッツァで付けたけどめちゃくちゃ便利だった
    最近はオプション設定すらない場合があって残念
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

312.8453.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8669.8万円

中古車を検索
ハリアーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

312.8453.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8669.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村