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シボレー トラバースとキャデラック SRXクロスオーバー。同じGMのSUVでも異なる存在感【10年ひと昔の新車】

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シボレー トラバースとキャデラック SRXクロスオーバー。同じGMのSUVでも異なる存在感【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、シボレー トラバースとキャデラック SRXクロスオーバー、GMグループの中から2台のクロスオーバーSUVを乗り比べてみた。

シボレー トラバース(2011年)
トラバースは、日本ではあまり馴染みのないモデルだが、GMがシボレー ブランドで販売しているクロスオーバーSUVだ。現行型が初代で、アメリカ本国では2008年にデビューした。日本へは日本法人のGMジャパンではなく、三井物産オートモーティブが2009年から輸入販売しており、今回試乗したのは2011年モデルとなる。

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丸みを帯びたフォルムのせいか、写真ではあまり大きく見えないかもしれないが、実際には全長が5.2mオーバー、全幅も約2mとかなり大柄。そのおかげで室内も十二分に広く、シートは他のアメリカン ビッグサイズSUVと同様に、2-3-3の3列8人乗りとなっている(本国には7人乗りもあるらしい)。しかも、3列目シートも不満なく使える空間が確保されている。また、2列目シートがスライドするので3列目へのアクセス性も良い。

トラバースは、ミニバンとSUVを掛け合わせた、まさにクロスオーバーといった感じのクルマだ。SUVとしては比較的小さめのタイヤのおかげで、バネ下の軽さや取り回しの良さをもたらしている印象だ。乗り味は適度に引き締められており、なかなか心地良い。

3.6LのV6は十分にトルクフルで、2.3トン近い巨体を低速から軽やかに加速させる。思ったより静粛性も高い。今回の試乗車は4WDだが、日本仕様のトラバースには2WD(FF)も設定されており、車両価格は100万円安い510万円となる。

インテリアは、スムーズな曲線を描いてシンプルに構成されており、高級というほどでもないが質感はけっして低いことはなく、装備レベルも十分だ。シートは3列目だけでなく2列目も前倒ししてフラットなフロアにすることができる。しかも、すべて倒すとそのスペースはかなり広大。大きな道具を使うアウトドア指向のユーザーには、もってこいの1台だ。派手さこそないけれど、日本車やヨーロッパ車にはない大らかさが持ち味だ。

キャデラック SRXクロスオーバー(2011年)
アメリカ本国では2009年に発売され、日本では昨年(編集部註:2010年)末から発売された、2代目キャデラック SRX。サブネームに「クロスオーバー」が付けられ、クルマとしての素性も大きく変わった。GMで「アーキテクチャー」と呼ぶプラットフォームが、従来のFRベースの「シグマ」からFFベースの「シータ」となった。サイズも少しコンパクト化されて、3列シート車の設定がなくなり、2列5人乗りのみとなった。

エンジンもV8がフェードアウトしてV6に統一され、しかも排気量が3.6Lから3Lに縮小された。おまけに?車両価格もエントリーグレードの「ラグジュアリー(549万円)」なら従来型より100万円以上もプライスダウン! この背景から、キャデラックを世界的ブランドと位置づけてより積極的に展開していこうというGMの意図がうかがえる。

新型SRXで、まず印象的なのは何よりもビジュアルだろう。内外装には数年前からキャデラックのアイデンティティとなっている5角形のモチーフと、各部のエッジを強く立てた、他にはないデザインを多用している。SUVなのに、Cピラーがクーペのように寝かされているのも特徴といえるだろう。

インテリアも、キャデラックらしい豪華さに新世代デザインをフィーチャーしており、なかなか好感の持てるものだ。ラゲッジルームでは、U字型のレールと伸び縮みするアームにより、パーテーションの状態を自由自在に変えられる「カーゴマネージメントシステム」のような独自のアイデアを盛り込んで、使い勝手を高めている点にも注目しておきたい。

そして走りもいたって現代的だ。ドイツ車にひけをとらない正確性のあるハンドリングと、小型化されたとはいえそう軽くはない車体ながら、いたって軽快なフットワークを身に着けている。つまり、キャデラックらしさはまったく損なわれていないのだ。セダン系のCTSもそうだったが、大胆に若返りを図っているキャデラックは、このところ魅力的なクルマを続々と世に送り出していて興味深い。今後のキャデラックは、さらに注目を集めていくに違いない。

■シボレー トラバース LT ビラボン エディション 主要諸元
●全長×全幅×全高:5220×1990×1790mm
●ホイールベース:3019mm
●車両重量:2280kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:3564cc
●最高出力:210kW<285ps>/6300rpm
●最大トルク:361Nm<36.8kgm>/3600rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤ:255/55R20
●当時の車両価格(税込):610万円

■キャデラック SRXクロスオーバー プレミアム 主要諸元
●全長×全幅×全高:4855×1910×1690mm
●ホイールベース:2810mm
●車両重量:2080kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:2997cc
●最高出力:210kW<285ps>/6300rpm
●最大トルク:361Nm<36.8kgm>/3600rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:フロント横置き4WD
●JC08モード燃費:6.7km/L
●タイヤ:P235/55R20
●当時の車両価格(税込):599万円

[ アルバム : シボレー トラバース と キャデラック SRX はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

3件
  • 良くも悪くも、アメリカ大衆向けのザ・ふつうのSUV。

    せめて右ハンドル+きのこミラーレス仕様にしないと、日本じゃ商売になりませんよ。
    事実、まったく商売にならなかったけど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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