もどかしい状況のまま終わった決勝レース
MotoGP第4戦スペインGP決勝レースを終えたMoto2クラスの小椋藍選手(MTヘルメット – MSI)の表情は、明るいものではありませんでした。17番手という後方からスタートして追い上げ、ポジションを上げての6位だったものの、「レースではやれることをやっただけ。その結果が6位だったというだけですね」と、自分に厳しい目を向けます。得意なサーキットだけに、自分に期待していたところがあったのかもしれません。
【画像】2024年シーズンのMoto2クラスに参戦する小椋藍選手を見る(6枚)
初日、小椋選手はプラクティス1を5番手でスタートしました。しかしこのときも「あまり良くなかった」と納得いかない様子でした。
小椋選手としては、いつも苦手とするセクター2、4の改善に集中したかったのですが、今回はほかのセクターでもうまくいかなかったからです。走りをまとめきった感触が無かったのでした。
こうしたフィーリングで迎えた予選は、天候もアンラッキーでした。雨により、午前中のプラクティス2がウエットコンディションとなったのです。決勝レースのある日曜日はドライコンディションが予想されたため、改善したいところが乾いた路面で走れないまま予選を迎えることになったのでした。
もちろん、天候は全てのライダーに平等です。走り出しでつまずいたことが、小椋選手のスペインGPを難しくしました。
予選では、ベストラップが出そうだったところでミスをしてしまいます。すでに雨は上がっていましたが路面に濡れた部分が残っており、いつもとは違うラインをとらなくてはならず、アタックがうまくいかなかったのです。
そして17番手から挑んだ決勝では、じりじりとポジションを上げ、前を走るライダーの転倒もあって、6位でゴールしたのでした。
レース後、取材に向かうと小椋選手は、やはり曇った表情を浮かべていました。全体的に見れば良い流れの週末とは言えないものでした。前日よりもポジティブな気持ちで終われたのかと問うと、「うーん……」と、少し思案して答えました。
「(良かったのは)とくに変なことに巻き込まれずにゴールできた、ということくらいです。ただ自分のペースで走り切って、その結果が6位だった、というだけ」
表彰台に手が届きそうで届かない、もどかしいレースが続いています。しかしそのもどかしさを誰よりも感じているのは、ほかならぬ本人に違いないのです。
Moto2クラスは4月30日にヘレスでのテストを実施し、次戦に向かいます。次戦のMotoGP第5戦フランスGPは、5月10日から12日にかけて、フランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで行なわれます。
■Moto2クラスとは……
Moto2クラスは、トライアンフ「ストリートトリプルRS」の排気量765ccの3気筒エンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。タイヤは2024年よりピレリのワンメイクとなった。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。
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みんなのコメント
もう今年はチャンピオン無理かね。