名チューナーによる至宝のRB26改2.7L仕様!
RB26DETTを愛し続ける男の想いに迫る
「色々と意見はあるでしょうが、僕が感じるところではGT-RをGT-Rらしく乗って楽しむには550psくらいのパワーを持たせてやりたいですね。FRのシルビアなら400psくらいの感覚ですが、GT-Rはボディが同時期の他車種よりシッカリしていることと、4WDなのでそこに喰われるパワーを補ってやりたいですから」と、GT-R&RB26DETTについて熱く語るのは、エンジン作りのスペシャリストである“アドミクス”の本嶋代表。
そんな本嶋代表にRB26チューンのキモを聞くと「長く乗るつもりでエンジンを開けたメンテナンスを行うなら、フルカウンターのクランクを入れて欲しいです。クランクはエンジンの中心部分で、ここのバランスやストロークの違いでエンジンのフィーリングがガラリと変わりますから。まず一番なのがバランスの違い。バランスの良いフルカウンタークランクを入れると、エンジンが自分で回っていこうとするので、軽く、滑らかなフィールになるんです。振動が出ないって、こんな滑らかなんだと思い知らされます」と続く。
ここで紹介するBCNR33は、ストリート仕様として自走で快適に走れる装備を保ちながら、サーキットを中心に走ることをコンセプトにしたチューンド。エンジンはJUNの1mmストロークアップのクランクを使った2.7L仕様で、アクチュエーター式のタービンをツインでセットしたハイレスポンス型の630psで仕上げられている。
高回転のフィールを高めるために、サージタンクはニスモ製にして容量を拡大。制御はF-CON Vプロによるものだ。
また、圧縮比を8.5とし、JUNの272度10.5mmリフトのカムシャフトを組み合わせることで高回転まで突き抜けるように吹け上がるエンジンを創出。一般的にハイカムにすると乗りにくいと思われがちだが、そのような心配は無用だ。
エキゾースト環境は、HKSの80φフロントパイプにアドミクス90φマフラーという組み合わせ。このマフラーは排気効率を高めるだけでなく、甲高い直6サウンドを奏でてくれることも大きな魅力だ。
室内はストリート仕様そのもの。メインメーターはデフィのスーパースポーツクラスターで集中管理。ロールケージも剛性と安全性を高める目的で組み込んでいる。
足回りは、ジールファンクションベースのアドミクス車高調(F14kg/mm R12kg/mm)を軸にセットアップ。リヤのLSDはATSのカーボンを投入している。ブレーキは前後ともエンドレスのキャリパーキットで武装。第二世代GT-Rは車重に対して純正のブレーキがプアなので、グリップレベルを引き上げてサーキット等を走るなら大容量化は必須だ。
「JUNのクランク(ストローク75.7mm)は、許容を1万2000rpmとして設計された逸品。バランス性能などが非常に良いんです。僕はこのクランクが大好きなんですが、残念なことに今では廃盤。再販して欲しいですね。あ、少しリーズナブルでお得感も高い選択としては、HKSのステップゼロという2.8L仕様もあります。これも悪くない選択だと思いますね」と、クランクだけでも永遠に話が続きそうなほどの想いをRB26チューニングに寄せている本嶋代表。
ピストンの話、カムの話、ポートの話…そのノウハウには限りがない。その拘りの続きが気になる人は、アドミクスに足を運んでみてはいかがだろうか。
●取材協力:アドミクス 埼玉県比企郡川島町上大屋敷403 TEL:049-299-1771
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