現在位置: carview! > ニュース > カー用品 > 【試乗記】ブリヂストン プレミアム・コンフォートタイヤ レグノGR-XIIIは基盤技術ENLITENで生まれ変わった

ここから本文です

【試乗記】ブリヂストン プレミアム・コンフォートタイヤ レグノGR-XIIIは基盤技術ENLITENで生まれ変わった

掲載 更新 2
【試乗記】ブリヂストン プレミアム・コンフォートタイヤ レグノGR-XIIIは基盤技術ENLITENで生まれ変わった

ブリヂストンのプレミアム・コンフォートタイヤ、レグノGR-XIIIが発売され、早速ブリヂストンのテストコースがある栃木県黒磯で試乗してきた。

試乗テストは一般道と高速道路、それとテストコースという環境で、一般道ではGR-XIIIの絶対評価、テストコースではGR-XIIとの比較テストを行なった。

メルセデス・ベンツ GLCにAMGモデルの「メルセデスAMG GLC 63 S E PERFORMANCE クーペ」と「メルセデスAMG GLC 43 4MATIC クーペ」を追加

関連記事:ブリヂストン 「REGNO GR-X III」を正式発表

テストコースでは高速周回路や直線にパイロンを設置し、スラロームやWレーンチェンジなどのコース、荷重が大きくかけられるコーナー、そして突き上げが感じられるように路面に凸凹を作った路面などさまざまな路面でのテストを体験することができた。

最初はGR-XIIとGR-XIIIとの比較で、20km/hの速度でパイロンをゆっくりスラロームし、周回路へ入る。高速バンクの最下端を100km/hでコーナリングし、ストレートで120km/hまで加速というレイアウトのオーバルコースをそれぞれのタイヤで走行した。

GR-XIIとは高速域での走行音に違いがあるすると、タイヤの静粛性の違いや、しっかり感、剛性感といった違いが感じられる。とくに120km/hでのレーンチェンジや100km/hでのコーナリングでは、サイドウォールの剛性感に違いを感じる。GR-XIIはそのサイドウォールがしっかりとした高い剛性感を感じるのに対し、新商品のGR-XIIIはタイヤ全体で剛性を感じるのだ。つまりタイヤの内圧による「張り」を感じることでしっかり感として伝わってくる。だから、もっと速い速度でコーナリングができるという安心感につながる印象だった。

また120km/hの車速になると、静粛性において圧倒的な差が出てくる。それは走行音が大きくならないGR-XIIIと車速に応じて走行音も大きくなる先代との違いだ。またレーンチェンジでのステア応答の違いは僅かなステア操作に対しての反応の違いがあるが、相当神経を集中していかないと気づかないレベルの違いだった。

また100km/hコーナリングではリヤタイヤの追従性の違いがあるという説明を受けているものの、テスト車両がメルセデス・ベンツのEQEで、この車両はリヤ操舵が装備されているためリヤタイヤの存在が明確に感じられる。そのフィーリングがタイヤによるものなのか、リヤ操舵によるものなのか区別しにくく、GR-XIIもGR-XIIIもともにリヤタイヤの追従性、接地感があり、感覚も掴みやすかった。

すごく明確に違いを感じたのは路面にアンジュレーションをつけた場所での走行と凸凹のある路面を走行するシーンだ。GR-XIIIが圧倒的にマイルドで、オブラートにつつまれたまろやかさがあるのだ。テスト車両は同じタイプのモデルなので、この違いはタイヤによる違いと断言できる。

とくに路面にロープを張り巡らせた凸凹では、おなじ車両なのに、まるで違うクルマに乗っているかのようなまろやかさがあるのだ。ちなみにテスト車両はレクサスESだった。

路面にロープを置き、突き上げ振動がどのように異なるか体験一般道ではBMW i4で試乗。新型のGR-XIIIはEVにも対応という謳い文句もあり、プレミアム・コンフォートタイヤにふさわしいテスト車だ。EVのi4でGR-XIIIで走り出すと、舗装状況の良い滑らかな路面ではタイヤの存在を忘れてしまうほど、静粛性が高くしっとりとしている。

このタイヤであればEVの魅力をさらに際立たせていると感じられた。また荒れた路面では音の質が異なり、低音で音自体の大きさも小さい。そして静粛性の高さは荒れた路面でも維持されることを体験したのだ。

さて、こうした印象を受けた新型のレグノGR-XIII誕生の背景を少し覗いてみると、社会環境やモビリティの変化が起きている現在、タイヤに求められる性能にも違いが生じてきていることがわかる。例えば電動化が進んでいる現在、走行時のエンジン音が無くなったEVでは高い静粛性が求められるようになり、電費をよくするための省燃費性能も求められる。またSDGsの観点からも環境負荷低減といった項目が容易に想像できるわけだ。

そこで、ブリヂストンでは新たなプレミアムタイヤとして「エンライトン」という基盤技術を使って、新しい概念でGR-XIIの後継モデル製作に着手したわけだ。

考え方のベースは基本性能を全領域で昇華させ、そこからさらに、特性に磨きをかけた領域を持たせたタイヤの開発だった。行き着くところは「薄く、軽く、円く」。ある意味古くからタイヤに求めれてきた性能の究極性能であり、そこへ到達するための技術や知見を揃え、GR-XIIIを生み出したのだ。

じつはタイヤに求める性能は市場によっても異なり、ややこしいのだが、日本のマーケットで「レグノ」ブランドに求められるものは「乗り心地、静粛性、ハンドリング、ウエット性能、低燃費性能、軽量、耐摩耗性、そして資源循環型」といった要素がある。これらの性能の底上げから始まり、高まったところから、静粛性とハンドリング性能を磨き、ある領域は飛び抜けた性能へと導いているのだ。

そのための基盤技術が「ENLITEN」という技術で、これはブリヂストンが培ったこれまでの知見やデータを使い、より高みへ押し上げる技術に位置付けられている。

ある性能を高めると背反する性能は悪くなるというタイヤ製造の中で、例えば乗り心地を良くするためにゴムを厚くすると、先ほどの求める性能の乗り心地、静粛性、耐摩耗性能は上がるものの、ハンドリングや低燃費性能、軽量といった領域では著しく性能低下が起きる。

そのため、全体の性能を向上させるにはそれぞれの領域のベストとなる技術を確立し、データ化していくことで、全体にバランスの取れた高性能なタイヤが作れるということ。ひとことである領域のベストとなる技術を確立するとは言え、そこには長年のタイヤ製造技術ノウハウとデータがあるわけで、その数値化されたものはベース技術に取り入れ、データ化できない領域までも利用していくというのが基盤技術のENLITENというわけだ。

では具体的に見ていくと、素材のゴムを例にとると、まず細かなミクロレベルの配合技術、ナノレベルのポリマー設計、それらの分析技術によってゴムを極めていく。そして接地の分析ではプライ張力の最適化で均一な変形を実現し接地が極められる。そして飛び抜けた性能を持たせるために、新パターン、新トップゴム、そして新しい、構造と形状というものを組み合わせていく。

そして誕生したのがGR-XIIIであり、先代のGR-XIIとの静粛性比較では、荒れたアスファルトでは12%低減でき、スムースなアスファルトでは8%の低減。そして突起乗り越し時の衝撃は10%低減できているテスト結果になったという。

GR-XIIIでは静粛性とハンドリング性能に磨きがかかった特性を持ち、環境の変化とタイヤ製造の概念を変えることでプレミアム・コンフォートタイヤとして誕生したのだ。

ブリヂストン関連記事

ブリヂストン公式サイト

The post 【試乗記】ブリヂストン プレミアム・コンフォートタイヤ レグノGR-XIIIは基盤技術ENLITENで生まれ変わった first appeared on オートプルーブ - Auto Prove.

こんな記事も読まれています

道狭くても「渋滞ゼロになりました!」 小田急線沿いの街道 “対応可能な対策”で効果てきめん!
道狭くても「渋滞ゼロになりました!」 小田急線沿いの街道 “対応可能な対策”で効果てきめん!
乗りものニュース
日産の「“ターボ”エンジン」何がスゴイ? 他メーカーがマネしない“20年かけて作った”「VCターボ」とは
日産の「“ターボ”エンジン」何がスゴイ? 他メーカーがマネしない“20年かけて作った”「VCターボ」とは
くるまのニュース
ダニエル・リカルド、カナダGP初日は「良い1日だった。フィーリングはかなり良い」
ダニエル・リカルド、カナダGP初日は「良い1日だった。フィーリングはかなり良い」
motorsport.com 日本版
レース三昧の5月。名物コーナーに伝統のコース、予選アタック時の心拍数について【宮田莉朋“三刀流“コラムLAP 5】
レース三昧の5月。名物コーナーに伝統のコース、予選アタック時の心拍数について【宮田莉朋“三刀流“コラムLAP 5】
AUTOSPORT web
カナダチャンピオンを起用。3年目の鈴鹿8耐挑戦となるTeam TARO PLUSONEが体制を発表
カナダチャンピオンを起用。3年目の鈴鹿8耐挑戦となるTeam TARO PLUSONEが体制を発表
AUTOSPORT web
三菱『eキャンター』新型、台湾で発売…ディーゼルからの移行を支援
三菱『eキャンター』新型、台湾で発売…ディーゼルからの移行を支援
レスポンス
「NSX」とともに世間をザワつかせたホンダ「NR750」が約1080万円で落札! 総生産台数はが322台の割に格安だった理由とは
「NSX」とともに世間をザワつかせたホンダ「NR750」が約1080万円で落札! 総生産台数はが322台の割に格安だった理由とは
Auto Messe Web
自分は「チャンスに恵まれている」と認めるノリス。一方でF1を目指した際に父親からの資金援助は望まなかったと語る
自分は「チャンスに恵まれている」と認めるノリス。一方でF1を目指した際に父親からの資金援助は望まなかったと語る
AUTOSPORT web
15年落ちの「ポルシェ カイエン」を徹底テスト 1万ユーロ(約168万円)からのカイエンの実力と価値は?
15年落ちの「ポルシェ カイエン」を徹底テスト 1万ユーロ(約168万円)からのカイエンの実力と価値は?
AutoBild Japan
アルピーヌF1は“オコンの出場停止を望んでいた”とフランス紙が報道。チームの弁護団は法的な反論を懸念か
アルピーヌF1は“オコンの出場停止を望んでいた”とフランス紙が報道。チームの弁護団は法的な反論を懸念か
AUTOSPORT web
ジープ『グラディエーター』、特別なカスタム仕様を限定生産
ジープ『グラディエーター』、特別なカスタム仕様を限定生産
レスポンス
86やスープラとは違う!? トヨタの“自社開発スポーツカー”どうやって出来る? GRヤリス&GRカローラが生まれる場所! 謎に包まれる「GRファクトリー」とは【Behind the Product #07】
86やスープラとは違う!? トヨタの“自社開発スポーツカー”どうやって出来る? GRヤリス&GRカローラが生まれる場所! 謎に包まれる「GRファクトリー」とは【Behind the Product #07】
VAGUE
日産が新型「ノート AUTECH CROSSOVER」を発売! デザイン一新でさらにSUVらしいスタイルへ
日産が新型「ノート AUTECH CROSSOVER」を発売! デザイン一新でさらにSUVらしいスタイルへ
バイクのニュース
トヨタの「スーパーカーファクトリー!?」 完成したら“すぐ120キロ”で走り出す!? 人と機械で1台を作り出す「GRファクトリー」とは
トヨタの「スーパーカーファクトリー!?」 完成したら“すぐ120キロ”で走り出す!? 人と機械で1台を作り出す「GRファクトリー」とは
くるまのニュース
月間2万台超えを記録!! [N-BOX]は先代の方が売れてた!? それでも[成功の可能性あり]と言えるワケ
月間2万台超えを記録!! [N-BOX]は先代の方が売れてた!? それでも[成功の可能性あり]と言えるワケ
ベストカーWeb
ランクルの納期長すぎ!! 代わりに[レクサスRX]がついに140万円! 280馬力のSUV[フォレスター]も買い時
ランクルの納期長すぎ!! 代わりに[レクサスRX]がついに140万円! 280馬力のSUV[フォレスター]も買い時
ベストカーWeb
コーンズの60年の集大成! 18台限定の「コーンズ 60th エディション」はマリナー仕立てなのにデリバリーは6月から! 早いもの勝ちです
コーンズの60年の集大成! 18台限定の「コーンズ 60th エディション」はマリナー仕立てなのにデリバリーは6月から! 早いもの勝ちです
Auto Messe Web
【動画】竹岡圭の今日もクルマと「プジョー 308」(2020年4月放映)
【動画】竹岡圭の今日もクルマと「プジョー 308」(2020年4月放映)
Webモーターマガジン

みんなのコメント

2件
  • ybp********
    レグノもだいぶ進化したなと実感。免許を取った1983年ではレグノはGR01という型番だった。当時軽のサイズは無かったので自分はアレフのA365を履いてました。軽ターボ車が70を履いていた時代、60の選択肢はピレリーしか無かった時代。今ではレグノにも軽サイズが有る。時代の流れとは凄いもんだ。
  • ko2********
    デューラーのM/Tだけは軽く薄く作るのはやめておいてくださいね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

698.01132.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

458.0895.0万円

中古車を検索
i4の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

698.01132.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

458.0895.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村