現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なんと2022年に新型登場って正気か!? 100年も実用性ゼロの「3輪車」を作り続ける「モーガン」の衝撃

ここから本文です

なんと2022年に新型登場って正気か!? 100年も実用性ゼロの「3輪車」を作り続ける「モーガン」の衝撃

掲載 更新 4
なんと2022年に新型登場って正気か!? 100年も実用性ゼロの「3輪車」を作り続ける「モーガン」の衝撃

 この記事をまとめると

■モーガンの3ホイラーの歴史を振り返る

モーガン・スリーホイラーの復活が話題だが……「3輪車」の歴史だったらニッポンも負けてなかった!

■モーガン最初の3ホイラーはプジョー製2気筒エンジンを搭載して1910年に登場した

■2011年にはリバイバルされて2022年にはまったくの新車となる「スーパー3」が登場

 モーガン初の3ホイラーは1910年に登場していた

 モーガン。オールドファンにはなんともエモい響きにみちたブランドです。1913年の創業ですから、100年以上の歴史をもつ自動車メーカーであり、またものづくり企業としても稀有な存在といえるでしょう。そんな彼らのブランニューマシンは、なんと3ホイーラー! これまたエモいクルマを作ってきたものです。

 モーガン3ホイーラーといえば、その名の通り前2輪、後1輪で、後輪を駆動するクラシカルなスポーツカー。発売当初はバイクのエンジン(主にV型2気筒)をフロントエンドに搭載し、2名の乗員を小さなコクピットに詰め込んだ、ややもすれば「原始的」とも表現されるクルマです。

 それもそのはず、はじめてモーガンによって作られたのはメーカー設立前、1910年のこと。当時の税制で優遇された3輪自動車に目を付けたヘンリー・フレデリック・スタンリー・モーガン(H.F.S.モーガン)が、プジョー製2気筒エンジンを独自のフレームに載せたサイクルカー(当時はこう呼ばれていました)を製造。リトルスターと名付けて売り出したのがそもそもの始まりでした。

 この好調な売れ行きに、H.F.S.モーガンは自らの名を冠した自動車メーカー設立を決意。1912年にモーガン・モーター・カンパニーをスタートさせたのです。後にサイクルカーは4人乗りタイプや商用バンなどバリエーションを増やしながら、1953年まで40年以上も製造が続けられました。ちなみに、4輪スポーツカーのモーガン4/4が生まれたのは1936年ですから、初期のモーガンの屋台骨は3ホイーラーによって支えられていた、といっても過言でないでしょう。

 じつはモーガンが製造を中止したあとも、数多くのメーカーが3ホイーラーを作り、それぞれモーガンに劣ることのないマシンをリリースしています。例えば、宮崎駿さんが新車で手に入れたと有名な3ホイーラーはトライキング社によるもので、イタリアのバイクメーカーであるモトグッツィ製V型2気筒を搭載。カナダのカンパーニャ社は3ホイーラーを現代的かつ、フォーミュラマシン的に解釈したT-REXなる過激なモデルを作っています。岩城滉一さんが国内で走らせていたのでご存じの方も少なくないでしょう。

 2011年にまさかの復活、そして2022年にフルモデルチェンジ

 また、シアトルのリバティモータースはモーガン・トリビュートモデルとしてリバティ・エースなる3ホイーラーを製造。ハーレーダビッドソンのエンジンを積んだエースは、その出来栄えの良さから本家モーガンの3代目社長チャールズ・モーガンに利権が買い取られ、なんと2011年には本家3ホイーラーとしてリバイバルされたのでした。

 その後も2021年まで3ホイーラーは販売が続けられたほか、EVモデルすら模索されましたが、パワーユニット供給元の不備から(モーガンは自家製エンジンを一度も製造していません)断念せざるを得なかったようです。

 が、3代目社長はへこたれることなく、EVモデル開発中のデータを巧みに生かし、まったくのブランニュー3ホイーラー、その名も「スーパー3」をリリースすることに! 最大のトピックスはフォードの供給する1.5リッター3気筒直列エンジンを、前車軸より後ろのボディ内に搭載したことでしょうか。

 また、EV計画の際に培ったモノコックシャシー研究も功を奏し、全長3.6mのボディは旧型よりわずか120mmしか全長が伸びていません(エンジン内臓になったにもかかわらず)。旧型と手法は異なりますが、アルミパネルによるボディも踏襲した結果、車重は635kgに収まるので、118馬力のマックスパワーでも野蛮なほどの走りとなること、想像に難くありませんね。

 さらに、イギリスらしいオプションとして、機能的サイドパニアやリヤマウントラックが用意されており、ミニマムな車体ながら大陸旅行だってチャレンジできそうです。この他にもツールボックスやカメラ、ウィンドデフレクターなど200種以上のオプションが選べるなど、実質的にオーダーメイドと呼んで差し支えないクルマといえるでしょう。

 価格は4万ポンド(600万円強)とのことですが、クルマでもバイクでもない乗り味と、3ホイーラーならではのルックス、そしてなにより「冒険心」を手に入れる値段としてはじつに適正な設定ではないでしょうか。

こんな記事も読まれています

2023年 欧州でリコールの多かった自動車ブランド 20選 1車種で「9件」発生も
2023年 欧州でリコールの多かった自動車ブランド 20選 1車種で「9件」発生も
AUTOCAR JAPAN
「ミウラ」「ディアブロGT」「カウンタック」が「ヴィラ・デステ」に登場!「エンジンサウンド賞」を受賞したのは…?
「ミウラ」「ディアブロGT」「カウンタック」が「ヴィラ・デステ」に登場!「エンジンサウンド賞」を受賞したのは…?
Auto Messe Web
誇り高き「重厚感」 アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(2) 魅力の中心がV8エンジン 好調のトリガー
誇り高き「重厚感」 アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(2) 魅力の中心がV8エンジン 好調のトリガー
AUTOCAR JAPAN
アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(1) V8エンジンは「グループCカー」 未来を背負ったクーペ
アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(1) V8エンジンは「グループCカー」 未来を背負ったクーペ
AUTOCAR JAPAN
WRCサルディニア|タナク、まさかの逆転勝利。オジェ最終ステージのパンクに泣く
WRCサルディニア|タナク、まさかの逆転勝利。オジェ最終ステージのパンクに泣く
motorsport.com 日本版
脅威の速さで奪首も痛恨のドライブスルー……14号車ENEOS福住仁嶺、落胆も前を向く「何かが起きた時、チャンスを掴むためにプッシュした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
脅威の速さで奪首も痛恨のドライブスルー……14号車ENEOS福住仁嶺、落胆も前を向く「何かが起きた時、チャンスを掴むためにプッシュした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
motorsport.com 日本版
まさに王者の戦いぶり。62kg搭載のポイントリーダーau TOMS、燃費走行も駆使して5位入賞「面白いようにアンダーカットできた。作戦としては完璧」
まさに王者の戦いぶり。62kg搭載のポイントリーダーau TOMS、燃費走行も駆使して5位入賞「面白いようにアンダーカットできた。作戦としては完璧」
motorsport.com 日本版
「エアブラシ」全盛でも「筆描き」にこだわるデコトラ野郎もいる! 芸術的な「箱絵」の手法による違いとは
「エアブラシ」全盛でも「筆描き」にこだわるデコトラ野郎もいる! 芸術的な「箱絵」の手法による違いとは
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol39. 高岡早紀さん(後編)
愛車の履歴書──Vol39. 高岡早紀さん(後編)
GQ JAPAN
Dstartion RacingスーパーGT初優勝。藤井誠暢手応え通りの圧勝劇「これだけ完璧にまとめ上げられることはなかなかない!」|スーパーGT第3戦鈴鹿
Dstartion RacingスーパーGT初優勝。藤井誠暢手応え通りの圧勝劇「これだけ完璧にまとめ上げられることはなかなかない!」|スーパーGT第3戦鈴鹿
motorsport.com 日本版
「止まれ」かと思ったら…ナニコレ!? 「日本唯一」激レア道路標識、なぜできた?
「止まれ」かと思ったら…ナニコレ!? 「日本唯一」激レア道路標識、なぜできた?
乗りものニュース
[15秒でわかる]メルセデスAMG『ピュアスピード』コンセプト…初のミトスブランド
[15秒でわかる]メルセデスAMG『ピュアスピード』コンセプト…初のミトスブランド
レスポンス
Moto2イタリア決勝|小椋藍、ロケットスタートで5位。ロバーツがスパート決め優勝
Moto2イタリア決勝|小椋藍、ロケットスタートで5位。ロバーツがスパート決め優勝
motorsport.com 日本版
笹原右京、ジュリアーノ・アレジとのスーパーGT初優勝を喜ぶ「遂に勝てた……やっと勝利を手にできてホッとした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
笹原右京、ジュリアーノ・アレジとのスーパーGT初優勝を喜ぶ「遂に勝てた……やっと勝利を手にできてホッとした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
motorsport.com 日本版
「EVは“電欠”が怖いし…」 実はガス欠より対策ラクかも? 新ビジネスになりそうな“もしものサービス”とは?
「EVは“電欠”が怖いし…」 実はガス欠より対策ラクかも? 新ビジネスになりそうな“もしものサービス”とは?
乗りものニュース
ダンプカーの車体にある「謎の文字と番号」の正体は? 「足立 営 12345」は何を意味しているのか 実は「経済成長」と深い歴史があった!?
ダンプカーの車体にある「謎の文字と番号」の正体は? 「足立 営 12345」は何を意味しているのか 実は「経済成長」と深い歴史があった!?
くるまのニュース
フォールディングバイクの完全体! 移動のクオリティを高める小さな英国製自転車「ブロンプトン」の魅力
フォールディングバイクの完全体! 移動のクオリティを高める小さな英国製自転車「ブロンプトン」の魅力
VAGUE
エンジンの最大回転数は10000rpm!ランボルギーニが「ウラカン」の後継となるHPEVモデルに搭載予定のエンジンを発表
エンジンの最大回転数は10000rpm!ランボルギーニが「ウラカン」の後継となるHPEVモデルに搭載予定のエンジンを発表
@DIME

みんなのコメント

4件
  • 時間、お金、土地に十分な余裕が有るなら是非、欲しい!
  • モーガン3ホイラーはビッグVツインがフロントにドンとあるのがカッコいい。ハーレーのビッグVツインかインディアンのVツインを使うことは出来なかったのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村