現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > BMWアルピナのガソリンとディーゼル、選ぶべきは? 「B4」と「D4S」を乗り比べて考察してみました

ここから本文です

BMWアルピナのガソリンとディーゼル、選ぶべきは? 「B4」と「D4S」を乗り比べて考察してみました

掲載 12
BMWアルピナのガソリンとディーゼル、選ぶべきは? 「B4」と「D4S」を乗り比べて考察してみました

4シリーズベースのB4/D4グランクーペに国内で公道試乗

アルピナの日本総代理店であるニコル・オートモビルズは2022年3月30日、高性能4ドアクーペ「BMWアルピナB4グランクーペ」と「D4Sグランクーペ」の日本導入を発表した。ついに日本の公道でパフォーマンスを試す機会に恵まれ、モータージャーナリストの西川 淳氏が両モデルを試乗。「3シリーズ」ベースの「B3」および「D3S」との違いも含めて、レポートをお届けする。

【走行距離たった636キロ】世界99台のアルピナ「B3 GT3」が1140万円で落札! 新車のまま保管された奇跡の1台でした

異なるベースモデルのキャラクターをアルピナはどう料理したのか

結果的に言うと、B3とD3Sがマイナーチェンジする前にB4グランクーペとD4Sグランクーペに乗ってみて、気に入ったのはD4Sグランクーペの方だった。前期型B3の乗り味にも近いと思ったからだ。そもそもそれが「困惑」の始まりだったのかもしれない。

BMWの「4シリーズ」が登場したのは2016年のことだった。クーペモデルを偶数で呼ぶのは「6シリーズ」や「8シリーズ」の伝統に沿うもの。ではなぜ3シリーズにクーペがあったかというと、「マルニ」時代から続く2ドアサルーンという位置付けで、スタイルも性能もセダンにわりと近いものだったからだ。

対して6や8は5や7とは全く違う。イメージの共通性がどこにもない。要するに4シリーズは3シリーズクーペの単なる名称変更ではなかった。最新の4シリーズを見ればそれは明らか。シルエットはもはや3シリーズよりも8シリーズに似ているではないか。もちろんパフォーマンスもずっとスポーツ寄りだ。

となるとアルピナモデルも3シリーズベースと4シリーズベースとではキャラクターの異なることは容易に想像がつく。ちなみに4シリーズベースのアルピナは4ドアのグランクーペのみ。BMW Mがクーペとカブリオレ、アルピナがグランクーペと棲み分けた。セダンやツーリングよりもマーケットが小さいことへの配慮かもしれない。

グランドツーリングカーとしてはセグメント最強レベル

B4グランクーペを先に試した。その乗り味はM440iの延長線上にあって、よりスポーツカー的なテイストだ。走り始めるとまずはフロントアクスルの踏ん張り感に驚く。前アシはアルピナの専用チューニングとなっていてとにかく存在感たっぷり。ハンドルとのダイレクトにつながっている感覚もあって余計に前輪の存在を強く意識する。ライドコンフォートは硬めながら、キャッチャーミットに収まる豪球のごとくビシッと収めるから辛くはない。総じてB8グランクーペに似たドライブフィールだった。

M謹製のS58エンジンは相変わらず素晴らしい。普通に走らせている分には柔軟で扱いやすいエンジンでありながら、ひとたびムチ打てば高回転域までストレスなく回り、快感が右足裏から脚、身体を通過して脳へと届く。峠道に入れば、さっきまでの存在感たっぷりな前輪が頼もしく自在に動く。高速道路でも「道をよく知っている」走り方=ドライバーの小さな意識に順応して走る、を見せた。じつにアルピナらしい走りというべきだ。

乗り味はマイチェン前のB3に近い

ディーゼルエンジンを積んだD4Sグランクーペの方はというと、これがもうとろけるぐらいによかった。街乗りのコンフォートさでは明らかにB4を上まわっている。前輪の存在感もそこまで強くないのだ。全てにおいてB4よりしなやかに動いてくれる。その乗り味は大好きなマイチェン前のB3に近い。街中中心のドライブではD4Sの方がいい。

そして何よりもディーゼルエンジンのドライブフィールがたまらない。その吹き上がりのフィールはもはやディーゼルエンジンとは思えないほどなめらか。サウンドも心地よい。力強さがフラットにずっと続くあたりがいかにもディーゼルらしい点だ。BMW製6気筒ディーゼルエンジンを3シリーズで楽しむ。日本ではアルピナを選ぶほかない。

B4、D4Sともに速度が上がっていくにつれて乗り味がどんどんよくなっていく。よりしなやかに、よりまろやかに。クルマ運転好きにはたまらない。とくに高速クルージングは素晴らしい。まるで路面を滑空しているかのような心地よさがある。安心感たっぷりに安定してクルーズし、それでいて前輪はじつにしなやかに動く。最高のグランドツーリングカーである。

Sエンジンのもつウルトラシルキーさとスポーツカーライクな街乗りフィールでB4を選ぶか、街中での心地よさとディーゼルの力強さ、そして優秀な高速燃費でD4Sを選ぶか。どちらもグランドツーリングカーとしてはセグメント最強レベル。ノーマルの8シリーズとさえ肩を並べるパフォーマンスだ。

加えて、後期型B3、D3Sを試し終えた今となっては、B3が逆にB4の乗り味に近づいて、D3SもD4Sと近しくなった。3シリーズベースにはツーリングボディもある。つまり6種類の選択肢があるわけで、それぞれ走り味が微妙に異なるとなればどれか1台に絞ることは至難のワザだろう。乗り味的には今もって前期のB3セダンが一番だと思っているから、なおさら悩ましい。

こんな記事も読まれています

ペンスキー1-2、琢磨は17番手【第108回インディ500】プラクティス走行2日目総合結果
ペンスキー1-2、琢磨は17番手【第108回インディ500】プラクティス走行2日目総合結果
AUTOSPORT web
「かわす性能」を重視するアライヘルメットから本格オフロードモデルの NEW カラーリング「V-CROSS 4 BATTLE/Vクロス4・バトル」が6月下旬発売!
「かわす性能」を重視するアライヘルメットから本格オフロードモデルの NEW カラーリング「V-CROSS 4 BATTLE/Vクロス4・バトル」が6月下旬発売!
バイクブロス
堂々デザインで衝撃デビュー!! マツダの高級3列シートSUV[CX-80]が魅力の塊! 2024年秋に日本上陸なるか!?
堂々デザインで衝撃デビュー!! マツダの高級3列シートSUV[CX-80]が魅力の塊! 2024年秋に日本上陸なるか!?
ベストカーWeb
EVでは脱炭素の解決にはならない!? いま「EVは踊り場」といわれるワケ
EVでは脱炭素の解決にはならない!? いま「EVは踊り場」といわれるワケ
WEB CARTOP
レクサスがパーソナル感を追求した6座仕様の高級ミニバン「LM500h“version L”」を発売
レクサスがパーソナル感を追求した6座仕様の高級ミニバン「LM500h“version L”」を発売
@DIME
ワイヤレス接続でのApple CarPlay・Android Autoに対応したカロッツェリア・ディスプレイオーディオ「DMH-SZ500」発売
ワイヤレス接続でのApple CarPlay・Android Autoに対応したカロッツェリア・ディスプレイオーディオ「DMH-SZ500」発売
レスポンス
マツダ、社会福祉団体に「MAZDA 2 助手席回転シート車」を贈呈
マツダ、社会福祉団体に「MAZDA 2 助手席回転シート車」を贈呈
Believe Japan
ヤマハ発動機、横浜みなとみらいにブランド発信拠点「E-Ride Base」オープンへ eバイク体験も
ヤマハ発動機、横浜みなとみらいにブランド発信拠点「E-Ride Base」オープンへ eバイク体験も
レスポンス
スバルがスーパー耐久参戦の新型車を公開…4ドアセダンに水平対向ターボエンジン
スバルがスーパー耐久参戦の新型車を公開…4ドアセダンに水平対向ターボエンジン
レスポンス
【ランドクルーザー250 vs ラングラー】スペック比較…新型オフローダーの性格の違いが明らかに
【ランドクルーザー250 vs ラングラー】スペック比較…新型オフローダーの性格の違いが明らかに
レスポンス
非日常的な感動を体験できる! トライアル界のレジェンド”フジガス”こと藤波貴久監督にお話を聞いた!
非日常的な感動を体験できる! トライアル界のレジェンド”フジガス”こと藤波貴久監督にお話を聞いた!
バイクのニュース
80年代のトヨタが良すぎた!! [日本車の象徴ソアラ]が新時代のクルマと呼ばれたワケ
80年代のトヨタが良すぎた!! [日本車の象徴ソアラ]が新時代のクルマと呼ばれたワケ
ベストカーWeb
日産、新型EVミニバンをカスタム…移動カラオケラウンジ提案
日産、新型EVミニバンをカスタム…移動カラオケラウンジ提案
レスポンス
「インターチェンジ」と「ランプ」って何が違う? 高速道路の出入り口の呼び方の謎を解明!
「インターチェンジ」と「ランプ」って何が違う? 高速道路の出入り口の呼び方の謎を解明!
WEB CARTOP
重量過多ウイリアムズ、エミリア・ロマーニャGPで軽量化アップデートをスタート。最大0.45秒短縮?
重量過多ウイリアムズ、エミリア・ロマーニャGPで軽量化アップデートをスタート。最大0.45秒短縮?
motorsport.com 日本版
「三種の神器」は衰退か、自動車プラモデルは老舗が奮闘…第62回 静岡ホビーショー
「三種の神器」は衰退か、自動車プラモデルは老舗が奮闘…第62回 静岡ホビーショー
レスポンス
マクラーレン、優勝争いの”常連化”はまだまだ先? 「そう思うのは甘い考え」とピアストリ
マクラーレン、優勝争いの”常連化”はまだまだ先? 「そう思うのは甘い考え」とピアストリ
motorsport.com 日本版
本州―九州の新ルート「関門海峡の新橋」いよいよ具体化へ 国土の大動脈の“弱点” 代替路で克服へ
本州―九州の新ルート「関門海峡の新橋」いよいよ具体化へ 国土の大動脈の“弱点” 代替路で克服へ
乗りものニュース

みんなのコメント

12件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1229.01258.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

239.91658.0万円

中古車を検索
B3の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1229.01258.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

239.91658.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村