■2001年登場の「スズキ車」が姿を変え「今も存在」していた!
国産メーカーが海外で展開する車種のなかには、国内ではとっくに生産終了となったモデルが海外で今も生き続けながら、しかも独自の進化を遂げている変わり種も見られます。
スズキがインドで展開する小型3列シートミニバン「イーコ」はその最たる存在といえ、日本のユーザーからも密かな注目を集める存在となっているのです。
【画像】めちゃカッコいい! スズキ「超小型ミニバン」を画像で見る(25枚)
インドのスズキ法人は、インド市場で約4割という圧倒的なシェアを誇るスズキの子会社「マルチ・スズキ・インディア(MARUTI SUZUKI INDIA、以下、マルチスズキ)」です。
イーコは、そんなマルチスズキで長く生産が続く小型バンモデルのシリーズで、2001年に登場したミニバン「ヴァーサ(Versa)」が源流にあたります。
ベースは軽商用バンの4代目「エブリイ」(10代目「キャリイ」)。
そのボディを延長し、「G13B」型1.3リッターエンジンを積んだ3列シートミニバンモデルとして日本でも販売された「エブリイ+(エブリイプラス・のちに「エブリイランディ」に改称)」がそのベースとされました。
2010年、ヴァーサはエンジンを1.2リッターの「G12B」型に載せ替えたうえで「イーコ(EECO)」に車名を変更。以来、現在でも販売が続いています。
そして内外装の基本的なデザインは、4代目エブリイのシンプルさをそのまま維持しているのです。
低価格でながら高品質・必要十分な性能を持ち、2人乗りの商用・5/7人乗り乗用モデルなど13グレードを用意するイーコは、インド市場で好評を持って迎え入れられました。
2022年秋にはマイナーチェンジが行われ、エンジンをデュアルジェット・デュアルVVTの「K12」型に置き換えて燃費を向上したほか、デジタルメーターの採用や内装各部の変更、ABSやデュアルエアバッグといった安全装備の充実が行われています。
インドでの販売価格は、51万200インドルピーから81万3200インドルピー(約87万円から138万円)と、相変わらずの驚異の安さを維持します。
このクラスにライバルがほぼ不在なこともあって、イーコのシェアは驚異の94%。発売以来100万台以上が販売されたといい、大人気なモデルであることがわかります。
※ ※ ※
そんな変わり種のイーコに対し、SNSなどでは様々な意見が寄せられています。
多いのは、かつてのスズキ車を思わせる内外装に対するコメントでした。
「子どものころ実家にあったやつ!」「おまえまだいたのか!」「もはやレトロの世界だ」など懐かしむ声が多いようです。
一方で「安全性は厳しそう」「さすがにこのサイズで大人数乗るのはアウトでしょ」と、衝突安全の性能に対し疑問視する意見が多いのも事実です。
ただ一方で、かつてエブリイランディ/エブリイプラスを所有していたというユーザーからは「中古で安く手に入ったけど便利なクルマでした」とのコメントもあり、安いながらも十分に実用的だった様子が伝わります。
安全性の課題は大きいとはいえ、「(景気が低迷し給与が増えない)今の時代にピッタリ」「日本でもそこそこ売れそう」との声も少なくありません。
ともあれ「安いのに多人数乗車が可能な小型ミニバン」というジャンルに対し、潜在的な需要があることは確かなようです。
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まぁ、さすがにいまの日本では通用しないだろうな。