現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 軽量EVスポーツ「TR25」登場 1953年のトライアンフTR2をオマージュ 無名会社がデザイン

ここから本文です

軽量EVスポーツ「TR25」登場 1953年のトライアンフTR2をオマージュ 無名会社がデザイン

掲載 2
軽量EVスポーツ「TR25」登場 1953年のトライアンフTR2をオマージュ 無名会社がデザイン

現代に蘇る「TR」シリーズの名

ロンドンを拠点とするデザイン会社マッキナは、新しいEVスポーツ・コンセプト「TR25」を発表した。トライアンフの権利を所有するBMWの許可を得て、かつてのTR2へのオマージュとして製作されたものだ。

【画像】トライアンフTR2、現代的解釈で復活?【マッキナ・トライアンフTR25コンセプトを写真で見る】 全10枚

シンプルで現代的なフォルムを持つTR25は、自動車デザインを手掛けるマッキナの最新作となる。トライアンフ全盛期がそうであったように、EV時代のクルマもシンプルで楽しいものであることを表現しようとしている。

シャシーやバッテリー、主要な駆動系には昨年生産を終了したBMW i3のコンポーネントを使用している。スタイリングは1953年のトライアンフTR2を踏襲し、ベルギーのヤブベーケ(Jabbeke)の直線道路で当時の速度記録を樹立した車両へのオマージュとして、マッキナ独自の現代的解釈を盛り込んだ。

マッキナ(Makkina)の名前と実績は、自動車メーカーの間では知られているが、基本的に公の場に出ることがないため、一般にはほとんど知られていない。実際、マッキナの創設者であり取締役のマイケル・アニ氏によれば、TR25は同社にとって初めての一般公開だという。

TR25は、自動車メーカーとしてのトライアンフ創立100周年とTR2の誕生70周年を記念すると同時に、マッキナの創立25周年を祝うものでもある。

前述のように、TR25はトライアンフの権利を持つBMWの承認を得て製作されたものだが、今のところ市販化されるという話はない。アニ氏はトライアンフを「自動車業界において信じられないほど重要な名前」とし、今回のTR25をその「再起」と呼んでいるが、1台限りのショーカーであるとも明言している。

マンチェスター育ちのアニ氏は、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでデザインを学んだ。マッキナの得意分野はブランドを前面に押し出すことだという。TR25では、「今日に関連する文脈の中で、ブランドの英国的アイデンティティにふさわしいステートメントを生み出すことが重要だった」と彼は言う。

約1トンの軽量EVスポーツ

TR25の開発プロジェクトは、アニ氏がクルマとドライバーを写した1枚のモノクロ写真にインスピレーションを得たことから始まり、完成までに約1年を要した。

「わたし達は、このクルマの記録的な性能と、それを可能にするデザインに夢中になりました」

コンセプトはまず紙に描かれ、次にCAS(コンピューター)に移された。デザインの検証後、高密度の発泡スチロールから実物大のモデルとして削り出された。原寸大でも、大半の市販車より小さいことは間違いない。全長はわずか4.0m程度、全高はかろうじて1.0mに届く程度で、ドナーカーのBMW i3 Sより50cmほど低い。

ドイツで製作されたTR25は、驚くほどシンプルだが、短いフロントオーバーハングや細長いテールなど、オリジナルのTR2の本質的な特徴を端的に反映している。速度記録を打ち立てた車両と同じくシングルシーター(もちろん右ハンドル)で、ドアは上方に開いて乗降できる。シートはオリジナルと同じブルーレザー。虫めがねのようなデザインを再現したヘッドライトの中には「25」の文字。ドライバーの頭の後ろには横転防止用のバットレスがあり、控えめなバックカメラも装備されている。1950年代のトライアンフバッジも現代風にアレンジされた。

インテリアには、1950年代のトライアンフのスポークを彷彿とさせるモダンなステアリングホイールが装備されている。中央のシンプルなビナクルには、速度、充電残量、航続距離を示す3つのダイヤルがある。

TR25は、推定車両重量1095kg、0-100km/h加速5.2秒、最高速度185km/hとされる。1回の充電での航続距離は推定305km。

オリジナルのトライアンフTR2は、ライバルのサンビーム・アルパインがマークした時速120マイル(193km/h)の速度記録を、1953年に時速124.889マイル(201km/h)という僅差で上回った。2020年、英国の国家遺産記念基金の助成金を受けて国のために購入され、現在はゲイドンの英国自動車博物館に保管されている。

記録挑戦車は、標準的なTR2をベースに、アンダーシールドやホイールスパッツなどの空力的な追加装備を「オプション」で装着したが、実際には1953年のアールズコート・ショーで発表されたプレプロダクションモデルだった。トライアンフ愛好家によれば、この速度記録とそれに伴う宣伝効果によって、不振のTR1で不安定なスタートを切ったトライアンフのマーケティングが強化され、米国での英国製スポーツカーの販売でトライアンフがシェアを獲得するのに貢献したという。

今回のTR25が市販化される可能性は非常に低いが、マッキナにとっては知名度を高めるチャンスとなるだろう。

こんな記事も読まれています

買い物しすぎで「クレカ止まっちゃった!」 限度額“超えたクレカ”でも「ETC」使える? 料金所は“フツーに通過"できるのか
買い物しすぎで「クレカ止まっちゃった!」 限度額“超えたクレカ”でも「ETC」使える? 料金所は“フツーに通過"できるのか
くるまのニュース
[15秒でわかる]エンジンマウント交換で車のフィーリング劇的変化
[15秒でわかる]エンジンマウント交換で車のフィーリング劇的変化
レスポンス
メルセデス・ベンツのコンパクトミニバン「Tクラス」ってどんなクルマ? 日本上陸の可能性はある!?
メルセデス・ベンツのコンパクトミニバン「Tクラス」ってどんなクルマ? 日本上陸の可能性はある!?
VAGUE
狙うは全戦優勝争い。マクラーレン、次戦F1スペインGPからのアップデート投入を予告「状況に左右されず勝利を狙えるように」
狙うは全戦優勝争い。マクラーレン、次戦F1スペインGPからのアップデート投入を予告「状況に左右されず勝利を狙えるように」
motorsport.com 日本版
トヨタが新型「カローラ」発表! 斬新な「レトロ×スポーツ」デザイン採用! ド派手な「リアスポ」も! 「1987年式のFX16」敬意を表す仕様が米登場、日本の反響は?
トヨタが新型「カローラ」発表! 斬新な「レトロ×スポーツ」デザイン採用! ド派手な「リアスポ」も! 「1987年式のFX16」敬意を表す仕様が米登場、日本の反響は?
くるまのニュース
後側方警戒支援システムの最新技術 聴覚で直感的に支援するヤマハ「感覚拡張HMI」について開発者に直撃インタビュー
後側方警戒支援システムの最新技術 聴覚で直感的に支援するヤマハ「感覚拡張HMI」について開発者に直撃インタビュー
バイクのニュース
[音のプロが推す“超納得”スタートプラン]純正高級オプションシステムの音を良くしたいなら「アンプDSP」がお薦め!
[音のプロが推す“超納得”スタートプラン]純正高級オプションシステムの音を良くしたいなら「アンプDSP」がお薦め!
レスポンス
日産、「ノート オーラ」のデザインを変更するなど、マイナーチェンジを実施
日産、「ノート オーラ」のデザインを変更するなど、マイナーチェンジを実施
月刊自家用車WEB
日産、車中泊モデルの「MYROOM(マイルーム)」にNV200 バネットを投入すると発表 その一部を先行公開
日産、車中泊モデルの「MYROOM(マイルーム)」にNV200 バネットを投入すると発表 その一部を先行公開
月刊自家用車WEB
【パイオニア】カーナビを選ぶ際はこれを見ればOK!カーナビ選びをサポートする特設サイト「カーナビも、選ぼう」を公開
【パイオニア】カーナビを選ぶ際はこれを見ればOK!カーナビ選びをサポートする特設サイト「カーナビも、選ぼう」を公開
月刊自家用車WEB
アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオ【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
強い線で描かれた非対称グラフィックのSHOEI「Z-8 BEAUT」が8月発売へ
強い線で描かれた非対称グラフィックのSHOEI「Z-8 BEAUT」が8月発売へ
WEBヤングマシン
【買っておきたい21世紀名車】マニアの願いを叶えたビスポークモデル、アルピナB3の肖像
【買っておきたい21世紀名車】マニアの願いを叶えたビスポークモデル、アルピナB3の肖像
カー・アンド・ドライバー
30年ぶり復活!? ホンダ「シティ」登場か? 丸目ライト&背高フォルムが超カッコイイ「サステナC」は26年発売か
30年ぶり復活!? ホンダ「シティ」登場か? 丸目ライト&背高フォルムが超カッコイイ「サステナC」は26年発売か
くるまのニュース
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】シティオフローダーに仕立てた[チャレンジャー]は兄貴分のパジェロをなぜ超えられなかったのか?
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】シティオフローダーに仕立てた[チャレンジャー]は兄貴分のパジェロをなぜ超えられなかったのか?
ベストカーWeb
スズキ「アヴェニス125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
スズキ「アヴェニス125」【1分で読める 原付二種紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
魅惑のイケメン帰国子女! アメリカの香りがする左ハンドルのホンダ[USアコードクーペ]はなぜヒットしたのか?
魅惑のイケメン帰国子女! アメリカの香りがする左ハンドルのホンダ[USアコードクーペ]はなぜヒットしたのか?
ベストカーWeb
キャンパーはこれでいい! しっかり装備でも大きすぎない日産NV200バネットがベースのキャンパー
キャンパーはこれでいい! しっかり装備でも大きすぎない日産NV200バネットがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

2件
  • TRTR2???
    ライトを上部に設置したくらいで、どこがTR2なのか??
    要素ないじゃない・・・。
  • かっこ悪いにも程がある
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

505.0610.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78.8451.5万円

中古車を検索
i3の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

505.0610.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78.8451.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村