■迷走感漂うホンダ 果たしてどこに向かうのか?
最近ホンダが迷走しているように見えます。
前社長の八郷体制のとき、生産性の悪いイギリス工場と狭山工場(埼玉)の閉鎖を発表。結果、「オデッセイ」や「レジェンド」といったラージサイズ車種の販売を、後継モデルもないまま終了することになった。
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はたまたF1を止める代わりに燃料電池車など環境対応車の開発に資源を集中するといいながら、FCV「クラリティ」の生産終了を決めている。
さらに、ここにきてホンダの精神的な柱となっていた「NSX」の生産終了も発表。縮小均衡策を繰り返した結果、ホンダのブランドイメージが大きく低下し、いまや国内では軽自動車とコンパクトカーのメーカーになってしまった。
メディア嫌いと思えない三部敏宏新社長ながら、就任以来、ほとんど個別取材を受けていない。これもホンダの迷走感につながっています。
好対照なのがトヨタ。豊田章男社長は1か月に1度くらいの頻度でさまざまな場面に出てきて、トヨタの現状と将来を語る。投資家もしっかり反応しており、株価を見ると2018年比で20%も上がった。
ホンダの株価といえば、それほど業績は悪くないのに前回の高値である2018年の4000円を回復できない。明らかに期待値が低いようだ。
果たしてホンダはどこに向かうのだろうか。三部社長が語らないため、昨今の状況を見ながら考察してみたいと思う。
まず三部新体制がもっとも重要だとする環境対応。具体的にいえば、電気自動車や燃料電池車です。
2021年4月の社長就任記者会見の席で「エンジン搭載の販売を2040年で終了する」といったものの、具体策はまったく提示しなかった。とはいえ動きは出ている。
まずホンダにとってもっとも重要なマーケットになっている米国では、すでにGMと技術的な提携を結んでおり、電気自動車を共同開発してアメリカで生産するという。
詳しくいうと、大小ふたつのプラットフォームを開発中で、大きいほうはGM、小さいほうをホンダが担当する方向。燃料電池車もGM主体で開発中です。
最近のホンダの傾向としてアメリカで生産する車両の日本価格は、同じクラスの競合車と比べ大幅に高くなる傾向。
もう少しハッキリいうと、アメリカで生産している車両を日本で販売して成功したモデルなどいままで存在しないです。
したがってGMと共同開発した電気自動車や燃料電池車が日本で売れるとは考えにくい。
■電動化が進むなか、日本市場におけるホンダの戦略は?
では日本で販売する電気自動車はどうするのかといえば、可能性として中国由来が考えられます。
ホンダにとって中国はアメリカの次に重要なマーケットになっており、しかも電気自動車の需要が大きい。
すでに中国の電池メーカーとも技術&資本的な提携をしていて、次世代電池といわれる「全固体電池」まで有望なリン酸鉄リチウム電池も使えます。
それなら中国で生産する「ヴェゼル」級の電気自動車を日本導入するのかとなれば、これはまったく話にあがらない。
トヨタはEV「bZ4X」の販売を示唆していたり、日産もEV「アリア」など本格的に電気自動車の日本戦略を組んでいる。
ホンダのみ何のアナウンスもなく(2020年に発売した「ホンダe」についちゃお話にならない)、このあたりが投資家やホンダファンの不信感を増幅しているように思います。
また、トヨタや日産、スバルなどで好調な利益幅の大きい300万円以上の車種展開についても、ホンダの場合は戦略が見えてこない。
300万円を超える「シビック」は売れると思えないし、本来なら人気車になるはずのDセグSUV(ホンダなら「CR-V」)だって浮上の気配なし。
「インサイト」や「アコード」もデビューと同時に開店休業状態。「ステップワゴン」だって1人負けです。
そもそも日本の工場はシビック級より小さいクルマしか作れない。Dセグ以上を作ろうとすれば、アメリカか中国かタイの工場しかなくなってしまった。
前述の通り海外工場製の車両を日本で販売しようとしたら価格競争力は持たせられない。かといって高い価格を付けようとしたらブランドイメージが低いため売れません。
ということで、アメリカ市場と中国市場は盤石だから収益面で不安のないホンダながら、日本の戦略がまったく見えてこない(欧州戦略はさらに先細り)。
米・モントレーで、ホンダが海外で展開するアキュラが新型「インテグラ」を復活させると発表したが、アメリカ工場製のため、もし日本に導入されるとなると驚くほど高くなりそう。
日本のホンダファンのためにもそろそろ三部さんが夢を語って欲しいと思う。
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みんなのコメント
売れない車種はどんどん切り捨て、N boxが売れなくなり次第ホンダ終了。