ガソリン価格の高騰に加え、ウクライナ情勢の緊迫化でますます高値が続くと予想されるガソリン価格。すでに13年ぶりの高値をつけ、生活をひっ迫していたり、燃費が良いハイブリッド車への乗り換えを検討したりする人もいるだろう。新車の納期長期化から中古車の需要が高まっているなか、いま“買い”のユーズドハイブリッド車を探してみた。目をつけたのは、「トヨタ SAI」だ。
「SAI」をご存じない方もいるかもしれない。SAIは2009年12月にトヨタが発売したハイブリッドセダン。企画段階ではプリウスの上位に位置づけられていた。実際、ハイブリッドシステムに組み合わされるエンジンの排気量は2.4リッターで、システム最高出力は190ps と1.8リッターのプリウスよりもパワフルだ。
ボディサイズは全長4605mm×全幅1770mm×全高1495mmで、典型的な3ボックススタイルを採用。プラットフォームは先にデビューした「レクサス HS」と共通で、かつての「トヨタ プログレ」のような“小さな高級車”と言ってよい。ただセダンの退潮もあってかセールスはそれほど振るわず、2017年に終売となってしまった。よって、タマ数の少なさ、作りの上質感、不人気ゆえの相場の安さが中古車でSAIを購入するメリットとなる。
ここで、中古車市場での登録状況から引き合いのありそうな「5年落ち(2017年以降)・3万キロ以下」で検索してみると、SAIは概ね170万円~190万円台となっており、これはプリウスに比べて同等か若干安価な水準だ。前述の通り、プリウスと同じようなボディサイズで排気量は大きいため、通常であればプリウスより高額でもおかしくないのだが、安価で買えるのは中古車ならでは。コスパで考えれば「買い」だ。
一方、デメリットもなくはない。プリウスと違い絶版車となっているため、今後知名度はさらに低下する可能性が高いこと。同じ理由でリセールには期待できないこと。そしてタマ数の少なさゆえにボディカラーや走行距離にこだわると良質な個体を探すのはプリウスなどに比べると若干困難なことだろうか。とはいえ、現状では市場を見渡せば好みの個体が見つかる可能性は高い。
人気のハイブリッドにもかかわらず、知る人ぞ知る存在となっているSAI。コスパの良い足グルマをお探しの人は要チェックだ。
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