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【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1中国GP】際立っていたフェルスタッペンとノリス。ハミルトンが本領発揮

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【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1中国GP】際立っていたフェルスタッペンとノリス。ハミルトンが本領発揮

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価し、ベスト5のドライバーを選出した。今回は中国GPの週末を振り返る。

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【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1日本GP】トップ5チームの一角を崩し、10位に食い込んだ角田裕毅

 5年間F1で使用されておらず、再舗装されたトラックにおいて、スプリント方式で開催された中国GP。こういった状況では、チームがどれだけ優れた準備を整えるかがリザルトを左右するものだが、それでも何人かのドライバーが際立ったパフォーマンスを見せた。さらにそのうちのふたりは、満点に値するレベルだった。

【2024年F1第5戦中国GP ベスト5ドライバー】

■評価 10/10:ドライで圧勝のフェルスタッペンと、ウエットでの強さを発揮したノリス

マックス・フェルスタッペン(レッドブル):スプリント予選4番手/スプリント1位/予選1番手/決勝1位
ランド・ノリス(マクラーレン):スプリント予選1番手/スプリント6位/予選4番手/決勝2位

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、スプリント予選ではタイヤを十分温めることができずに苦労したものの、ドライコンディションでは圧倒的に強く、スプリントになるとわずか9周で4番手からトップに躍り出て、残りの10周で2位に13秒もの差をつけた。日曜決勝ではポールポジションからスタートしてそのまま逃げ切り、わずか5戦を経て、チャンピオンシップにおいて圧倒的なリードを確立した。この週末、2回勝利を手にしたフェルスタッペンだが、それでもスプリントフォーマットへの情熱が高まることはなかったようだ。

 フェルスタッペンに並ぶレベルだった唯一のドライバーが、ランド・ノリス(マクラーレン)だ。苦戦を予想していたマクラーレンが、意外な速さを発揮するなか、ノリスはスプリント予選で、得意のウエットで素晴らしいラップを走り、2番手に1.261秒ものギャップ築いてトップに立った。スプリントではターン1でルイス・ハミルトンを抑えようとしてミスを犯し、7番手に後退。19周のなかでポジションをひとつしか上げられずに終わった。しかし日曜日の決勝ではそういったミスはなく、スタートで4番手を維持し、セルジオ・ペレスやフェルナンド・アロンソよりもうまくタイヤを管理して走ったことでふたりの前に出て、2位をつかんだ。

■評価 8/10:フェラーリ不調のなか、チームメイトを上回ったルクレール

シャルル・ルクレール(フェラーリ):スプリント予選7番手/スプリント4位/予選6番手/決勝4位
セルジオ・ペレス(レッドブル):スプリント予選6番手/スプリント3位/予選2番手/決勝3位

 今年初めて、フェラーリのマシンに十分な競争力がなかった中国GPで、シャルル・ルクレール(フェラーリ)はチームメイトを上回る力を見せた。スプリントと決勝で素晴らしい走りをして4位を獲得した。チームが選択した低ダウンフォースレベルのセットアップは雨のスプリント予選で不利に働いたが、スプリントではチームメイトとの接触にもかかわらず、トップ3に近づいた。メインレースの序盤ではサインツからポジションを守るための動きにより、順位を7番手に落としたものの、優れたタイヤマネジメントにより4番手に浮上、前のセルジオ・ペレスに非常に近い位置でフィニッシュした。

 セルジオ・ペレス(レッドブル)は、レッドブルにシーズン4度目のワンツーをプレゼントすることはできなかったものの、予想よりフェルスタッペンとの差は小さかった。スプリントと決勝で3位を獲得、これは来季シートを守る上で堅実な結果といえる。とはいえ、速さで勝るマシンに乗りながら、スプリントではハミルトンに、決勝ではノリスに敗れたという事実も残る。それでもペレスはレッドブルが彼に望んでいる仕事をやり遂げた。今の彼にとって、それが唯一の目標のようだ。

■評価 7/10:スプリントで真価を示したハミルトン

ルイス・ハミルトン(メルセデス):スプリント予選2番手/スプリント2位/予選18番手/決勝9位

 確かにルイス・ハミルトン(メルセデス)は予選で最悪の時間を過ごし、ヘアピンに向けてロックアップした結果、Q1で敗退した。だが、ハミルトンがスプリント予選とスプリントで見せたパフォーマンスは、彼が今もどれだけ素晴らしいドライバーであるかを思い出させるものだった。スプリントで2番グリッドからスタートしたハミルトンは、好スタートを切った後、ノリスと戦ってリードをつかむと、8周にわたってトップを走行した。フェルスタッペンに抜かれたことは、マシンの力の差により避けられないことだった。日曜日の決勝では、最悪のセットアップが施されたマシンで走りながら、不平を言いつつも、力を尽くし、トップスピードの低さにもかかわらず、ポジションを9つ上げてフィニッシュした。

【ベスト6以下のドライバーとその戦い】

ジョージ・ラッセル(メルセデス):スプリント予選11番手/スプリント8位/予選8番手/決勝6位
=評価 7/10:スプリントではハミルトンにかなわなかったが、堅実な週末を過ごした。

カルロス・サインツ(フェラーリ):スプリント予選5番手/スプリント5位/予選7番手/決勝5位
=評価 7/10:速さはあったものの、重要な場面で決め手に欠けていた。

バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー):スプリント予選9番手/スプリント12位/予選10番手/決勝リタイア
=評価 7/10:不運が続くなか、常にセカンドグループのトップに立っていた。

ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース):スプリント予選13番手/スプリント19位/予選9番手/決勝10位
=評価 7/10:非常に良いレースをして、チームに貴重なポイントをもたらした。

エステバン・オコン(アルピーヌ):スプリント予選17番手/スプリント13位/予選13番手/決勝11位
=評価 7/10:今回もチームメイトより速かった。新しいフロアが導入されたマシンで、チームの今季初ポイントまであと2秒というところまで迫った。

オスカー・ピアストリ(マクラーレン):スプリント予選8番手/スプリント7位/予選5番手/決勝8位
=評価 6/10:彼にとって初めてのコースだったこともあり、ノリスに匹敵するペースを発揮することはできなかった。それでもスプリントと決勝でしっかりポイントを稼いだ。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン):スプリント予選3番手/スプリントリタイア/予選3番手/決勝7位
=評価 6/10:2回の予選で3番手を獲得、予選のスターだった。しかしスプリントでは避けられるインシデントでリタイアし、日曜決勝ではいつもの彼ほど優れたタイヤマネジメントができず、それによっていくつかポイントを獲り逃した。

周冠宇(キック・ザウバー):スプリント予選10番手/スプリント9位/予選16番手/決勝14位
=評価 6/10:初めてのホームグランプリという感動的な週末に良い仕事をした。スプリントではあと一歩で入賞だった。

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):スプリント予選18番手/スプリント17位/予選14番手/決勝12位
=評価 6/10:上海でウイリアムズには競争力がなかったため、アルボンは目立った活躍は見せられなかった。しかし日曜決勝にはポイント圏内を目指す戦いに加わった。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ):スプリント予選16番手/スプリント15位/予選15番手/決勝13位
=評価 6/10:ガスリーのA524には新パーツは導入されなかったにもかかわらず、今季ここまでで最も堅実な週末を過ごした。

ダニエル・リカルド(RB):スプリント予選14番手/スプリント11位/予選12番手/決勝リタイア
=評価 6/10:シャシー交換を行った中国で、リカルドはこれまでよりも良いペースを示した。とはいえ、VCARB 01には十分な競争力がなく、その上、ランス・ストロールに追突されて、レースを台無しにされた。

角田裕毅(RB):スプリント予選19番手/スプリント16位/予選19番手/決勝リタイア
=評価 5/10:マシンのどこに問題があるのかをチームが見つけることができず、苦しい週末を過ごした。レースではケビン・マグヌッセンに接触されてスピンし、リタイアという結果に終わった。

ケビン・マグヌッセン(ハース):スプリント予選12番手/スプリント10位/予選17番手/決勝16位
=評価 5/10:今回もチームメイトより遅かったが、スプリントでの10位はまずまずの結果だった。

ローガン・サージェント(ウイリアムズ):スプリント予選20番手/スプリント18位/予選20番手/決勝17位
=評価 5/10:いつもよりアルボンとの差は小さかったものの、ウイリアムズのマシンは今回最も遅かったために、輝くことはできなかった。

ランス・ストロール(アストンマーティン):スプリント予選15番手/スプリント14位/予選11番手/決勝15位
=評価 2/10:ストロールは依然としてチームに貢献していない。アロンソはふたつの予選で3番手を獲得したにもかかわらず、ストロールは15番手と11番手に終わった。レースではセーフティカー先導時にリカルドに追突。まるでアマチュアのようなインシデントだった。

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みんなのコメント

1件
  • さくら
    レッドブルのマシンでスプリントも決勝も2位になれないのに評価8ってどんだけ甘いんだ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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