世界中の「Car Guy」が共有する価値観。1台の愛車から無限に広がる夢の世界をもっと楽しもうぜぃ!
この世にはいわゆる「クルマ好き」と呼ばれる人は多い。英語表記するなら「Car Guy(カーガイ)」といったところだろう。クラシックカーはもちろん、カスタムカー、レーシングカー、スーパーカーなどを持ち寄り、世界中のあらゆるところでクルマ談義に花を咲かせている。
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その規模は2台から数百台、場所もコンビニの駐車場からサーキットまでさまざまだ。横浜の大黒埠頭なんかもそのひとつだろう。曜日と時間帯で、なんとなくカテゴリーが分かれているのが面白い。軽自動車カスタムからスーパーカーまでバラエティに富んでいる分、見応えがある。
それに最近は海外からのオーディエンスも少なくない。「どこから紛れ込んだんだ?」って感じで、違和感を放つ。なので、話しかけると、「クルマを見に来た」とフツーに答える。どうやら海を越えて「DAIKOKU FUTOU」は知れ渡っているようだ。
そんなカーガイの祭典をグローバル目線で見渡すと、スケールの大きさに驚かされる。ペブルビーチのコンクールデレガンスやそのヨーロッパ版ヴィラデステ、グッドウッドのフェスティバル・オブ・スピードやリバイバルもそうだ。マーチ卿のおひざ元に世界屈指のカーガイが集結する。レジェンド級のレーシングドライバーから英国の侯爵、伯爵、男爵、ナイト、それと各国の国王レベルまでが、そこで走れる招待状をワクワクしながら待っているから恐れ入る。まさに成熟した大人カーガイのための祭典だ。
ル・マン・クラシックもその中のひとつだろう。言い出しっぺはウルトラ高級時計で知られるリシャール・ミル氏とその仲間。彼らは自分達が集めた過去ル・マン24時間レースで戦ったマシンを走らせる場所としてこのイベントをスタートさせた。
もちろん、運営は本家ル・マン24時間レースのフランス西部自動車クラブ(ACO)を中心とした団体だが、その影にはそんな裏話もある。何を隠そう、リシャール・ミルは第1回大会からスポンサーをしているし、彼の地でインタビューした時もそんな発言をしていたからね。まぁ、立場立場でいうことは変わるだろうが、信憑性のあるエピソードである。
で、幸運なことに、そんな会場に何度か足を運び取材をしたことがある。目の前に広がるのは、クルマの歴史を紐解くのに必須な文献に出てくるようなモデルばかり。夢のような世界が広がる。アストンマーティンDB4・GTザガート、ベントレーRタイプ・コンチネンタル、フェラーリ250GTO、マセラティA6GCS、それに戦前のアルファロメオやブガッティなどなどだ。アバルトやツーリング、ザガート、ピニンファリーナなどカロッツェリア系もあって、興奮はいつまで経っても冷めない。もはや大人のテーマパークである。
と同時に、それを動かしているカーガイたちにも注目。なんたって人類の歴史的財産を所有する人たちだからね。頭のてっぺんからつま先まで舐め回すように見てしまう。なるほど、こういうジャケット着て、こんな靴履いて、こんな時計しているのか、って感じ。
でも、彼らの楽しそうな笑顔でクルマ談義する姿を見て、カーガイは世界共通なんだとも悟った。どんなに高い服着て高級時計を腕にはめていようと、クルマに対する愛情は同じ。やっぱクルマってすごい。同じ趣味同士でたくさんの時間を共有できる。1台の愛車から広がる世界は無限だね。だから、クルマのある人生を最高に楽しもうぜぃ!
くしまたつや/モータージャーナリスト。2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。『Car Ex』副編集長、『American SUV』編集長など自動車専門誌の他、メンズ誌、機内誌、サーフィンやゴルフメディアで編集長を経験。趣味はクラシックカーと四駆カスタム
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