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【ボルボ XC40リチャージ】電気自動車になってこそわかる歴史の積み重ね

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【ボルボ XC40リチャージ】電気自動車になってこそわかる歴史の積み重ね

新車試乗レポート [2024.02.16 UP]


【ボルボ XC40リチャージ】電気自動車になってこそわかる歴史の積み重ね
文●九島辰也 写真●澤田和久、内藤敬仁

中古車価格も高値で推移するNDロードスターをそれでも推す理由

 XC40リチャージに乗る機会を得た。各社電動化の拡大路線に進んでいるが、早くから宣言をしているのがボルボ。彼らはモーターを搭載したモデルに“リチャージ”と名づけ、展開する。このクルマはC40リチャージに続く第二弾として2022年に登場したBEVだ。


人気モデルの電気自動車バージョン

XC40 リチャージ
 XC40リチャージの当初のラインナップは、2つのモーター搭載のXC40リチャージ アルティメット ツインモーターと、1つのモーターのXC40リチャージ プラス シングルモーターの2タイプ。アルティメット ツインモーターはシステム最高出力300kWの4WDで、プラス シングルモーターはフロントのみにモーターを搭載する170kWだった。ともに普通充電と、最大出力150kWまでのCHAdeMO規格の急速充電に対応する。

 プラットフォームは内燃機関搭載のXC40のCMAプラットフォームをベースとしながら、フロントセクションとフロアをEV専用に改造したものが採用された。今後はEX30のようなEV専用プラットフォームがデフォルトになっていくだろうが、移行期間には共有プラットフォームも存在する。


XC40 リチャージ

アップデートで電気自動車としての実力が上がった
 そんなXC40リチャージだが、昨年の仕様変更により出力とトルクをアップしたモーターで後輪を駆動するシングルモーターモデルとなった。目玉はその自社開発したモーターで、170kWから約3%向上となる175kW、最大トルクは330Nmから約27%アップの420Nmを発揮する。と同時に、駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は69kWhから73kWhへ約5%拡大している。

 フロントからリアへモーターを移動させた理由は定かではないが、スペース効率の向上が挙げられる。リアデフのみで駆動させた方が、フロアのスペースが確保でき、より多くのバッテリーを搭載することができるからだ。BEVに対する今日の課題はやはり一充電あたりの走行距離なので、その方がメリットは大きいと言える。もちろん、そのためにモーター自体を自社開発することでよりコンパクトに仕上がったのが今回の改良のカギとなる。

 それにしてもクルマ自体をそのままに駆動輪を変えるというのはユニークな話だろう。内燃機関であれば大改造というか、別のクルマに相当する。FWDとRWDではプラットフォームからして別物だからだ。それが比較的容易にできるのもBEVの醍醐味からもしれない。モーターをデフと直結することで、駆動力を伝えるプロペラシャフトはいらなくなり、その分フリクションにパワーロスも低減できる。


XC40 リチャージ

基本性能の高さとセッティングの緻密さを感じる走行フィール

XC40 リチャージ
 では、実際に走らせた印象へ話を移そう。走り出しはBEVらしさは姿を消し、内燃機関に近いリニアな加速感がうまく再現できている。アクセルをそれほど慎重に踏まずして適度なパワーを出せるといった感覚だ。でもってそのまま急激なトルクの立ち上がりのないまま加速を続ける。ここまでのセッティングは個人的にかなり好印象で、じわじわと運転が楽しくなってくる。

 ハンドリングもそうで、乗ったのは4WDの方だがフロントのトルクステアは少なく、コントロールしやすい。フロントのデフにモーターを付けると前輪が暴れる傾向が強いがそれもなかった。これならタイヤにも極端に負荷がかからないので、コンパウンドの消耗も激しくないだろう。スマートなカーライフを送られそうだ。

 というか、このハンドリングはワインディングでのキレイなトレースができる。ステアリング操作に対し、追従するボディが一体になっているのがいい。床下の重さも感じないからキビキビ走れそうだ。きっとクルマの基本性能が高いのだろう。しばらくボルボ車に乗っていなかったが、ここにカーメーカーとしての一日の長を感じる。新興のBEV専門メーカーとは違う。


まとめ
 と言ったのが久しぶりに走らせたXC40リチャージのインプレッション。そもそも2010年ごろから走りに関して急激に良くなってきたブランドだけに、その延長線上にうまくBEVをつくれたのだろう。この調子で電動化を進めれば走りのクオリティに関しては問題ないはずだ。あとは、もう一度電動化を含めたブランディングが課題となる。果たしてそこをどうイメージアップしていくのか。彼らの腕前に期待である。

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