現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > アウディ「新時代の幕開け」 新型Q6 eトロン発表 517馬力の高級SUVはすべてが新しかった

ここから本文です

アウディ「新時代の幕開け」 新型Q6 eトロン発表 517馬力の高級SUVはすべてが新しかった

掲載 8
アウディ「新時代の幕開け」 新型Q6 eトロン発表 517馬力の高級SUVはすべてが新しかった

アウディの新時代を告げる電動SUV

アウディは3月18日、新型EVの「Q6 eトロン(Q6 E-tron)」を欧州で公開した。従来のQ5に相当するミドルクラスの電動SUVで、4月に発売予定だ。

【画像】すべてが新しいアウディの高級電動SUV登場!【新型アウディQ6 eトロンを写真で見る】 全26枚

英国価格はQ6 eトロン・クワトロが6万8975ポンド(約1330万円)から、上級モデルのSQ6 eトロンが9万2950ポンド(約1790万円)からとなっている。

アウディの電動SUVラインナップでは、小型のQ4 eトロンと大型のQ8 eトロンの間に位置する。外観は保守的なデザインだが、搭載される技術は「飛躍」的なものだとされている。

Q6 eトロンには、アウディとポルシェが共同開発した先進のプレミアム・パフォーマン・スエレクトリック(PPE)プラットフォームが採用された。ポルシェの新型マカンと共通化し、また今年後半に導入予定のA6 eトロンなど複数のモデルにも採用される最新構造だ。

PPEプラットフォームーとあわせて、フォルクスワーゲン・グループの新しい電子アーキテクチャー「E3」を使用する。5台の高性能コンピューターにより、サスペンションや運転支援システム、インフォテインメント・システムなどを制御する電子技術だ。

最高出力517ps 熱管理システムも刷新

パワートレインとして新世代の電気モーターを導入し、システム出力はQ6 eトロン・クワトロで387ps(285kW)、SQ6 eトロンで517ps(380kW)を発生する。Q8 eトロンの第1世代モーターと比較して、出力密度が62%、性能が33%向上したほか、車両全体のエネルギー消費量を30%抑えるなど高効率を実現している。

また、新しい直接冷却システムを採用し、レーシングカーのようなドライサンプ設計によって潤滑に必要な液体(フルード)の量を減らしている。これも効率をさらに高めるための工夫である。

駆動用バッテリーとして、100kWh(使用可能容量94.9kWh)のリチウムイオンバッテリーを搭載する。12個のモジュールと180個のプリズムセルで構成される新設計のもので、レアメタルのコバルトの使用量を低減している。エネルギー密度は従来比で30%増加し、15%の軽量化を達成した。

また、冷却プレートを組み込んだほか、複合繊維のアンダーボディを装着することで、軽量化と熱管理の向上を図っている。ヒートポンプも標準装備される。

航続距離は最長625km 超急速充電に対応も

1回の充電での航続距離は最長625km(欧州WLTPサイクル)で、電費は6.1km/kWhとなる。SQ6 eトロンでは出力が増すため、航続距離は600kmに短縮される。

全車、強度を調整可能な回生ブレーキシステムを搭載し、パドルを使って手動で設定するか、ワンペダルモードに切り替えることができる。

Q6 eトロンは800Vの高電圧システムを採用し、超急速充電を可能とした。最大270kWの充電に対応し、適切な条件下では10分で255km分のエネルギーを補給できる。

アウディによると、最大135kWの低速400V充電器では、バッテリーが2つのバンクに分かれて並列充電され、充電速度と効率を最大化するという。

家庭用充電器は最大11kWhに対応し、AC充電ポートがボディ左右に1基ずつ(いずれもリア側に)装備されている。

現在はデュアルモーターの四輪駆動モデル(クワトロ)のみが設定されているが、今後シングルモーターの後輪駆動モデルや83kWhバッテリー仕様も追加予定だ。

力強い外観デザイン、表情豊かな照明技術

Q6 eトロンのボディサイズは全長4771mm、全幅1939mm、全高1648mm、ホイールベース2899mmとなっている。

スタイリングとしては、新解釈の「シングルフレーム」グリルを採用し、ヘッドライトは上下2分割として上部にデイタイム・ランニング・ライト、下部にメインビームを配置。

フロントバンパーにはがっしりとしたエアインテークも備わる。サイドは「クワトロ・ブリスター」と呼ばれるフェンダーデザインにより力強さを表現した。

リアエンドにはフルワイドのライトストリップと、「アクティブ・デジタル・ライト・シグネチャー」を特徴とするOLEDリアライトが装備される。これは6つのパネルと360のセグメントからなる新技術で、10ミリ秒ごとにパターンをわずかに変化させたり、周囲の車両に情報信号を与えたりと、さまざまな機能が実装されている。例えば、ハザードランプを押すと警告の三角マークが点灯する。

最新世代のインテリアとソフトウェア

乗車定員は5人。トランク容量は526Lで、これに加えてフロントに64Lの “フランク” を備える。インテリアは「ソフトラップ」と呼ばれる新しいデザインコンセプトを採用し、ドアからダッシュボードまで連続的な曲線でつなげている。また、リサイクル可能な内装材が多数使用されている。

ダッシュボードは、シングルフレーム・グリルを模した「デジタルステージ」を中心に、11.9インチのデジタル・インストゥルメント・ディスプレイと14.5インチの曲面インフォテインメント・タッチスクリーンが組み合わされている。助手席用に10.9インチのディスプレイもあり、走行中は運転席から見えないようになっている。

弧を描くようにフロントガラスの下部を横切るダイナミック・インタラクション・ライトでは、さまざまな情報を光で乗員に伝えることができる。

最新技術「E3」システム 高度な生産体制

インフォテインメント・システムは高度なカスタマイズが可能で、YouTubeやゲーム、オンライン・ショッピングといったサードパーティ製アプリをダウンロードして使用することができる。発売時点で、欧州では70以上のアプリが利用可能だ。

アウディ最新の音声アシスタント・システムを搭載し、800以上のボイスコマンドを実行できるという。

こうしたインフォテインメント・システムは、新開発の電子アーキテクチャー「E3」のバージョン1.2によって支えられている。E3は5台の高性能コンピュータを使用し、駆動系、サスペンション、車体の挙動、運転支援、インフォテインメント、快適機能、内部ネットワークおよび外部通信を制御するものだ。

Q6 eトロンの生産は、アウディの本拠地ドイツ・インゴルシュタットで行われる。高度な自動化を特徴とし、1日あたり約1000台の生産が可能だという。駆動用バッテリーはインゴルシュタットに新設された工場で、電気モーターはハンガリー・ジェールで生産される。

記者の視点:EV 2.0へようこそ

アウディQ6 eトロンは、同社3台目の電動SUVだ。だからといって、これまでと同じ内容というわけでは決してない。プラットフォームを共通化するポルシェ・マカンと並び、フォルクスワーゲン・グループによる新世代のEVの幕開けを意味するからだ。

Q8 eトロンは内燃エンジン車用プラットフォームの改良版を、Q4 eトロンは拡張性の高いMEBを使用している。しかし、PPEはアウディとポルシェがEV向けに特別に開発したもので、電子システムとソフトウェアに焦点を当てた設計となっている。多くの点で、Q6 eトロンはまっさらな状態から開発された初めてのアウディEVということになる。

PPEの鍵は柔軟性である。ソフトウェアとコンピューターに焦点を当てることで、無線アップデート(あまり歓迎されない動きだが、有料機能が増える可能性もある)と開発の迅速化が可能になる。それはまた、方向転換の時でもある。アウディのような企業は現在、電気技術に関する多くの知識を持っており、それを使って何ができるかを示す時なのだ。

関連タグ

こんな記事も読まれています

アメリカンな魅力 × ドイツ勢に並ぶ洗練性 7代目 フォード・マスタングへ試乗 ハイテクなマッスルカー
アメリカンな魅力 × ドイツ勢に並ぶ洗練性 7代目 フォード・マスタングへ試乗 ハイテクなマッスルカー
AUTOCAR JAPAN
わずか7時間のレースに…ニュル24時間レースは濃霧で赤旗中断! 勇退レースにSTI辰己総監督は「過去にやり残したことも後悔もないよ」【みどり独乙通信】
わずか7時間のレースに…ニュル24時間レースは濃霧で赤旗中断! 勇退レースにSTI辰己総監督は「過去にやり残したことも後悔もないよ」【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
高速道路から“直結ランプ”を引き込む!新タイプの「巨大物流施設」開発スタート 一般道は一切走らない!
高速道路から“直結ランプ”を引き込む!新タイプの「巨大物流施設」開発スタート 一般道は一切走らない!
乗りものニュース
【愛知県】車好きが集う店は、フレッシュな自家製ハンバーガーが自慢 ~男を磨くデイドライブ~
【愛知県】車好きが集う店は、フレッシュな自家製ハンバーガーが自慢 ~男を磨くデイドライブ~
グーネット
フィアット、人気MPV『ドブロ』に特別装備多数で価格据え置きの限定車“アドバンスト・エディション”を導入
フィアット、人気MPV『ドブロ』に特別装備多数で価格据え置きの限定車“アドバンスト・エディション”を導入
AUTOSPORT web
ミキティ、スマホでポチ買いした1000万超の「超高級車」を公開! 斬新“ド派手ドア”搭載の実車に反響多数!
ミキティ、スマホでポチ買いした1000万超の「超高級車」を公開! 斬新“ド派手ドア”搭載の実車に反響多数!
くるまのニュース
シトロエン 収益性重視のため小型・大型車を廃止へ C5 X後継は「存在しない」と否定
シトロエン 収益性重視のため小型・大型車を廃止へ C5 X後継は「存在しない」と否定
AUTOCAR JAPAN
マシンがパルクフェルメに戻る前に、観客がコースに侵入。主催者は安全対策の欠陥を認める/F1カナダGP
マシンがパルクフェルメに戻る前に、観客がコースに侵入。主催者は安全対策の欠陥を認める/F1カナダGP
AUTOSPORT web
ラリー界で元アスリートたちの存在感が上昇中! オリンピック金メダリスト清水宏保選手がふたたび全日本丹後にチャレンジ
ラリー界で元アスリートたちの存在感が上昇中! オリンピック金メダリスト清水宏保選手がふたたび全日本丹後にチャレンジ
Auto Messe Web
荒れた序盤を乗り越え、ラーソンが“戦略勝ち”で3勝目。タイトル戦線復帰へ/NASCAR第16戦
荒れた序盤を乗り越え、ラーソンが“戦略勝ち”で3勝目。タイトル戦線復帰へ/NASCAR第16戦
AUTOSPORT web
“苦い記憶”の払拭狙うBMW M4 GT3「今年はこれまでで最高の勢い」とファーフス/ル・マン24時間
“苦い記憶”の払拭狙うBMW M4 GT3「今年はこれまでで最高の勢い」とファーフス/ル・マン24時間
AUTOSPORT web
「フロントガラス」が無い! 豪華内装の新型「2人乗りオープンカー」を初公開!  美しすぎる斬新スポーツモデル「新型B95」日本発表!
「フロントガラス」が無い! 豪華内装の新型「2人乗りオープンカー」を初公開! 美しすぎる斬新スポーツモデル「新型B95」日本発表!
くるまのニュース
バスマニアも鉄道マニアも涙した! 廃止が決まった日本で唯一の無軌条電車「立山トンネルのトロリーバス」ってどんな乗り物?
バスマニアも鉄道マニアも涙した! 廃止が決まった日本で唯一の無軌条電車「立山トンネルのトロリーバス」ってどんな乗り物?
WEB CARTOP
ライバル不在だけど進化は続く──新型ロールス・ロイス・カリナン試乗記
ライバル不在だけど進化は続く──新型ロールス・ロイス・カリナン試乗記
GQ JAPAN
ホンダ『メトロポリタン』、6月中に発売…『ジョルノ』の米国版
ホンダ『メトロポリタン』、6月中に発売…『ジョルノ』の米国版
レスポンス
排気量や気筒数で語ってはいけない──新型メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンス試乗記
排気量や気筒数で語ってはいけない──新型メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンス試乗記
GQ JAPAN
「チーム間の差が広がるけど、それでもいいのかい?」ノリスが抱える2026年レギュレーション変更の懸念
「チーム間の差が広がるけど、それでもいいのかい?」ノリスが抱える2026年レギュレーション変更の懸念
motorsport.com 日本版
ホンダの「“VTEC”エンジン」何がスゴい? 他メーカーがマネしない理由がある? 熱狂を呼んだ「超高回転ユニット」独自開発の凄さとは
ホンダの「“VTEC”エンジン」何がスゴい? 他メーカーがマネしない理由がある? 熱狂を呼んだ「超高回転ユニット」独自開発の凄さとは
くるまのニュース

みんなのコメント

8件
  • ura*******


    人の道に外れてる輩が、運転支援装置評価機関でお手伝いですって

  • チュルラルキー
    こんなトヨタ車あったよね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村