この10年で飛躍的に進化したといえるのがクルマの装備。しかし、こんな装備つけるくらいだったら、価格を安くして納期も早くして! という声も聞こえてきそうだ。そこで今回はおじさんにとって、断捨離したい装備を紹介していきたい。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部、トヨタ、ホンダ
おじさんにこんな装備いる? いらない? もはや「断捨離」したほうがいいクルマの装備とは
■3~5秒点滅すると自動的に戻るワンタッチウインカー
ヤリスに設定されているワンタッチウインカー機能は一度ウインカーレバーを操作すると5秒間点滅する
この10年でクルマの装備は、安全装備やコネクテッドを中心にかなり進化した。衝突被害軽減ブレーキやACC、レーンキープアシストなどの安全装備やリアバックカメラ、ハンズフリーオートスライドドア、オートブレーキホールドなど、今では欠かせない装備となった。
しかし、そのいっぽうで、こんな装備いらない、よけいなおせっかいだと思う装備が実在する。
最近、大手牛丼チェーン店に行ったのだが、カウンターテーブルで頭大盛りの牛丼を注文しようとしたころ、座った席のカウンターテーブルに注文用のモニターが置かれていた。
これまでと同じように目の前に店員さんが行き来しているのに、面倒くさいと思ってしまった。2人席、4人席などではわかるが、カウンター席でやるのはちょっと。人員削減はわかるんだけどやりすぎはよくありません……。
少々脱線してしまったが本題に戻そう。まずは、なんでまたこんなこと考えたのか、と言いたくなるのがこのワンタッチウインカー。よけいなおせっかい装備の典型に思えるのだがみなさんはどう思いますか?
このワンタッチウインカーは、通常と同じようにウインカーレバーを操作すると、3~5回点滅して自動車的に消えてくれるもので、ハンドル操作で点滅がオフにならない車線変更の際に便利な機能で、現在は、輸入車を含め国産車にも多く採用されている。
たしかに手動で戻す必要がないのは便利だが、3回点滅するタイプだと、進路変更3秒前に点滅させると、実際の進路変更に使える時間は2秒程度しかない。
しかもワンタッチウインカーにはキャンセル機能がないため、例えば車線変更の時など一度ワンタッチウインカーを作動させたが、クルマが来てしまったため車線変更をしないという状況になっても点滅しつづけるのだ。
ワンタッチウインカーは3秒間作動するクルマが多い。そんなにウインカーの消し忘れが多いのか? そんなクルマは1年に1回見るかどうかだが……
道路交通法では「進路を変える際、進路変更が完了するまでウインカーを出し続けること」とあり、また「進路変更では、進路変更する3秒前にウインカーを出せねばならない」と決められている。3秒しか点滅しないワンタッチウインカーは、クルマが車線変更を行う際にウインカーが作動してない状況もしくは車線変更と同時にウインカーが作動することになり、道路交通法の「合図不履行違反」となる可能性があるのだ。
こうしたことを踏まえ、トヨタはワンタッチウインカーの採用は慎重だが、ワンタッチウインカーを初採用したヤリスでは点滅回数は5回に設定されている(これを3回に変更するキットが販売されているが)。
主に車線変更時のウインカー消し忘れを防止するために考えられたものだが、右折信号で前車が3~4台連なっている場合など3秒以上になることが多く、逆にウインカーレバーを押す回数が増えてしまうことも考えられるので、「う~ん、普通のウインカーのほうがいいんじゃないの?」と思ってしまった。
■デジタルアウターミラー装着車はもう増えない?
視界の悪い夜間に非常に見やすいデジタルアウターミラー
2018年10月に発売されたレクサスES300hに設定され、注目を集めたデジタルアウターミラー。その後2020年8月に登場したホンダeにも採用されている。
さらに2020年8月のマイナーチェンジでレクサスESにメーカーオプションとして設定された。 2021年8月の一部改良(同年10月に発売)では、カメラの性能を向上させて、LED特有の画像のちらつきを抑えるなどの改良を実施した。
しかし、デジタルアウターミラーの採用車はさっぱり出てこない。やはり価格が高いのが普及のネックになっているのではないか。
現在、3グレード構成のESにおいてデジタルアウターミラーが装着できるグレードは最上位の「Version L」と「F SPORT」。「Version L」はメーカーオプションで22万円、「F SPORT」はパノラミックビューモニターとの組み合わせが条件でその価格は28万7100円となる。
たしかに降雨や視界の悪い霧のなかを運転する時は便利だが、そんな状況はめったにない。後席に乗車している場合やラゲッジルームにいっぱい荷物を載せている場合に重宝するデジタルインナーミラーはいいと思うが、フェラーリやランボルギーニのような後方視界が極端に悪いクルマにはピッタリだと思うのだが、普通にクルマにはいらないかも……。
筆者のようなアナログおじさんは、サイドミラーが見えづらい場合は、降雨を除けば、サイドウインドウを開けて目視するので、あんまりいらないかな。
デジタルアウターミラーはやっぱりちょっとカッコ悪い。いまやサイドミラーはクルマのエクステリアデザインの一部になっているので、筆者のようなおじさんには違和感がある
■ナビやオーディオ&空調で使える「音声認識機能」
トヨタのコネクテッドサービス、エージェント(音声対話サービス)は、話しかけるだけで音声で応えて目的地や情報の検索をしてくれるサービス。「Hey、トヨタ」と話しかける。ヤリスやアクアなどのコンパクトカーをはじめ幅広い車種に対応
筆者のようにアプリがいっぱいあるi-phoneを使いこなせていない50代にはキツイと思う機能がこの「音声認識機能」だ。
音声認識技術はAppleの「Siri」、Googleの「OK Google」などを使い、コマンドを音声で入力することでステアリングから手を離さずにナビ&オーディオ&空調、そのほか多彩な機能が使える。
これに加えて、インフォテイメントシステム周辺のセンサーに手をかざすことで、オーディオの曲送りや曲戻し、エアコンの温度調整などを行うことができる「ジェスチャーコントロール」も、なにもそこまでやらなくてもいいんじゃないの? と思ってしまう装備だ。
駐車支援機能のパーキングアシストに関しても、やっと実用的になったかなと思えるレベルに達しており、今後もさらに進化していくだろうから暖かい目で見ている。
スマホの画面上をぐるぐると回し続けるリモートパーキングをやるくらいなら、自分で停めたほうが早いと思うたちなので、70代以上になったら考えるかもしれない。
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みんなのコメント
小学校の作文からやり直せ。
ただし「断捨離」の意味をはき違えていませんか?