現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【コンセプト第二弾】アウディ「グランド・スフィア」 9月2日公開予定 A8の後継モデル

ここから本文です

【コンセプト第二弾】アウディ「グランド・スフィア」 9月2日公開予定 A8の後継モデル

掲載 更新 7
【コンセプト第二弾】アウディ「グランド・スフィア」 9月2日公開予定 A8の後継モデル

スフィアシリーズ第二弾

執筆:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)

【画像】アウディが見据える未来【スカイ・スフィアや現行A8を写真で見る】 全93枚

翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

アウディは、新型コンセプトカーの「グランド・スフィア」を9月2日にミュンヘン・モーターショーで公開すると発表した。

グランド・スフィアは、同ブランドが制作する3台の「スフィア」シリーズのうちの1台で、後にA8の後継となる高級フラッグシップEVのコンセプトである。市販モデルは2024年に公開され、翌年初頭に発売される予定だ。

アウディのデザイン責任者であるマーク・リヒテはAUTOCARに対し、グランド・スフィアは「プロジェクト・アルテミスの非常に具体的な予告」となり、室内空間に焦点を当てた「デザインの革命」を披露することになると述べた。

「わたしはデザインチームに、A8後継モデルのビジョンではなく、まったく新しいものを求めました。A8、BMW 7シリーズ、メルセデス・ベンツSクラスなどの3ボックスセダンの販売台数は減少しており、より魅力的な新しいボディスタイルが登場しています」

「正直なところ、わたし達のA8よりもSクラスの方がずっと成功していると思うので、Sクラスを攻めるためには全く新しいものを考えなければなりませんでした。その結果がこれです」

ハイテク満載の次世代EV

プロジェクト・アルテミスは、完全EVかつ自動運転が可能な新世代のアウディモデルを支える、新しいプラットフォームとソフトウェアの開発を行っている。

これは、eトロンGTやQ4 eトロンなどの最新のアウディEVの次の大きな技術ステップとなる。

プロジェクト・アルテミスは、これらの自動運転システムの恩恵を受けられるグランドツアラーの開発を担当していた。

Landjet(ランドジェット)というコードネームで開発されたプロジェクト・アルテミスの市販モデルは、A8の後継として構想されており、メルセデス・ベンツの新型電動高級セダン「EQS」の対抗馬となる予定だ。

ランドジェットという名前は、プライベートジェットのような「ファーストクラス」の豪華さを提供するインテリアに重点を置いていることを意味しているようだ。

アウディは当初、A9の名称を使用することも検討したが、従来のセダンやSUVとは根本的に異なる新型車であることから、新たな命名規則の導入を決定した。

ランドジェットは、フォルクスワーゲン・グループとしては初めて、主流のMEBとパフォーマンスに特化したPPE EVプラットフォームの要素を組み合わせた先進のSSPプラットフォームを採用することになる。また、同グループの社内ソフトウェア部門であるCariadが開発した先進的な新しいVW.OSソフトウェアパッケージを採用する。

また、ユニファイド・セル・バッテリー技術をいち早く採用するモデルでもあり、WLTPテストサイクルで約600kmの航続距離を実現する。さらに、800Vシステムが採用され、超高速充電器から最大350kWの充電にも対応すると考えられている。

アウディは、このモデルの性能や出力について、まだ詳細を明らかにしていない。

関連するフォルクスワーゲンのトリニティ・コンセプトと同様に、その高度なソフトウェアは、多くのセンサーやコネクティング機能と連動して、高度な自動運転を可能にする。

プロジェクト・アルテミスは昨年初めから、ポルシェのモータースポーツ・プログラムの元代表であるアレックス・ヒッツィンガーが運営していたが、アウディのテクノロジー責任者であるオリバー・ホフマンが社内に持ち込んだことで、その指揮を執ることになった。

こうした動きは、開発チームが量産に適さないアイデアを追求しすぎていたことなどから、グループの経営陣がプロジェクトの進捗に懸念を抱いていると報じられたことを受けてのものだ。

開放感のあるインテリア

リヒテは、プロジェクト・アルテミスで自動運転に注力するためには、デザインプロセスを抜本的に変える必要があると説明している。インテリアデザインに重点を置き、それに合わせてエクステリアを造形していくのだ。

このアプローチの結果は、グランド・スフィアに現れる。アウディは、グランドツアラーのような流麗なシルエットでありながら、SUVのように大きなボディセクションをもつクルマのプレビュー画像を公開している。

リヒテは、このコンセプトの設計作業を3年前に開始したことを明らかにした。彼は次のように語っている。

「長距離の移動を想定したユースケースからスタートし、Dセグメントのクルマとしては革命的なレイアウトを実現しました。インテリアから設計したため、広大な室内空間を実現しました」

「グランド・スフィアは、外から見るとほとんどモノボックスのような大きさですが、モノトーンのボディはバンのようなもので、セクシーではありません。そこで、わたしはいくつかのスマートなアイデアを考えました。それは、わたしにとって誇りとなるものです」

「グランド・スフィアは、クラシックなグランドツアラーのように見えるところもありますが、よく見ると、広くて低いフロントガラスがあり、最大限の室内空間を作り出しています」

「ドアを開けると、そこには巨大な空間が広がっています。まるで30平米のアパートからロフトに移ったかのようです」

グランド・スフィアは、次世代のアウディのデザイン哲学を示すものでもある。このデザイン哲学では、スタイリングが単純化されることもあり、ラインの使用が大幅に削減される。

このコンセプトは、最終的な市販モデルの「息を呑むようなプロポーション」を強調するものだが、デザイン上の多くの特徴を残している。筋肉質なラインや、アウディの特徴であるシングルフレームグリルなどだ。

ただし、シングルフレームグリルは、従来のエンジン冷却用ではなく、ADASセンサー用のガラス製ハウジングを囲うものになる。

ファーストクラスのデザイン

リヒテは、自動運転時に乗員がリラックスできることに重点を置き、「新しい居住空間」を提供するためにインテリアをデザインしたと述べている。最大60度のリクライニングが可能なシート(これまでの市販車のシートの最大値を上回るという)や、ドリンクバーを内蔵したフロント乗員用の大型センターコンソールを備えている。

「A8やSクラスでは、2列目にビジネスクラスのシートがあり、1列目にはドライバーが座っています。しかし、このクルマではその逆で、クルマがドライバーなのです」

「後ろにはラウンジがあって、最前列がビジネスクラスなんです。ただし、もはやビジネスクラスではなく、ファーストクラスとなっています」

グランド・スフィアは、自動運転機能を中心に設計されているが、リヒテはドライバー重視の姿勢を貫くと主張した。

「このクルマはアウディであり、アウディは運転する喜びを提供しなければなりません」

このコンセプトではステアリングホイールを装備しているが、自動運転時にはダッシュボードに収納される。ダッシュボードは、物理的なボタンやスクリーンを一切排除した、斬新なデザインを採用している。

「わたし達はすでにスクリーンの先を考えています。このクルマには、もうディスプレイはありません。ダッシュボードはなく、巨大なオープンスペースがあり、プロジェクション・マッピングを採用しています」

「ドライビング・ポジションにディスプレイをどのように組合わせるかについて、いくつか素晴らしいアイデアを持っています」

「非常に優れたアプリケーションを用意しています。自動運転時にナビや映画を見るためのスクリーンが必要な場合は、すべてのコンテンツをこのアプリケーションに投影します」

グランド・スフィアのインテリアには、格納式のステアリングホイールや先鋭的なインターフェースなど、よりコンセプチュアルなデザイン案も見られる。しかし、リヒテは2024年に公開される市販モデルとの間には「大きなギャップはない」と主張している。

自動運転車の可能性を追求

グランド・スフィアのほかに、「スカイ・スフィア」と「アーバン・スフィア」も存在するが、前者は今月すでに公開されている。

スカイ・スフィアは「グランドツーリングの再定義」のためにデザインされた。ホイールベースの可変機構を採用しており、ボディを延長・縮小することで、高級グランドツアラーとスポーツカーという、2つの異なるドライビング・エクスペリエンスを提供する。

アーバン・スフィアは、よりコンパクトで箱型のSUVの形をしており、自動運転の「シャトル」や、最近発表された電動小型SUVコンセプト「AI:ME」との類似点が見られる。ヴェンダースは、これを「都市環境におけるプライベートな空間」と呼んでいる。

アウディのエクステリアデザイン責任者であるフィリップ・レーマーズは、この3つのコンセプトはすべて、生きた「スフィア(球体)」としてのインテリアカーをテーマにしていると語った。

「『内側は大胆に、外側は魔法のように』という謳い文句があります。これは、各クラスに一貫して実行されるパラダイムシフトです。Dセグメントに限ったことではなく、他のセグメントにもこれらのコンセプトが放射状に広がっています」

こんな記事も読まれています

チーム側のGP開催数「増加反対」を受け、F1のCEOはヨーロッパとアジアでのローテーションを計画
チーム側のGP開催数「増加反対」を受け、F1のCEOはヨーロッパとアジアでのローテーションを計画
AUTOSPORT web
横浜で「カー消し相撲バトル」が開催、本物のスーパーカーも登場 5月18・19日
横浜で「カー消し相撲バトル」が開催、本物のスーパーカーも登場 5月18・19日
レスポンス
テラチャージのEV充電器、マンションの機械式駐車場に初めて導入
テラチャージのEV充電器、マンションの機械式駐車場に初めて導入
レスポンス
アンダー250万円の日産「コンパクトカー」なぜ人気? 加速感イイのがポイント? 「NOTE」の魅力とは
アンダー250万円の日産「コンパクトカー」なぜ人気? 加速感イイのがポイント? 「NOTE」の魅力とは
くるまのニュース
今度は「グレー」と「モス」の2色!WOの電動アシスト自転車「M2X」にNEWカラーが登場
今度は「グレー」と「モス」の2色!WOの電動アシスト自転車「M2X」にNEWカラーが登場
バイクのニュース
メルセデスAMGの「超高性能モデル」サーキットでの印象は? ルックスは迫力満点!“闘争心あふれる走り”も新型「GTクーペ」の持ち味です
メルセデスAMGの「超高性能モデル」サーキットでの印象は? ルックスは迫力満点!“闘争心あふれる走り”も新型「GTクーペ」の持ち味です
VAGUE
ダムドから『ジムニーシエラ』のカスタムキット「DAMD JIMNY SIERRA little 5. / little Δ.」が販売開始
ダムドから『ジムニーシエラ』のカスタムキット「DAMD JIMNY SIERRA little 5. / little Δ.」が販売開始
レスポンス
グーグル、「Android Auto」と「Automotive OS」をアップデート…米国発表
グーグル、「Android Auto」と「Automotive OS」をアップデート…米国発表
レスポンス
【Kabuto】「KAMUI-3」に10作目のグラフィック「RIDGE」が加わった!サイドにはシャープなライン  
【Kabuto】「KAMUI-3」に10作目のグラフィック「RIDGE」が加わった!サイドにはシャープなライン  
モーサイ
ソリオ買うなら必見!人気の年式やおすすめグレードまで【人気のクルマ中古購入ガイド】
ソリオ買うなら必見!人気の年式やおすすめグレードまで【人気のクルマ中古購入ガイド】
グーネット
Honda的「かつてない感動体験」って、どんな体験? 「2024 ビジネスアップデート説明会」を通して、EVだけじゃない未来が見えてきた
Honda的「かつてない感動体験」って、どんな体験? 「2024 ビジネスアップデート説明会」を通して、EVだけじゃない未来が見えてきた
Webモーターマガジン
新チームや助っ人多数の2024年スーパー耐久富士24時間のエントリーリストが発表。8クラス59台が参戦へ
新チームや助っ人多数の2024年スーパー耐久富士24時間のエントリーリストが発表。8クラス59台が参戦へ
AUTOSPORT web
トヨタの電動シャトルはヴァレオの48V技術を搭載…2024年パリオリンピックで走行へ
トヨタの電動シャトルはヴァレオの48V技術を搭載…2024年パリオリンピックで走行へ
レスポンス
いざ、開幕戦のリベンジへ……岩佐歩夢が堂々ポールポジション。2番手以下にコンマ3秒の差つける|スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス
いざ、開幕戦のリベンジへ……岩佐歩夢が堂々ポールポジション。2番手以下にコンマ3秒の差つける|スーパーフォーミュラ第2戦オートポリス
motorsport.com 日本版
明治通り「完全分断」計画に反響多数!? 「これは歩きやすい」 池袋駅東口の再開発で大変化へ 「新・明治通り」も進行中!?
明治通り「完全分断」計画に反響多数!? 「これは歩きやすい」 池袋駅東口の再開発で大変化へ 「新・明治通り」も進行中!?
くるまのニュース
ダニエル・リカルド、イモラ初日苦労も改善を目指す……絶好調角田裕毅と揃ってQ3進出へ「ユウキは良いラップを走ったからね」
ダニエル・リカルド、イモラ初日苦労も改善を目指す……絶好調角田裕毅と揃ってQ3進出へ「ユウキは良いラップを走ったからね」
motorsport.com 日本版
イギリスにも偽パトカーいた!「栃木県警察」が捕まった驚愕の理由
イギリスにも偽パトカーいた!「栃木県警察」が捕まった驚愕の理由
乗りものニュース
ホンダ新型「フリード」発売へ! 「エアー」と「クロスター」どっちが人気? 斬新すぎる“SUV風”の評価はどう?
ホンダ新型「フリード」発売へ! 「エアー」と「クロスター」どっちが人気? 斬新すぎる“SUV風”の評価はどう?
くるまのニュース

みんなのコメント

7件
  • こんな挑戦的なデザインのフラッグシップモデルを出してくれるなんて、ワクワクする自動車メーカーですね!
    スカイスフィアの方もめちゃくちゃかっこいい!
  • ダサい。

    ワーゲン、韓国車、チャイナ車のコンセプトと言われた方がシックリくるレベル。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1214.01836.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.81380.0万円

中古車を検索
A8の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1214.01836.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

49.81380.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村