現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > みんな大好き初代「W124」から数えて6代目が登場! 大成功したり失敗したりメルセデスEクラスの人生波瀾万丈!!

ここから本文です

みんな大好き初代「W124」から数えて6代目が登場! 大成功したり失敗したりメルセデスEクラスの人生波瀾万丈!!

掲載 10
みんな大好き初代「W124」から数えて6代目が登場! 大成功したり失敗したりメルセデスEクラスの人生波瀾万丈!!

 この記事をまとめると

◾️ミディアムクラスと称されたメルセデス・ベンツEクラスは1985年に登場

70年の歴史のどこを切っても伝説の金太郎飴状態! メルセデス・ベンツの溺愛っぷりが伝わる「SL」はやっぱりスゴイ

◾️評判のいいモデルから迷走していたと評されるモデルまで、Eクラスにはさまざまなモデルが存在した

◾️2023年発表された最新型Eクラスには目を見張るようなハイテク技術が詰まっている

 最善から無へ⁉︎ 2000年代までのEクラスの変遷とは

 最善か無か、いつの間にか使われなくなってしまったメルセデス・ベンツの有名なモットー。このモットーだか社是だかのもと、1985年にミディアムクラスと呼ばれたW124が登場。これが1993年にマイナーチェンジを受け、車名の最初の文字にEが使われるようになり(例500E→E500)、Eクラスというセグメントが正式にスタートしたのです。

 ちなみに、「E」はドイツ語の「Einspritzung(燃料噴射、インジェクションの意味)」の頭文字で、「SクラスやCクラスでも使われているのに!」という点も突っ込みどころかもしれません。

 ともあれ、モデルチェンジを重ねて、Eクラスは最新の第6世代(W214)がリリースされるに至りました。今回は、ざっくりとEクラスの系譜をたどってみましょう。

 第1世代:W124(1984~1997)

 ちょい老けたクルマ好きから「W124最高!」「走る金庫!」はたまた「500Eしか勝たん」などと口角泡を飛ばされたご経験、誰しもおありかと(笑)。「いうて1980年代やんけ! 初代ってそんなにいいのかよ」と、知らない方々はそう眉間にしわを寄せるのでしょうが、実際に素晴らしいクルマなのです。

 W124は冒頭に記したモットー「Das Beste oder nicht(最善か無か)」をリアルに体現しており、同時代のSクラス(や190E)と等しく殿堂入り間違いなし! 3台乗り継いだ筆者も口角から泡吹きまくりますよ(笑)。

 そもそも先代のW123からして安全性やユーザビリティ、そして動力性能まで妥協なく作られていたので、その美点を引き継ぐだけでもよかったのですが、開発時期に訪れたオイルショックで開発陣の方向性はざっくりいって「高効率」へとシフトされたのです。その結果、先代より軽量化を達成しつつ、より剛性&安全性の高いボディとなりながら空気抵抗0.29というCd値をゲット。

 堅牢なシャシーは汎用性が高く、2.2リッターの直4エンジンから5リッターのV8まで8種ものバリエーションが用意されました。

 また、W123ではセダン/クーペ/ステーションワゴンの3ボディでしたが、W124ではカブリオレも加わり、メルセデス・ベンツの量販機種としてはもっとも多くのボディを生んだ世代となっています。

 第2世代:W210(1995~2002)

 こきおろすつもりはありませんが、W124とのコントラストが著しいモデルチェンジとなっていたかと。なぜなら、この時代のメルセデス・ベンツがもっともこだわっていたのがコストダウンだから。たとえば、ステアリングの保持形式が伝統のボール&ナットから、ごく普通のラック&ピニオンとなり、独特の重厚感、手触りのあるハンドリングが妙に飄々としてしまいました。さらに、噂によるとボディ鋼板も大幅なコストダウンがなされているなど、とかくネガティブイメージが先行しがち。

 とはいえ、トラクションコントロール(ASR/ESP)の標準装備やドア内蔵式サイドエアバッグといったメルセデス・ベンツらしい安全デバイスの数々などで、評価されるべきポイントも少なくありません。

 それに、W210のシャシーを使ってクライスラー300Cとか作られちゃったわけですから「トラは死んで皮を残す」的なモデルだったのではないでしょうか(笑)。

 第3世代:W211(2002~2009)

 先代のいささかあか抜けないデザインから一新、流麗なボディをまとったものの、あちこちで「メルセデス・ベンツは迷走している」と囁かれてしまったモデルかと。理由は、SBC (Sensotronic Brake Control)と呼ばれたデバイスで、これは雨天時などにディスクとブレーキパッドをわずかに接触させ水分の除去を行ってくれるもので、これがよく壊れてしまったことに端を発しているようです。

 実際、SBCは接触不良や車内ノイズの影響からパワーアシストが途切れてしまうとバックアップモードとなり、ブレーキはほぼノンアシスト、5倍の踏力が求められたといいます。運転に不慣れな方なら「ブレーキが利かない!」とパニックとなるのは必至、全世界でリコールに。

 結果としてマイナーチェンジを機にSBCは廃止となったのですが、ケチがつくとはこのことで、以降の販売台数は大いに伸び悩んだとのこと。

 とはいえ、不人気だからこそのメリットもあったようです。2008年に米国道路安全保険協会から発表された「盗難率の低いクルマ」では、2007年に米国でもっとも盗難被害に遭う確率が低かったクルマとしてランキングされており、盗難率は1万台あたり6台という好成績(笑)。なにが幸いとなるか、よくわからん、という好例かもしれません。

 名誉挽回! 再び輝きを取り戻した2010年代!

 第4世代:W212(2009~2016)

 ここまで迷走というか売り上げ不振にまで陥ってしまったEクラスですが(そのぶん、Cクラスが売れまくっていました)、W212ではプチ起死回生となりました。立役者はなんといってもハイブリッドモデルの投入で、ガソリン車のE400ハイブリッド、ディーゼルのE300 BlueTECハイブリッド(日本未導入)といった省エネ車が売り上げを牽引。Eクラスらしい実用性、タフネス、そして安全性が戻ってきたとマーケットも好感触を抱いた模様。

 また、W210から途切れていたクーペとカブリオレもEクラスとして久しぶりに復活したこともトピックのひとつ。ですが、シャシーはCクラス(W204)を使用しているので、それをEにするとはいささか厚かましいのではないでしょうか。

 いずれにしろ、コストダウンや先行技術での失敗を繰り返すことなく、真っ当な進化を遂げたという意味ではW212はなかなかの重要モデル。初代Eクラスに迫る存在感といっても差し支えないでしょう。

 第5世代:W213(2016~2023)

 この世代から、EクラスであってEクラスではない印象をもたれる方が少なくないようです。なんとなればシャシーは同社の汎用マルチプラットフォーム「MRA」を採用し、軽量化や剛性アップといったメリットはともかく、Eだけのものというエクスクルーシブ性の薄まりはいかんともしがたいかと。

 それでも、同社が長年研究してきたエアサス「AIR BODY CONTROL」をはじめ、車間距離をキープし車線維持もサポートする「ディストロニック&ステアリングパイロット」や、約60km/hまでの衝突を回避するシステムなど、サポートデバイスの充実には誰もが目をみはったはず。

 さらに、インフォテイメントシステムはSクラスよりも拡張されており、12.3インチのコクピットディスプレイなども時代を先取り。まさに、メルセデス・ベンツ日本のキャッチコピー「未来型Eクラス」そのもの。

 初代の上陸から30年を経て、すごい進化を遂げたものだと、感慨にふけったのは決して筆者だけではないでしょう。

 第6世代:W214(2023~)

 未来型を色濃く踏襲した現行モデル、W214はもはや電気自動車といっても過言ではありません。なにしろ、トップモデルのE350eは2リッターのガソリンエンジンを搭載するハイブリッドながら、バッテリーの航続距離は112kmと、都心部に住んでいたらエンジンがかかるチャンスはほとんどないとまでいわれます。どことなくEQシリーズに似たフロントマスクも、メルセデス・ベンツは意識してのことかもしれませんね。

 また、MBUXと呼ばれるIT技術を駆使した電子技術の進化も著しいもの。助手席一体型のスーパースクリーンだけでなく、立体メガネだとか使わずともメーターが3D表示されるなど、いやはや電気の実力って素晴らしい!

 さらに、呼びかけに応えてくれるメルセデス・ミーの機能充実に加え、ダッシュボードに備えられたインカメラによって車内からZOOM会議にだって参加できちゃうのですから、走る快適オフィスと呼んでもおかしくありません。

 それでいて、Sクラスよりも価格は抑えられ、取りまわしも手ごろなサイズだったり、Eクラスの定石はきちんと守っているあたり、メルセデス・ベンツ日本がいうとおり「Eを覆す、E」クラスとなっていること疑うべくもないでしょう。

こんな記事も読まれています

超絶人気のランクル250! 指名買いも多いけど「ライバル車」はどんなクルマが存在する?
超絶人気のランクル250! 指名買いも多いけど「ライバル車」はどんなクルマが存在する?
WEB CARTOP
50年前に生まれた四角いワゴンがいま話題! 昭和レトロブームと共に「ボルボ240エステート」の人気が急上昇中だった
50年前に生まれた四角いワゴンがいま話題! 昭和レトロブームと共に「ボルボ240エステート」の人気が急上昇中だった
WEB CARTOP
庶民でも頑張ればなんとか!? いまV8フェラーリ買うなら一番現実的なモデル「360モデナ」とは
庶民でも頑張ればなんとか!? いまV8フェラーリ買うなら一番現実的なモデル「360モデナ」とは
WEB CARTOP
壊れて当然のノリだけど現代のクルマにはない楽しさがある! 沼る可能性しかないハチマルイタフラ車
壊れて当然のノリだけど現代のクルマにはない楽しさがある! 沼る可能性しかないハチマルイタフラ車
WEB CARTOP
やっぱ「自然吸気」じゃなきゃ味わえない快感があんのよ! ターボだらけの世の中でも100万円台で狙えるNAエンジンの中古スポーツ4選
やっぱ「自然吸気」じゃなきゃ味わえない快感があんのよ! ターボだらけの世の中でも100万円台で狙えるNAエンジンの中古スポーツ4選
WEB CARTOP
小さいことに価値があるGLAのベストバイがコレ!【メルセデス・ベンツ GLA】
小さいことに価値があるGLAのベストバイがコレ!【メルセデス・ベンツ GLA】
グーネット
「あのクルマ電車じゃん!」……ってEVのことじゃなかった! カスタムカー界隈で揶揄される「電車」ってなんのこと?
「あのクルマ電車じゃん!」……ってEVのことじゃなかった! カスタムカー界隈で揶揄される「電車」ってなんのこと?
WEB CARTOP
昭和世代じゃなきゃ理解不可能!? マツダがこだわる[ロータリーエンジン]って何がそんなにスゴい?
昭和世代じゃなきゃ理解不可能!? マツダがこだわる[ロータリーエンジン]って何がそんなにスゴい?
ベストカーWeb
いくら魅力を語れど売れなくなるには理由がある! セダン&ワゴンが日本で衰退しているワケ
いくら魅力を語れど売れなくなるには理由がある! セダン&ワゴンが日本で衰退しているワケ
WEB CARTOP
燃料大食いの悪玉から環境志向の優等生へとキャラチェンジ!? 21世紀初頭の日本車&輸入車のターボエンジン事情
燃料大食いの悪玉から環境志向の優等生へとキャラチェンジ!? 21世紀初頭の日本車&輸入車のターボエンジン事情
ベストカーWeb
ボルボ144 E 「スウェーデン製」と端々から伝わる 当時は最も堅牢な4気筒 人気小説家の愛車(1)
ボルボ144 E 「スウェーデン製」と端々から伝わる 当時は最も堅牢な4気筒 人気小説家の愛車(1)
AUTOCAR JAPAN
【メルセデスのモンスター】メルセデス・ベンツ 300SEL 6.3/W109(1968-1972年)
【メルセデスのモンスター】メルセデス・ベンツ 300SEL 6.3/W109(1968-1972年)
AutoBild Japan
嗚呼我が愛しの[初代NSX]……スーパーカーガチ勢に嫌われる部分が最高だった! 元オーナーのベストカー編集部員が振り返る初代NSXならではの魅力
嗚呼我が愛しの[初代NSX]……スーパーカーガチ勢に嫌われる部分が最高だった! 元オーナーのベストカー編集部員が振り返る初代NSXならではの魅力
ベストカーWeb
「正常進化」で富裕層をさらに誘惑 メルセデス・ベンツGクラスへ試乗 3L直6ディーゼルがベストフィット
「正常進化」で富裕層をさらに誘惑 メルセデス・ベンツGクラスへ試乗 3L直6ディーゼルがベストフィット
AUTOCAR JAPAN
運転支援だらけで運転がつまらない……なんて感じてないか? あるぞ「クルマとガッツリ対話できる」運転の楽しいクルマ5台
運転支援だらけで運転がつまらない……なんて感じてないか? あるぞ「クルマとガッツリ対話できる」運転の楽しいクルマ5台
WEB CARTOP
新型クラウン第5の刺客 「クーペ」を発売することの意義とブランド価値
新型クラウン第5の刺客 「クーペ」を発売することの意義とブランド価値
ベストカーWeb
なつかしキャッチコピー「未体験ゾーンへ」「街の遊撃手」は何のクルマ? 日本車が熱かったバブル時代は広告も個性的でした【カタログは語る】
なつかしキャッチコピー「未体験ゾーンへ」「街の遊撃手」は何のクルマ? 日本車が熱かったバブル時代は広告も個性的でした【カタログは語る】
Auto Messe Web
【最新モデル試乗】新たなオールマイティSUV登場! 三菱トライトンはメルセデスGクラスより強い存在感を放つ
【最新モデル試乗】新たなオールマイティSUV登場! 三菱トライトンはメルセデスGクラスより強い存在感を放つ
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

10件
  • tam********
    20年位前にW124E500の6.0を所有していました。
    今ではかなり高騰していますが、当時は500万円台でAMGの6.0の極上車が購入出来た良い時代です。
    極上と言われていたE500でも、3~400万円も出せば「良くこんな程度の良い車両を見つけてきたな」という感じです。
    ただ何故か?ガソリンタンクがよく錆びてしまう車でした。
    今ではE500の極上車は1.000万円以下では買えませんね。
  • ***************
    最近のはあの三角形のテールランプ?
    Eシリーズ好きだわ~
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村