F1中国GPはスプリント開催となっており、フリー走行は60分一回だけ。そんな状況で大規模なアップデート・パッケージを持ち込むことに消極的なチームも少なくない。
ただ小規模なアップデートを持ち込んでいるチームは複数ある。そして興味深いことに、FIAに提出された書類では、3つのチームがコックピット周辺に修正を加えていることが明らかとなった。
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RBはドライバーのヘルメットの後ろにあるヘッドレストの形状を変更。これにより、このエリアの気流分離をより上手くコントロールしようとしている。その効果は、さらに後方のマシン後部にも影響してくるはずだ。
メルセデスはヘイローにフィンを追加
メルセデスとウイリアムズは、気流を整えることを目的に、コックピット保護デバイスであるヘイローに変更を加えた。
メルセデスはヘイローの後方、ちょうどヘルメットの左右にあたる位置に小さなフィンを追加している。
こうした細かいアイデアは、コックピット周辺の気流をコントロールするための小さな渦流を発生させ、リヤウイングに向かう気流を整えることに活用されている。
ウイリアムズはヘイローの形状に一工夫
ウイリアムズのヘイローにも同様のフィンがあるのが分かるが、ウイリアムズの場合ヘイローのフレームを覆うシュラウドも変更。前方部分のジオメトリーが調整され、迎角が大きくなっているという。
これによりヘイロー周辺の気流を整え、コックピット内側のエリアでのロスを上手くコントロール。リヤウイングとビームウイングへの気流が改善され、空力効率が向上するとチームは説明している。
ウイリアムズの車両パフォーマンス責任者であるデイブ・ロブソンは、今回の変更は全体から見れば比較的些細なものに思えるが、コックピットエリアはクルマの他の部分により良い気流を配分するという点では非常に重要だと語った。だからこそ、他のチームも同じ週末にコックピットに変更を加えたのは興味深いことだと彼は言う。
「重要なエリアだからね。今朝(FIA提出書類の)リストを見て、その偶然の一致に驚いたよ」
「でも我々の場合、2、3レース前にヘイローのシュラウドにフロービズを使って、気流の検証を行なった。それが気流を改善し、コックピットのロスを取り除き、マシン後部の適切な部分に流れるようにするきっかけになったんだ」
ロブソンは、チームがこのエリアのアップデートを行なうことには2つの重要な要素があると感じている。それは細かいディティールがより重要となってきていること、そして安価で迅速にアップデートできる利点があるということだ。
「これは漸進的かつ、必要な変化のひとつに過ぎない」
「そして、目に見える以上に効果的なモノであることを願っている」
「しかし比較的すぐに実行に移せるという側面もある。我々は新しいフロントウイングを日本に持ち込んだが、たくさんの仕事が必要だったし、大変だった。そして今は、次の空力アップデート・パッケージに取り組んでいるところなんだ」
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