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フォルクスワーゲン・コラード 英国版クラシック・ガイド VR6は当時のFF最速 後編

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フォルクスワーゲン・コラード 英国版クラシック・ガイド VR6は当時のFF最速 後編

4気筒スーチャーやNAのV6が人気

執筆:Malcolm Mckay(マルコム・マッケイ)

<span>【画像】フォルクスワーゲン・コラードと同時期のゴルフ 後継モデルとなったシロッコも 全50枚</span>

撮影:James Mann(ジェームズ・マン)

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ネオクラシックとして堅調な人気のフォルクスワーゲン・コラード。スーパーチャージャーで過給される4気筒のG60は、V6エンジンのVR6より燃費は悪いが、ユニットとしての個性は濃い。

チューニングで100ps以上の強化も難しくないものの、手を加えすぎるとエンジンの寿命を縮めることにもなりかねない。スーパーチャージャーは、リビルド費用も念頭においておきたいところ。

1.8Lの16Vと2.0Lの8Vは、現代基準でもパワーに不足はなく、信頼性も高い。2.0Lの16Vは、高回転域の味わいが魅力だ。

V型6気筒を搭載したVR6は、回転域を問わずパワーに余裕がある。タイミングチェーンやオイル交換など、基本的なメンテナンスを怠らなければ30万kmは問題なく使える。耐久性とのトレードオフでパワーアップも簡単だ。

4気筒エンジンではバルブガイドが摩耗し、青白い煙が排気ガスに混ざるケースがある。VR6はタイミングチェーンだが、ガイドとテンショナーは16万km毎に交換したい。過去のメンテナンスが怪しかったり異音が聞こえる場合は、早めの交換が安心。

車高は高めで、フェンダーアーチとタイヤ上端との隙間が広め。多くの例は、車高が落とされている。見た目は良くなるし、内容が正しければ、操縦性も高まる。乗り心地がひどく悪化している例も、多くはないだろう。

ダンパーからオイルが滲んでいるなら、要交換。折角の操縦性を台無しにしてしまう。ステアリングに遊びが多いなら、ラックの摩耗が原因かも。ブレーキはノーマルでもよく効く。キャリパーの固着や、ABSの警告灯が付くことは珍しくない。

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

フロントバンパー裏のバランスパネルやボンネット、インナーフェンダー、サイドシル付近などが錆びやすい。前後サスペンションのマウント部分やガラスの根本、ドアの底部、ジャッキポイント、燃料キャップの内側、スペアタイヤの下側なども観察したい。

クリア層が劣化し、再塗装が必要な場合もある。ヘッドライトとフォグライトの交換部品は珍しく、価格も高い。

インテリア

天井の内張りは、気泡のような膨らみが出たり、たるんでいることは珍しくない。ヒーターマトリックスが故障し、クーラントが漏れたり、フロアカーペットを湿らせることがある。

シートのサイドボルスターは擦れて破れやすい。レザーは破れにくい。ドアハンドルの動作が滑らかか確かめる。パーセルシェルフの状態もチェックポイント。

電気系統

サンルーフの動作確認は忘れずに。3代目ゴルフやパサートの部品を流用して直せる。整備工場に頼むと、意外と費用を取られる部分。

オートスポイラーは、ダッシュボードのスイッチで上下に動く。故障しやすい部分の1つなので、試乗時は確認をお忘れなく。

エンジン

一般的にフォルクスワーゲンのエンジンは高耐久。コラードのエンジンも例外ではない。定期的なメンテナンスと、タイミングチェーンやベルトの交換を忘れなければ、驚くほど長距離に耐える。チューニングで性能を求めすぎると、寿命を縮める。

4気筒エンジンはタイミングベルト交換で、9万6000km毎か6年毎の交換が推奨。V6エンジンはタイミングチェーンで、16万km毎となる。

スーパーチャージャー搭載車は、オイル管理が一層重要。怠ると不具合を招く。オイル漏れや排気ガスの白煙にも注意したい。インタークーラー・パイプ内にオイルが過度に溜まっている場合は、シールの摩耗が原因。

スーパーチャージャーのリビルドは、英国では350ポンド(5万円)以上は必要。

フォルクスワーゲン・コラードのまとめ

確かに、ローバー・ミニより手を焼くことは多い。修理には一定の技術が求められるし、一部の部品は入手が難しい。自宅で欠品部品を自作することも簡単ではない。

ネオクラシックとして乗って楽しみたいなら、ガレージに保管されてきたような状態の良い例を探すことが重要。入手後は、今まで以上の手間を掛けてあげて欲しい。

フォルクスワーゲン・コラードは基本的には信頼性が高く、すこぶる運転が楽しい。実用性にも優れ、所有する喜びは大きいはず。

良いトコロ

見た目は格好良く、走りも素晴らしい。多くのメカニズムはフォルクスワーゲン・グループのモデルと共有しているため、まだ部品は入手しやすく、妥当な価格で売られている。

良くないトコロ

外装系など、コラードだけの部品は入手が難しくなっている。価格も上昇中。維持が簡単とまではいえないだろう。

フォルクスワーゲン・コラード(1988~1995年/英国仕様)のスペック

英国価格:1万9895ポンド(VR6/1992年時)
生産台数:9万7521台
全長:4048mm
全幅:1674-1796mm
全高:1310-1318mm
最高速度:196-233km/h
0-97km/h加速:6.4~11.5秒
燃費:7.8-12.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1090-1240kg
パワートレイン:直列4気筒1781cc自然吸気/直列4気筒1984cc自然吸気/直列4気筒1781ccスーパーチャージャー/V型6気筒2781cc自然吸気/V型6気筒2861cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:114ps/5400rpm-192ps/5800rpm
最大トルク:16.4kg-m/4800rpm-24.9kg-m/4200rpm
ギアボックス:4速オートマティック/5速マニュアル

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