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ヤリスの長所も短所も「そのまま」 マツダ2 ハイブリッドへ英国試乗 2024年は5角形グリルに

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ヤリスの長所も短所も「そのまま」 マツダ2 ハイブリッドへ英国試乗 2024年は5角形グリルに

5角形グリルを得た2024年のヤリスの兄弟

マツダ2 ハイブリッドは、誰が見てもトヨタ・ヤリスに瓜二つだろう。これは、トヨタとマツダとのパートナーシップで生まれた、欧州市場向けの兄弟モデル。過去には北米市場向けに、マツダ2をヤリスとして販売していたこともある。

【画像】ヤリスの長所も短所も「そのまま」 マツダ2 ハイブリッド 競合のハッチバックと比較 全151枚

この協力関係により、比較的小規模なメーカーのマツダは、定評ある高度なハイブリッド技術を積むモデルを、ラインナップへ加えることが可能になった。トヨタも生産数を増やせ、ボリュームメリットが生まれる。

ただし、マツダらしさが宿るとはいいにくいだろう。2024年仕様としてアップデートを受けた最新版を、詳しく見ていこう。

2 ハイブリッドの登場は2023年で、当初の見た目の違いは前後のエンブレム程度だった。しかし、欧州マツダのデザイン部門を率いるジョー・ステヌイット氏のチームによって、2024年仕様はスタイリングへ手が加えられた。

マツダと呼べる容姿を求め、フロントマスクは一新。現在の同社に共通する、5角形のフロントグリルを得ている。リアバンパーも、専用品へ交換された。「これまで、ラインナップに合致していませんでした」。とステヌイットは認めている。

現行型のヤリスはスタイリッシュ。適度な違いを与えつつ、バランスは崩れておらず、仕上がりは高く評価できる。

とはいえ、製造ラインを共有することや、衝突テストの結果を受け継ぐうえで、大きな変更は難しい。トヨタの匂いが残ることは間違いない。ヘッドライトの目つきは、マツダのそれと大きく違う。

パワートレインや内装は基本的に同一

ボディサイズも基本的に同じ。全長は3940mm、全幅は1745mm、全高は1500mmとなる。ちなみに、ハイブリッドではないオリジナルの2は、順に4080mmと、1695mm、1495mmだ。

トリムグレードは、マツダ独自。低グレードでは15インチ・ホイールが標準で、中級グレード以上には16・17インチも用意される。

パワートレインは変わらず。トヨタの1.5L 3気筒ガソリンがフロントに載る前輪駆動で、電圧178Vの駆動用バッテリーが積まれ、2基の電気モーターが発電やエンジンのアシストに用いられる。

システム総合での最高出力は115ps。ヤリスには130ps版もあるが、マツダには提供されていない。

インテリアは、エンブレムを除いてヤリスのまま。コンパクトなサイズで、広々とした空間を実現したレイアウトを受け継いでいる。エアコンには実際に押せるハードスイッチが用意され、運転姿勢は適正。視界も広い。

内装には、傷の付きやすそうなプラスティックも多く、高級感が高いわけではないものの、このクラスでは珍しいことではない。簡単に折れたり外れたりしなさそうな、耐久性の高さは感じられる。

リアシートは、流石に身長180cmの大人には少々狭い。荷室容量は286Lで、クラストップの大きさではない。

低グレードの場合、メーターはアナログ。ダッシュボード中央には、9.0インチのインフォテインメント用タッチモニターが装備される。上級グレードのホムラでは、メーターパネルも7.0インチのモニター式になる。

追い越しも余裕な高効率のパワートレイン

最上グレードのホムラ・プラスでは、12.3インチのメーター用モニターに、10.5インチのセンター・タッチモニターへアップグレード。ヘッドアップ・ディスプレイと、開放的なパノラミック・ガラスルーフも追加される。

インフォテインメント・システムもトヨタ製。タッチ3と呼ばれるものだ。

下位グレードでも、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応。実際のところ、スマートフォン・アプリの方がナビは勝手が良い。運転支援システムも、道路標識認識機能や衝突被害軽減ブレーキなど、充分網羅する。

2 ハイブリッドの肝となるパワートレインは、可能な限りエンジンを止め、電気モーターで走行するよう調整されている。今回の試乗では、全体の走行時間の35%を電気だけで走れた。特に市街地では割合が高くなるようだ。

115psといえども充分活発で、ある程度計画的に操れば、追い越しも余裕。燃費は23.8-26.3km/Lと優秀で、メーカー平均でのCO2排出量を抑えるのに貢献するはず。もちろん、ユーザーもランニングコストを抑えられる。

他方、3気筒エンジンが高負荷時に大きめのノイズを放ち、ザラザラとした質感を伝える点もヤリスと共通。e-CVTも、頑張っている様子を隠さない。

都市部をリラックして運転するような環境が、2 ハイブリッドの得意分野。電気モーターが快活なダッシュを叶え、走行時も静かだ。

ドライブモードは3種類あるが、変化度は小さい。EVモードでは、充電量が不足するまでエンジンを回さず移動できる。

意外に運転を楽しめる ご本家が存在感を薄める

操縦性は、クラストップといえる本来の2には及ばない。それでも、荒れた路面でも強い衝撃は伝わらず、乗り心地は悪くない。短いホイールベースにも関わらず、落ち着きや安定感にも優れる。

軽めの車重を活かし、回頭性は鋭い。ステアリングホイールは軽すぎるかもしれないが、反応はニュートラル。直感的に進路を決めていける。積極的にカーブへ侵入しても不安感は小さく、意外に運転を楽しめる。

オリジナルの2ほどシャシーは優秀ではないが、ドライバーがモヤモヤすることもない。経済的なシティ・コンパクトとして、完成度は高いといえる。

2 ハイブリッドの英国価格は、2万4130ポンド(約456万円)から。ホムラ・プラスの場合、2万9230ポンド(約552万円)へ上昇する。ヤリスは、2万2630ポンド(約428万円)から選べるのだが。

また、トヨタは最長10年間か16万kmの保証を提供している。マツダは、3年間か9万6500kmと、見劣りする内容だ。優れた経済性で充分な訴求力を持つものの、ご本家が存在感を薄めることは事実だろう。

トヨタ感は消えないものの、ストロングポイントをしっかり受け継いだ2 ハイブリッド。高効率で実用的で、好感の持てるハッチバックであることは間違いない。動的な能力は低くなく、運転の楽しさも備わる。

Mのエンブレムにこだわるマツダ・ファンなら、検討に値する1台だといえる。

◯:高効率なパワートレインと優れたランニングコスト シャープな操縦性で運転を意外に楽しめる トヨタの技術力とマツダのデザインがバランス良く融合
△:より運転の楽しいライバルはある 同等のヤリスの方が基本的に安い

マツダ2 ハイブリッド1.5 ホムラ(英国仕様)のスペック

英国価格:2万7070ポンド(約512万円/試乗車)
全長:3940mm
全幅:1745mm
全高:1500mm
最高速度:175km/h
0-100km/h加速:9.7秒
燃費:23.8-26.3km/L
CO2排出量:87-98g/km
車両重量:−kg
パワートレイン:直列3気筒1490cc 自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:115ps(システム総合)
最大トルク:12.1kg-m/3600-4800rpm(システム総合)
ギアボックス:e-CVT(前輪駆動)

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みんなのコメント

6件
  • ぷるお
    どれがマツダ2?
    って写真を探してしまった
  • topgun
    カーナビは、いつも、北海道から、選択が始まるのが、パナソニックらしいと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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