現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > カローラクロス発売で激震? 元SUV王者C-HRの立ち位置と今後

ここから本文です

カローラクロス発売で激震? 元SUV王者C-HRの立ち位置と今後

掲載 更新 23
カローラクロス発売で激震? 元SUV王者C-HRの立ち位置と今後

 2016年にトヨタの世界戦略SUVとして登場したC-HR。2017年にはSUV販売台数ナンバーワンに輝き、プリウス・ノート・アクアに次いで、年間11万台以上を販売した超人気車だった。

 しかし、モデルライフはそろそろ5年を迎え、2019年10月のマイナーチェンジを最後に大きな改良はない。販売台数も2021年7月は月販1,369台と奮わず、ハリアー・RAV4・ライズ・ヤリスクロスといった、同門SUVに大きく溝を開けられている状況だ。

アイドリングストップ機構はコスト面でも操作性でもキャンセルが正解?

 9月14日にはカローラクロスの登場が予定されており、車格の近いC-HRは、ますます苦戦が強いられるだろう。今後、C-HRにはどのような立ち振る舞いが必要になってくるのだろうか。C-HRのこれからを解説していく。

文/佐々木亘 写真/池之平昌信、TOYOTA

【画像ギャラリー】未掲載多数あり!車格の近いC-HRとカローラクロスの内外装を比較!!

C-HRは新型カローラクロスに取って代わられるのか?

カローラクロス(全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mm/ホイールベース2640mm/価格帯199万9000円~319万9000円)

 2021年9月14日に発表される予定のカローラクロスとC-HRは、ボディスペックやパワートレインなど似た面が多い。

 ボディサイズはC-HRが、全長4385mm×全幅1795mm×全高1550mmで、ホイールベース2640mmとなる。対するカローラクロスは全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mmで、ホイールベースはC-HR同様2640mmだ。

 パワートレインはガソリンモデルの排気量こそ違うが、1.8Lハイブリッドエンジンを積み込むのは共通である。

 C-HRは238万2000円~314万5000円の価格レンジで、カローラクロスは199万9000円~319万9000円だ。カローラクロスが発表前であり、現車比較はできていないが、室内の広さを示す数値やラゲッジ容量などを比較すると、圧倒的にカローラクロスのほうが使いやすいクルマとなるだろう。

 C-HRは、後席空間の狭さや後方視界の悪さを指摘されるが、カローラクロスでは、こういった不満が出ないように、クルマを作り込んでいるはずだ。カローラクロスは、価格も低く抑えてありコスパも高いとなると、C-HRがお役御免となる日も遠くはないのかもしれない。

スポーツカー要素が強くコアなファンが多いC-HR

C-HR(全長4385mm×全幅1795mm×全高1550mm/ホイールベース2640mm/価格帯238万2000円~314万5000円)

 では、C-HRに生き残る術はないのだろうか。今一度、C-HRの魅力を考えていこう。

 先日、筆者の愛車(プリウス SツーリングセレクションG’s)が車検時期を迎え、ディーラーが代車として用意してくれたのが、たまたまC-HRだった。

 実は、筆者はSUVがあまり好きではない。独特の高い着座位置と、ピッチ&ロールの大きなボディ、ステアリングの入力から少し遅れてボディが動き出すなど、独特のフワッとした感覚や、座っていてタイヤの接地感を感じにくいのが苦手だ。

 ヤリスクロスやRAV4、レクサス NXに乗っていても、この違和感があり、SUV独特のものだと半ばあきらめていたが、今回C-HRを1日使用して、そのイメージが少し変わった。

 目線は高いが、体を沈められるシートで、サスペンションの動きがよくわかる。もちろんタイヤの接地感もシートやステアリングから感じ取れるし、ルーフが高すぎないから、セダンやステーションワゴンから乗り換えても、運転姿勢や空間に対する違和感が少ないだろう。

 用事があり150kmほど走ったが、運転時の疲労感も少ない。普段からG’s(現GR SPORT)の硬めの足に乗り、スポーティな動きに慣れた筆者でも、違和感の少ない乗り味だった。

 その中身は、「なんちゃって」ではなく、しっかりとしたスポーツカーを感じられるものだ。GR SPORTがラインナップされ、トランスミッションに6MTも準備されているのも、クルマ好きの心をくすぐるポイントなのではなかろうか。

共存するにはハリアーのようなブランド展開を強めるべし

C-HRは、他のSUVと違い、スポーツカーと似た乗り味を楽しむことが出来る。トヨタのスポーツカーとして生まれ変わることで確固たる地位を築けるクルマになるだろう

 C-HRのもつ魅力は大きい。ブランディングを間違わなければ、多くのファンが生まれる可能性があると筆者は考える。

 オールマイティに使えるコンパクト~ミドルサイズSUVというイメージは、カローラクロスやヤリスクロスにお任せする。高まるSUV人気を追い風にするのではなく、あえてその流れから外れてみる必要があるのではないだろうか。

 ハリアーを例にとると、初代から高級SUVというコンセプトを崩さず、現在ではハリアーという確固たるブランドを作り上げた。上質で優雅な、威風堂々たるイメージは、他車が立ち入る隙を見せない。ハリアーユーザーは、多くが代々ハリアーに乗り換え、高級ミニバンやセダンからの乗り換えも多いのだ。

 C-HRも2017年には約12万台、2018年は約8万台、2019年と2020年には合わせて8万台強を販売した。オーナー数は多く、その中にはSUVではなくC-HRが好きなほうも、たくさんいるだろう。

 近未来を感じるスタイリッシュなエクステリアデザイン。走り出せばスポーツカーさながらのキビキビとした乗り味が楽しめ、インテリアの質感も高い。幅広いSUVユーザーに求められる形ではなく、C-HRのファンやトヨタスポーツファンが喜ぶようなモデルチェンジを行えば、カローラクロスと共存する道も見えてくるはずだ。

 C-HRは、トヨタでいえばランクルやクラウン、ハリアーや86のように、カテゴリーに縛られず、個性を強く出していいクルマのひとつに入る。トヨタの長寿モデルに多い「C」を冠したクルマなのだから、1代限りで終わることなく、長く販売してほしい。

 SUVとして勝負するのではなく、トヨタのスポーツカーとして、確固たる地位を築けるクルマがC-HRだ。個人的にはスープラやGR 86のように、GRブランドが指揮を執るクルマに生まれ変わっても面白いと思う。

 約6年のモデルサイクルが多いトヨタで、C-HRは今年12月で丸5年となる。勝負の年となる2022年に、フルモデルチェンジの一報を聞きたい。

【画像ギャラリー】未掲載多数あり!車格の近いC-HRとカローラクロスの内外装を比較!!

こんな記事も読まれています

サンシェード選びがムズい人は必見!! ランクル70で体感!!! 最新4層の遮光性能が凄すぎるぞ
サンシェード選びがムズい人は必見!! ランクル70で体感!!! 最新4層の遮光性能が凄すぎるぞ
ベストカーWeb
日産が新型「小型セダン」発表! SRバッチ&リアスポイラー装着!? 精悍顔「ヴァーサ」に新グレード「SR」 ブラジルで発売
日産が新型「小型セダン」発表! SRバッチ&リアスポイラー装着!? 精悍顔「ヴァーサ」に新グレード「SR」 ブラジルで発売
くるまのニュース
洗車アイテムが無料で使い放題! 世界の洗車用品が集合するイベントがスーパーオートバックス大野城御笠川店で開催
洗車アイテムが無料で使い放題! 世界の洗車用品が集合するイベントがスーパーオートバックス大野城御笠川店で開催
月刊自家用車WEB
「はぁ…迷惑すぎ」やったもん勝ち? 右折入庫禁止を守らないと違反になるのか。
「はぁ…迷惑すぎ」やったもん勝ち? 右折入庫禁止を守らないと違反になるのか。
月刊自家用車WEB
[ウソでしょ!?]ハチロクの新車販売価格は?今では考えられない値段だった!?
[ウソでしょ!?]ハチロクの新車販売価格は?今では考えられない値段だった!?
月刊自家用車WEB
ヒロミが「前から欲しかった!」 全長5.3mも狭い道スイスイで“伊代”カンゲキ!? オレンジが眩しい「トライトン」納車を報告
ヒロミが「前から欲しかった!」 全長5.3mも狭い道スイスイで“伊代”カンゲキ!? オレンジが眩しい「トライトン」納車を報告
くるまのニュース
一生に一度は乗ってほしい!! 今新車で買える[2シータースポーツ]4選
一生に一度は乗ってほしい!! 今新車で買える[2シータースポーツ]4選
ベストカーWeb
カワサキ「Z e-1」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「Z e-1」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
カリーナED対抗のマツダ[ペルソナ]の悲哀! たった3年という短命に終わったペルソナは当時女性からどう思われていたのか?  
カリーナED対抗のマツダ[ペルソナ]の悲哀! たった3年という短命に終わったペルソナは当時女性からどう思われていたのか?  
ベストカーWeb
抜群の収納力とマルチなフラットスペースが便利! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
抜群の収納力とマルチなフラットスペースが便利! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
増殖する軽乗用車! 保有台数は80年代末の「13倍」、なんでこんなに人気なのか
増殖する軽乗用車! 保有台数は80年代末の「13倍」、なんでこんなに人気なのか
Merkmal
やっぱり[羽根つき]がスバルらしいぜ!! [WRX S4]に復活した[リアウイング]は実は3代続けての流用だったの!?
やっぱり[羽根つき]がスバルらしいぜ!! [WRX S4]に復活した[リアウイング]は実は3代続けての流用だったの!?
ベストカーWeb
広い! 便利! しかも雰囲気抜群! 天井まで木材が貼られたトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
広い! 便利! しかも雰囲気抜群! 天井まで木材が貼られたトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
信号待ちでふと気づいた! なんでクルマのフロントガラスには黒い点々が付いてるん?
信号待ちでふと気づいた! なんでクルマのフロントガラスには黒い点々が付いてるん?
ベストカーWeb
たしか最後のマークIIの兄弟よね? 不思議顔のヴェロッサって中途半端じゃない??
たしか最後のマークIIの兄弟よね? 不思議顔のヴェロッサって中途半端じゃない??
ベストカーWeb
GTWCアジア:ANR with VSRがジャパンカップ開幕戦のSUGOにスポット参戦へ
GTWCアジア:ANR with VSRがジャパンカップ開幕戦のSUGOにスポット参戦へ
AUTOSPORT web
ええ、カワイイのにターボだけ!? アルトCってただのミラジーノ対抗じゃない感がスゴい!!!!!!!
ええ、カワイイのにターボだけ!? アルトCってただのミラジーノ対抗じゃない感がスゴい!!!!!!!
ベストカーWeb
「ジャパンモビリティショー2024」開催決定 新しい事業つくるビジネスイベントに
「ジャパンモビリティショー2024」開催決定 新しい事業つくるビジネスイベントに
グーネット

みんなのコメント

23件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

239.2302.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

108.0418.0万円

中古車を検索
C-HRの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

239.2302.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

108.0418.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村