トヨタ自動車傘下のトヨタファイナンス(西利之社長、名古屋市西区)は23日、保険料が毎月変動する車両保険の取り扱いを新車販売店で開始すると発表した。保険会社が支払った保険金総額を加入契約者で〝割り勘〟する「ピア・ツー・ピア(P2P)」の仕組みを採用し、保険料は月額最大1500円、補償額は年間10万円までとする。車両保険でP2Pを採用するのは国内初。小損害事故の場合、等級ダウンを避けるため、車両保険を使わないケースが少なくない。新たな保険では等級を気にすることなく保険修理が可能となり、顧客の利便性向上につながるとみられる。
新商品「愛車プロテクト」は、損害保険ジャパン子会社のマイシュアランス(桐山正弘社長、東京都新宿区)が保険業者、トヨタファイナンスが保険代理店となり、トヨタの販売店が保険契約者となる。2023年8月から一部の販売会社で先行販売していたが、今夏から本格的に全国展開する。
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同保険は新車購入時が加入条件となり、保険期間は1年間で最長3年間まで更新可能。補償範囲は、盗難を除き一般的な車両保険と同等とする。保険料は前月の保険金支払い実績を契約加入者数で割ることで算出する。また、販売会社が保険料の一部、もしくは全額を負担できる仕組みを採り入れた。
マイシュアランスによると、車両保険事故の3分の1は、保険請求を放棄しているという。小損害車両事故時に自動車保険を利用すると3等級下がるため、等級を気にして自費で修理したり、修理そのものを諦めたりするケースが少なくない。トヨタファイナンスでは車両保険の免責金額を10万円に設定し、そこに愛車プロテクトを組み合わせることで、車両保険の保険料を抑えつつ、小損害事故が発生した場合も等級が維持できる利点があるとみている。
先行販売した6社では3月末までで1400件超の加入があり、月額保険料は1千円程度で推移しているという。ユーザーからはP2P方式による「保険料の安さ」に加えて「等級下げずに修理できる」点などの声が上がっている。販売店においても、自社扱いの自動車保険との組み合わせ提案による保険契約の拡大や小損害車両事故による修理入庫増にもつながっているという。
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