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【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・トランスポーター 平凡な走り 盛大なノイズ あくまでバン

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【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・トランスポーター 平凡な走り 盛大なノイズ あくまでバン

はじめに

新たな商用車に、スポーティなスタイリングで目を引くものが増えている。これは、バンやトレーラー、ピックアップトラックなどが、乗用車市場のトレンドに追従するのが必然だということを証明しているのかもしれない。

【画像】フォルクスワーゲン・トランスポーターとライバル 全16枚

しかし、今回のテスト対象は、なにかもっとおもしろいことが起きているのを示している。こうした機能性に特化した、激務に供される商用車の購買層のなかには、これまで以上に本気のパフォーマンスカー風バンを待ち望んでいるという声もあるだろう。それで価格が驚くほど上がることもいとわない、という声が。

トランスポーター・スポーツラインは、フォルクスワーゲンの中型バンの最上級バージョンだ。T6こと現行世代は2021年にマイナーチェンジを受け、T6.1と呼ばれるようになったが、その改良直後に追加されたのがこの仕様だ。

このモデルにおける変更点は、小ぶりなルーフスポイラーや、アグレッシブなルックスのフロントバンパーにとどまらない。ホイールは18インチのアルミで、パフォーマンス志向のタイヤを履く。足回りはローダウンしたスポーツサスペンションを装備し、室内にはハーフレザーのスポーツシートが奢られる。スポーティなコスメをちょっと追加した、だけではないのだ。

なにゆえ、2.1tのワンボックスに、そこそこ本気でホットハッチのような装いを与えたのか。それで、走りの訴求力を高めているのか。それとも、はぶりのよさを世間に触れ回りたい経営者のための、単なる見掛け倒しなのだろうか。

たとえどちらであっても、このクルマが最優先するべき実用性と機能性によからぬ影響を与えていては元も子もない。その辺りを確かめてみたいと思う。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

すでにトランスポーターのラインナップは、本来の用途における要求をすべて満たしているといっていい。そこに追加されたスポーツラインは、1列シートのパネルバンと、2列シートのクルーバンであるコンビに設定。前席は助手席がベンチシートとなる3座も用意され、コンビの後席シートは取り外しが可能だ。

エンジンは1機種で、204psの2.0L直4ツインターボディーゼル。英国向けトランスポーターの最上位ユニットで、性能面で他グレードとの違いはない。トランスミッションは、2ペダルの7速DCTのみが組み合わせられる。

ホイールベースは、3mのショートと3.4mのロングから選べるが、ルーフ高や積載重量はすべて同一。スポーツラインのベースはトランスポーターT32のシャシーで、最大積載量は1tほどとなる。

トランスポーターのラインナップは幅広く、用途に合わせてさまざまな仕様が選べるのが特徴だ。エントリーモデルはショートホイールベースのパネルバンで、3万ポンド(約465万円)以下で買える。エンジンは111psの2.0Lディーゼルで、前輪駆動だ。最大積載量は800kgで、荷室にはユーロ3パレットがふたつ積み込める。

テスト車は、204psの2.0Lディーゼルだが、すべてのユニットはフォルクスワーゲンのEA288型4気筒のバリエーション。このほか、フォルクスワーゲン系のチューナーであるアプト扱いで、EV仕様となるe−トランスポーターが販売されている。エンジンはフロント横置きで、前輪駆動をベースに、ハルデックス式4モーション4WDも設定される。

商用モデルで6座以上が必要なユーザーむけのトランスポーター・シャトル、より上質なピープルムーバーであるカラベル、キャンピングカー仕様のカリフォルニアもラインナップ。大柄なワンボックスに求められるニーズは、すべて揃っているといっていいだろう。

現行モデルで6世代を数えるトランスポーターだが、現代的なモノコックシャシーを採用したのは4代目から。T6と呼ばれる現行世代では、電動パワーステアリングを採用し、最新の運転支援システムを導入。サスペンションは四輪独立式で、前ストラット/後セミトレーリングアームにコイルスプリングを組み合わせる。

そのメカニズムゆえに、このクラスのバンとしてはパフォーマンスモデルのベースとして最有力候補といえる。たとえフォルクスワーゲンの手の入れ方が、きわめてライトなものだったとしてもだ。

スポーツラインのホイールは他グレードよりワイドなリムの18インチで、タイヤも幅が広く低扁平だ。アイバッハ製のスポーツスプリングを装着し、車校は30mmダウンしている。

ブレーキのアップグレードはなく、他グレードにオプション設定されるアダプティブダンパーは用意されない。トランスポーターに標準装備される、荷重感応式のパッシブダンパーがスポーツラインでも使用される。

テスト車は、最上級仕様のブラックエディションで、サイドとリアの着色ガラス、ブラック塗装のホイールとサイドシルバー、専用のデカールが装着されている。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

トランスポーターの中にあっては、スポーツラインはスポーティグレードかもしれないが、しょせんは商用バンにすぎない。ドアを閉めたときにやや音が反響するので、それを実感する。

乗り込んでみても、スポーティさを感じさせるのは、ハーフレザーに赤ステッチが入るシートくらい。それとて、クッションは短く、サイドサポートの張り出しはない。

もっとも、前方の視認性はすばらしく、配送ドライバー好みの高いドライビングポジションに慣れさえすれば快適だ。Aピラーにはアシストグリップがあるので、乗り込む際には便利だ。ドライバーがシートで身体を支えきれないようなコーナリングをしたときには、助手席の同乗者はこれにつかまって耐えることもできる。要は、エルゴノミクスについてはほかのグレードと同じくバンそのものということだ。

装備面では、革巻きステアリングやデジタルメーター、タッチ式8.0インチ画面のインフォテインメントシステムが標準装備され、ところどころが金属調トリムとなる。ダッシュボードは全体的に、引っ掻き傷のつきにくいハードなプラスティック素材。乗車スペースはカーペットが張られ、小物入れやドリンクホルダーがダッシュボード周辺やドアトリムに設けられている。

サイドドアは、二重ガラスの電動スライド式が標準仕様。コンビには後席が備わり、右側2席と左側1席に分割される。いずれも背もたれが前倒しでき、左側はサイドドアから荷室へアクセスしやすいよう前方へ跳ね上げることが可能だ。

この後席は取り外しもでき、ショートホイールベース仕様でも奥行き2.5mを超える広大な荷室が得られる。ただし、シートはかなり重く、取り外しも簡単ではない。なお、シートをつけたままでも荷室長は1.5m以上あり、シートの下を通して長尺物を積むこともできる。

荷室幅も、もっとも広い部分は1.5mを超え、フロアから天井までの高さも1mは優に上回る。SUVやミニバンより積載スペースははるかに大きく、重たい荷物でも固定できる金具も設置されている。

走り ★★★★★★☆☆☆☆

先に述べたとおり、スポーツラインといえども、2.0LのBiTDIユニットに特別なチューニングはなく、7速DCTも他グレードと同じものを使用する。スポーツエキゾーストなどの類も装備されない。このクルマにならスポーツモードくらいあってもいいと思えるが、それすら設定されていない。

公道上では、かなり元気に、またフレキシブルに走る。強烈に速いわけではないが、おそらくこの手の積載性を重視したクルマとしては期待を裏切らないはずだ。

テスト車は、0−1000m以内で160km/hを突破し、5速と6速までしか使わない0-1600mでも同じ速度に到達した。クルマが遅いせいで予定時刻に間に合わない、ということにはならないだろう。

とはいえ、0−97km/hは9.1秒かかり、速いコンパクトカーについて行くにはドライバーにかなりの努力が求められる。これは、どのバンでも同じように苦労するというわけではない。

ギアボックスは、乗用車用のDCTよりヘヴィデューティ仕様のユニットではないかと感じられる。走り出しは非常にゆったりとしていて、人が歩くくらいの速度を超えると、ドライブラインが第2ステージに入ってフル稼働するようなフィールだ。

重い荷物を積んで安定した発進をしたいときや、重量のあるトレーラーを牽引するときなら、そういう挙動が望ましいかもしれない。しかし、もっと急いでスタートするにはかなりエンジン回転を上げなくてはならず、前輪へのトルクデリバリーにややギクシャクした感じが出てしまう。

さもなくば、ギアボックスをマニュアルモードにして、左足でブレーキペダルを、右足でスロットルペダルを踏み込んで、電子制御のローンチコントロールモードを発動させるという手段もある。これを読んで、驚きを覚えた読者諸兄は少なくないだろう。われわれも、そんなことができると知って面食らったのだから。これによって、前輪への駆動力伝達の調整が改善される。ドライ路面なら、0−97km/hは8秒台後半まで短縮できそうだ。

トランスミッションは、ギア比が低く感じられ、いかにもバンのギアボックスといった印象だ。2速では50km/hに届かず、郊外に出ると多用するのは4速と5速だ。しかし、低回転から力強くトルクが出るので、荷物を積んで高いギアで走っても問題はないだろう。

ブレーキ性能テストでは、じつに優秀な成績を修めた。やや濡れた路面だったが、それでも113km/hから50m以下で完全に停止したのだ。とはいえ、ペダルの踏みはじめでやや唐突に効き、渋滞で停止と発進を繰り返す際には扱いにくいかもしれない。やはり、同じ価格帯の乗用車に遜色ない走りを求めると、バンでは厳しいと思わせる点もたしかにある。

使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

インフォテインメント

トランスポーターのインフォテインメントシステムは、前世代の乗用モデルに用いられていたタッチ式8.0インチ画面のディスカバー・メディアだ。最新のMIB IIにわれわれが問題点を見出していることを思えば、旧システムを使っているのも悪い話ではない。

機能性に不足はない。スマートフォンのミラーリングはワイヤレスで、USB−Cでモバイル機器の充電もでき、32GBのメディアストレージも備える。コネクテッドサービスは、フォルクスワーゲンのWe Connect Plus。これにより、オンラインでのメディアストリーミングが1年間無料で、以降は定額制となる。

音量調整用の実体ノブがないのは、ちょっと残念なところだが、それ以外の使い勝手は良好。ナビゲーションの目的地入力は、指先ひとつで簡単にできる。それに比べると音声入力のできは落ちるが、たいていは2~3回やり直せば認識してくれる。

オーディオのクオリティはすばらしいが、同じ価格帯に入るプレミアムブランドの乗用車には及ばない。後席では、その騒音レベルゆえにヘッドフォンや、後席専用のエンターテインメント装備がほしくなる。

燈火類

LEDヘッドライトは標準装備で、自動レベリング機能もつく。かなり明るく、ハイビームの照射範囲は十分広い。ロービームの高さもうまく設定されている。

ステアリングとペダル

バンのペダル配置は、ホイールハウスの干渉を受けがちだ。しかし、トランスポーターのレイアウトはそれほど悪くない。普通よりほんのちょっと左へオフセットしているだけだ。

操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆

運動性は貨物運搬用バンに一般的なチューニングで、ところどころチャレンジングなカントリーロードでペースを上げた際のボディコントロールはかなり一定していて、路面に食いつき腰のすわった走りを見せる。空荷の状態でのテストだったが、そういうときにはこうだろう、と期待するような安定ぶりだ。

しかし、背の高いボディを考えると、ハードなコーナリングも、ハンコック製スポーツタイヤのグリップもみごとなものだ。もっとも、道路が広く、路面が十分にスムースな場合には、という話だが。

スポーツラインがコーナーでみせるロールはかなり大きいが、重量を左右均等に配分し続けるのを妨げるほどではなく、驚いたことにずっとアンダーステアが出続けるものでもない。旋回はのっそりしているものの、コーナリングラインを決めるとそれをきっちりなぞってくれる。ただし、途中に大きめのバンプがあった場合は別だが。

フロントのグリップは、アペックスからそこそこの速さで出口へ向かっていけるくらいにはしっかりしている。目的地へ急いでいて、その過程でどのような走り方をするかは気にしないようなバンの運転手なら、トランスポーター・スポーツラインのグリップとトラクションやボディコントロールを、普通のバンよりややステップアップしたものに感じるのではないだろうか。

反対に、もしも普段から、2022年現在の平均的なパフォーマンスカーに乗り慣れていたらどうか。アジリティやシャシーバランス、ダンピングや機敏さ、操縦系のフィードバック、そして全般的な走りの熱中度のようなものの基準がそこだとしたら、ただのバンだとしか思えないだろう。

つまり、乗り心地が忙しなく、扱いにくいクルマに感じるはずだ。しかも、レスポンスに鋭さは皆無で、操縦系に生き生きしたところもまったく見いだせないはずだ。

というのも、トランスポーターのステアリングは背の高いボディを暴れさせず、積荷を崩れさせないように仕立てられているからだ。中立付近はスローで、非常に軽く、鼻先の向きを変える動きにホットなものは感じられない。

コーナーをひとつ抜ければ、十分速いコーナリングはできるが、とくに楽しさは感じられないことがわかるだろう。座面がロール軸よりかなり高いので、車体が少しでも傾くと身体に感じるし、シートは必要なときに身体を支えてくれるほどホールド性がないのだ。

快適性/静粛性 ★★★★☆☆☆☆☆☆

日頃からバルクヘッドで仕切られていないバンに乗り慣れているとしたら、トランスポーター・スポーツラインのノイジーな室内も気にならないだろう。

走っていると音が反響するのは、このサイズのバンでは避け難い問題だ。なにしろ、防振材の類は備わらず、広い室内には仕切りがないのだから、共鳴音が響くのはどうしようもない。そこにきて、硬いローダウンスプリングを装着すれば、ノイズは増幅されるばかりだ。

そのため、少なくとも乗用車レベルの洗練性に慣れた耳からすれば、スポーツラインの室内は防空壕でドラムソロを聞かされているようなものに思える。もっともうるさかった田舎の凸凹道では、後輪への突き上げがすべて耳でわかるほどだったし、床下に跳ね上がった小石や枝のひとつひとつまで数えられそうでもあった。

それより路面がいいところでは、舗装とタイヤが上げるロードノイズの唸りに、ドアミラーあたりからの風切り音がハモって、不安を掻き立てるほどではないまでも、とても無視できないレベルのノイズと化している。とくに、後席では間違いなく。

もはやそれは、バンベースのトラックの領域だ。もしも家族で長旅に出るための大型乗用車代わりに使おうと考えているなら、再考の余地が大いにある。

少なくとも運転席は、脚をサポートしてくれる高さにセットしてしまえば、長距離でも快適に過ごせる。両側にアームレストがあるのもありがたい。

購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆

ショートホイールベースのトランスポーター・スポーツラインの価格は5万4000ポンド(約837万円)からで、ロングホイールベースのコンビは6万ポンド(約930万円)に迫る。

ローダウンサスペンションやルーフスポイラーを追加した程度の仕様としては、なかなか大胆な値付けだと思うかもしれない。とはいえ、MS−RTのようなサードパーティー製のホットなバンであれば、もっと高額だ。トランスポーター・スポーツラインがメーカー純正モデルでこの価格ならば、まだ許容範囲内ではないだろうか。

燃費は、テスト中の平均値が11.3km/Lで、113km/h巡航では14km/L弱。がっかりするほど悪いわけではない。

スペック

レイアウト

トランスポーターは10年前、T4でモノコックへ転換した。最新のT6.1では、すべてのエンジンがフロントに横置きされ、パッケージングを最適化。駆動方式はFFと、ハルデックス式4モーション4WDを設定する。

パワーステアリングは電動式。サスペンションはフロントがストラット、リアは全車とも左右独立式だ。前後重量配分は62:38だった。

エンジン

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列4気筒1968ccツインターボチャージャー、ディーゼル
ブロック/ヘッド:鋳鉄/アルミニウム
ボア×ストローク:φ81.0×95.5mm
圧縮比:16.2:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:204ps/4000rpm
最大トルク:45.9kg-m/1400-2250rpm
エンジン許容回転数:4600rpm
馬力荷重比:98ps/t
トルク荷重比:22.3kg-m/t
エンジン比出力:103ps/L

ボディ/シャシー

全長:4904mm
ホイールベース:3000mm
オーバーハング(前):911mm
オーバーハング(後):993mm

全幅(ミラー除く):2300mm
全幅(両ドア開き):3730mm

全高:1990mm
全高(トランクリッド開き):2150mm

足元長さ(前席):最大1030mm
足元長さ(後席):最大810mm
座面~天井(前席):最大990mm
座面~天井(後席):1000mm

積載容量:−L

構造:スティールモノコック
車両重量:2068kg(公称値)/2108kg(実測値)
抗力係数:0.35
ホイール前・後:8.0Jx18
タイヤ前・後:255/45 ZR18 103Y
ハンコック・ヴェンタスS1エヴォ3
スペアタイヤ:なし(パンク修理剤)

変速機

形式:7速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.56/7.9
2速:2.53/10.9
3速:1.59/17.5
4速:0.94/29.6
5速:0.72/38.6
6速:0.69/47.5 
7速:0.52/62.9  
最終減速比:1~5速:4.65:1/6~7速・後退:3.95:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:11.3km/L
ツーリング:13.8km/L
動力性能計測時:6.6km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):10.7km/L
中速(郊外):13.9km/L
高速(高速道路):15.6km/L
超高速:12.8km/L
混合:13.3km/L

燃料タンク容量:70L
現実的な航続距離:793km
CO2排出量:199~213g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:セミトレーリングアーム/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:3.0回転
最小回転直径:11.9m

ブレーキ

前:308mm通気冷却式ディスク
後:294mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:手動、前席中央にレバー設置

静粛性

アイドリング:46dBA
全開時(4速):78dBA
48km/h走行時:66dBA
80km/h走行時:71dBA
113km/h走行時:74dBA

安全装備

ABS/ESC/HSA/衝突被害軽減ブレーキ/フロントアシスト+シティエマージェンシーブレーキ
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%

発進加速

テスト条件:湿潤路面・強風/気温8℃
0-30マイル/時(48km/h):3.1秒
0-40(64):4.6秒
0-50(80):6.6秒
0-60(97):9.1秒
0-70(113):12.0秒
0-80(129):15.8秒
0-90(145):20.6秒
0-100(161):27.1秒
0-402m発進加速:17.3秒(到達速度:133.1km/h)
0-1000m発進加速:31.3秒(到達速度:166.4km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
フォルクスワーゲン・グランドカリフォルニア600(2019年)
テスト条件:湿潤路面/気温9℃
0-30マイル/時(48km/h):5.2秒
0-40(64):8.0秒
0-50(80):11.4秒
0-60(97):15.8秒
0-70(113):21.9秒
0-80(129):31.4秒
0-90(145):49.3秒
0-100(161):−秒
0-402m発進加速:20.9秒(到達速度:109.9km/h)
0-1000m発進加速:38.2秒(到達速度:135.7km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):3.5秒(3速)/5.8秒(4速)

30-50(48-80):3.8秒(3速)/4.6秒(4速)/6.4秒(5速)

40-60(64-97):5.3秒(4速)/6.4秒(5速)/7.9秒(6速)/11.3秒(7速)

50-70(80-113):5.8秒(4速)/6.9秒(5速)/8.2秒(6速)/10.4秒(7速)

60-80(97-129):7.3秒(4速)/7.9秒(5速)/9.2秒(6速)/11.1秒(7速)

70-90(113-145):9.3秒(5速)/10.9秒(6速)/14.0秒(7速)

80-100(129-161):11.9秒(5速)/15.6秒(6速)

制動距離

テスト条件:湿潤路面・強風/気温8℃
30-0マイル/時(48km/h):9.0m
50-0マイル/時(64km/h):24.3m
70-0マイル/時(80km/h):47.1m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.94秒

ライバルの制動距離フォルクスワーゲン・グランドカリフォルニア600(2019年)
テスト条件:湿潤路面/気温9℃
30-0マイル/時(48km/h):13.4m
50-0マイル/時(64km/h):34.0m
70-0マイル/時(80km/h):66.8m

各ギアの最高速

1速:35.4km/h(4600rpm)
2速:49.9km/h(4600rpm)
3速:80.5km/h(4600rpm)
4速:136.8km/h(4600rpm)
5速:177.0km/h(4600rpm)
6速:202.8km/h(4271rpm)
7速:(公称値):202.8km/h(3223rpm)

7速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1790rpm/2046rpm

結論 ★★★★★★☆☆☆☆

オートカーのロードテストで商用車を取り扱う機会はきわめてレアだが、それでもやってみるのは、ほとんどの場合がなにか興味を抱かせるような非凡な部分を持つクルマだったときだ。

フォルクスワーゲン・トランスポーター・スポーツラインは、いかにもポテンシャルが高そうに見える。数年前にテストしたレンジャー・ラプターでフォードが成し遂げたことを、商用バンでやってくれるのではないかと期待させるものがあった。すなわち、ひとびとの興味を掻き立て、これまで見落としていたようなクルマのコンセプトに改めて目を向けさせるのではないかと思ったのだ。

バーサタイルで、広大なスペースを持ち、ハードに使い倒せるバンというのは、たしかにチャンピオンになってもおかしくない。しかし結果的に、このトランスポーターはその進むべき道を切り拓くことができなかった。

ルックスには惹かれるものがある。とはいえ、ダイナミクスの面ではほかのパネルバンと明確な差別化を図るだけのものを示せなかった。パフォーマンスはなまぬるいし、ハンドリングやロードホールディング、ボディコントロールはどれも、バンのセグメント水準をかろうじて上回る程度だ。

商品力を高めるような追加要素についても、やはり十分ではない。きわめて機能的だが全般的にはありふれたバンとは違うものを所有して走らせている、という気分が長く続くようなものではなかったのだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース荷重が掛かっている側のアクスルがバンプにヒットすると、空っぽのシリアルの箱の中にいるような気分になる。そして、ボディは共鳴音を響かせる。速度を上げると、コーンフレークの気分がもう少しよくわかるようになる。

イリヤ・バプラートボディコントロールとパフォーマンスはすばらしいとはいえないが、1t近い荷物を運んだり、荷物満載で屋根にカヤックまで載せて家族の休日を過ごすような用途を考えれば、まずまずじゃないだろうか。フル積載状態のバンは、飛ばすようなものではないのだから。

オプション追加のアドバイス

トランスポーターの本来の用途を考えれば、より価格の低いT32ハイラインBiTDI 4モーションのほうが適切な選択だろう。また、駐車スペースにそれほど余裕がなく、荷室の広さも極端に求めないのであれば、ショートホイールベースのスポーツラインというチョイスもありだ。

改善してほしいポイント

・価格に見合ったパワーとパフォーマンスがほしいところだ。
・後席の騒音はうるさすぎる。その対策を主としたリファインが求められる。
・前席シートのデザインは改良を。横方向のサポートは改善が必要だ。

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