トヨタ センチュリー(セダン) 「日本が誇る唯一無二のショーファーカー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

まるも 亜希子
まるも 亜希子(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
5
燃費
5
価格
5

日本が誇る唯一無二のショーファーカー

2023.6.19

年式
2018年6月〜モデル
総評
厳かで品格のあるエクステリアデザインと、足を伸ばしてゆったり座れる後席(助手席側)、その気になれば仕事をしながらでも移動できる装備の数々。パワートレーンにはハイブリッド専用のV8エンジン+モーターが搭載されて、まさに日本の高級車の伝統を受け継ぐ乗り味も健在の、唯一無二のクルマです。
満足している点
ショーファードリブンとして、長い時間安全に運転することが仕事となる人のことを考慮してか、コネクテッド機能が独特。単調な運転が続いていた時に、「運転中に失礼します。もしよろしければ、道路に関する雑学でもお聞かせしたいのですが、いかがでしょうか?」なんて感じで、ユーモアあふれる執事のように突然話しかけてくるのです。最初はギョッとしましたが、試しに「はい、お願いします」と答えて雑学を聞いてみると、「日本で一番大きい道路標識は畳◯畳分もある」だとか、思わずへぇ〜と前のめりになっちゃうネタが満載でした。これなら退屈しないで済みそうです。
不満な点
なんでも電動化されている装備の中で、なぜかリヤドアの窓のカーテンだけは手動。リヤウインドウは電動だったので、ここも電動だと、例えば後席の人が眠ってしまった時に、日差しが強そうなら運転席から閉めてあげたりできるのになぁと思ったのでした。あと、助手席側の後席にはリフレッシュシートというマッサージ機能があるのですが、コリがひどい私には優しすぎてあまり効いている感じがなかったので、もっとゴリゴリやってくれるといいなと思った次第です。
デザイン

4

日本を代表するショーファーカーとして、これ以上ないくらいのドンビシャなデザインだと思います。控えめながら格の高さを印象付けるメッキグリル、伝統を感じさせるテールランプ。天皇陛下がお乗りになってお似合いになるのかどうか、というポイントもしっかり満たしていると感じます。ただ、インテリアはもう少しモダンでもよかったのかなと。レザーインテリアは洗練されていますが、ファブリックはやや昔ながらの空間に感じてしまいました。
走行性能

5

5.0L V8エンジン+モーターのハイブリッドという、世にも珍しいパワートレーンを搭載したセンチュリーの走りは、走り出しからとにかくお上品な加速フィール。車重が2.3tほどもあるため鋭い加速という感じではなく、猫のようにそっと走り始める感覚ですが、速度がのってきてからはアクセルを踏み込むとドッカーンという波のようなパワーが押し寄せてくる、豪快な一面も味わえます。途中からはクルマというより、来る波を捕まえながら突き進むクルーザーのような感覚になってきたほどでした。でも、5.3m超えのボディの割には、もちろんフロントの長さには気を使うものの、交差点を曲がるのも駐車をするのも車幅感覚が掴みやすく、思ったほどには苦労しないところに驚きました。
乗り心地

5

気になる後席の乗り心地は、なんともいえない「懐かしさ」を感じました。路面への当たりがソフトで、凸凹を乗り越える時はグニャッとした感じで車体が動くのですが、そのあとすぐに収束して揺れが_引かない感覚。これは昔のクラウンみたいというか、タクシーみたいというか、子供のころから「ちょっと高級な日本車」に乗った時に感じてきたあの乗り心地そのものです。21年ぶりのフルモデルチェンジで進化しても、目指す路線は変わってない印象です。例えばロールス・ロイスやマイバッハのような欧州のショーファーカーだと、もう少しビシッとした硬さが前面に出た乗り心地なので、それとは違う日本車ならではの、柔らかさと安定感を両立させたような感覚があって嬉しくなりました。
積載性

5

トランク容量は484L。ガバッと大きな開口部で、家族3人分の2泊3日の荷物を積んでもまだ入る余裕がありました。ゴルフバッグなら4個、横積みできるとあって、接待などに使う時にも大活躍だと思います。
燃費

5

ハイブリッド専用となる5.0L V8エンジン+モーターの燃費は12.4km/L(WLTCモード)。実際に東京から岡山までの760kmを9割がた高速道路で走った実用燃費は、12.2km/Lとほぼカタログ通りという結果になりました。夏場でエアコンなどもずっと使っていた数値としては、優秀ではないでしょうか。ノーマル、エコ、スポーツ、スポーツプラスと4つの走行モードが選択できるので、シーンに合わせて最適なドライブが可能です。
価格

5

2018年に登場した際には2000万円を切っていた記憶がありますが、やはり価格アップして現在は2008万円。これが高いのか安いのかは庶民にはわかりませんが、例えばベントレー・フライングスパーなら2500万円程度が最低ライン。マイバッハなら2800万円程度からとなっているので、お買い得という考え方もありそうです。
まるも 亜希子
まるも 亜希子
自動車ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
トヨタ センチュリー(セダン) 新型・現行モデル

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