トヨタ bZ4X 「2022年式bZ4X感想文」のユーザーレビュー

ノイマイヤー ノイマイヤーさん

トヨタ bZ4X

グレード:Z_4WD 2022年式

乗車形式:レンタカー

評価

3

走行性能
4
乗り心地
2
燃費
4
デザイン
2
積載性
2
価格
2

2022年式bZ4X感想文

2022.6.16

総評
●BEVのハードルを下げる為の刺客

2022年5月、トヨタは純EV(トヨタ流表記ならBEV)のbZ4Xをリース、もしくはサブスクサービスであるKINTO扱いのみで発売した。

bZ4Xは「びーずぃーふぉーえっくす」と読むが、ものまね王座決定戦によく出ていた彼らとの関連性は皆無だ。公式サイトの解説ではbZ = Beyond Zero。 Zeroを超えた価値の創出を目指すという意味、4はミディアム車格を示し、最後の XはボディタイプとしてSUVを示すという。

今後、バリエーション展開が膨らむとCセグハッチバックの「bZ3C」やらラージMPVの「bZ5M」なんかが出るのかも知れない。

最近になってトヨタは顧客が望めばBEVを2030年までに30車種、販売は年350万台を実現できると記者発表をしているが、それまでのトヨタは次世代のパワーソースとして燃料電池に力を注いでいたため比較的BEVに冷淡であるという見方が一般的であった。BEVニーズが高い中国・米国・欧州への対応としてグローバル展開できるBEVの開発が求められていたが、トヨタと言えども1社でスピーディな開発は簡単では無く、スバル・スズキ・ダイハツと手を組んで企画開発を行う旨記者発表が行われている。(特にコンパクトBEVの開発でスズキとダイハツが協力して車を作るなんて10年前では考えられない事態だ)

協業による最初の成果としてbZ4Xは兄弟車のスバルソルテラと共に世の中に現れた。グローバル展開を見据えて今、最も売れ筋であるSUVが急がれることは至極当然の判断と言えるだろう。

乱暴に言えばbZ4XはRAV4(或いはフォレスター)のBEVである。しかしP/Fは一から企画されており、パッと見た感じだと設計的な血縁関係は無さそうに見える。

ボディサイズを比較した。全長と比べてホイールベースが長い。おそらくバッテリーの搭載スペースを優先したかったのだろう。エンジンコンパートメント(と言って良いのか分からないが)が小さくできるメリットもうまく活用したのだろう。



走らせると、蹴っ飛ばされるような加速度とMR-Sのような敏捷性はBEVの特別感を感じさせる。しかもバッテリー消費は、確かにBEVとしては実用レベルに値する航続距離を手に入れており素晴らしい。バッテリーは10年20万キロに亘り70%の容量保証付きだ。この辺りも地道な技術の積み重ねである。

性能面ではNV性能が期待値を下回っている。また実用車としてみれば、決して不便なクルマでは無いが優れているかと言えば残念だが凡作の部類である。

それはBEVゆえのバッテリー配置問題によるパッケージングの稚拙さや、いかにも現実的なドア周りの段差、部品見切りなど数あるトヨタ車の中の一つというレベルでありながら価格は650万円(前後モーターつき4WD)である。

bZ4Xを見ていると、他社のBEVが例えば給電ポートをフロントエンドに設けたり、ガルウィングドアを採用したり、スピードメーターを廃してセンタークラスターの大型ディスプレイで代用したり、電子ミラーを採用したり、見た人がハッとするような飛び道具は見当たらない。内外装が少し派手であること以外は極めて普通のトヨタ車である。

商品性としては350万円クラスのRAV4に多少のアクセサリーを追加したレベルのクルマが650万円だと言うなら、BEVはまだまだ高い。



国からの補助金とかリースやサブスクのみで、とかBEVの背中を押すような施策が必要な現状では今のICE(内燃機関)と肩を並べるレベルで普及するとは考えにくい。だからこそ先行する他社のBEVは商品として何かエッジの効いた特殊な特徴が与えられているのだろう。そういうゲタを履かせてあげないとまだ商品としての競合性が保てないのである。

もしかするとbZ4Xは私達庶民が持つBEVに対する幻想(エコでファンなハイテク満載の未来の乗り物なんだろうなぁ)を「BEVなんてこんなもんですよhahaha」などと言って打ち砕く存在なのかも知れない。BEVが求められているグローバル市場に向けた商品と言いながら、発電方法や電力供給網などを無視して逆上せあがって浮かれている世界中の人たちに向けた痛烈なブラックジョークをかましたんじゃないのか?とさえ思えてくる。

bZ4Xは残念ながらまだ荒削りで商品として皆に納得されるレベルには達していないと感じた。日産のような「もうウチはこれで行く…行くしかないんや!」という決意が感じられない。(だから日産はe-POWERですら電動感覚を大切にしている)

トヨタ自身もそれを分かってリース専用車にしたのでは無いだろうか。実際のトヨタはFCEVもHEVもPHEVもICE車もBEVも全方位で開発できる余力?があるのだから。私が2時間運転した限りでは我が家がファミリーカーをbZ4Xに買い換えようとは思えなかった。RAV4 PHEV+200万円では物足りない。商品レベルとして私が求めるならハリアーHEVの商品力が欲しいし、価格差も補助金で相殺可能なレベル程度は欲しい。しかしそれはまだまだ先のことかも知れない。

全体的なお薦め度は★3つ。BEVに楽しさを求めるなら他車の方が良さそう。日本で乗れるBEVの相対評価だと更に悪く映る。だったらこの時期に発売されるbZ4Xに何を求めたら良いのだろう。私にはあまり相応しいユーザーのイメージがわかない。
満足している点
1.動力性能
2.機敏な操安
3.航続距離
不満な点
1.価格650万円と商品力のバランス
2.パッケージ
3.期待外れの静粛性
デザイン

2

エクステリアデザイン
エクステリアデザインは一目見てbZ4Xだ!と分かるほど個性的である。やはりBEVまだまだ新しいパワーソースなので跳んだ感じが必要だったのだろう。



フロントマスクはEVらしくツルンとしたグリルレス風なのだが、ライセンスプレートの下に導風口が設けられている。冷却が必要なのだろう。ヘッドライトには外板色と同色のプレートが貼られて二重まぶたのように見せている。



横から見た方がbZ4XのBEVらしさが際立つのは例えばラジエーターが無いことからオーバーハングが短くフードが低い。特にSUVらしさを印象づけるホイールアーチモールが変形してフロントマスクに巻き付いたように見せているのでオーバーハングの短さが強調されている。フェンダーには充電リッドが置かれているが、右は一般充電、左は急速充電となっており、充電設備での駐車時に気を遣いそうだ。(一つしか無い自分の車の給油口ですら間違えることがあるのに普通充電と急速充電が左右で分かれているのは不便だと感じる。)
ボディサイズの制約も特にないのでデザイン的にはやりたいようにウネウネと面を捻ったり張り出させたりやりたい放題だ。Rrクオーターの張り出しは強烈だがもしかすると給油口が存在しないことでプレス成形性が助けられた結果かも知れない。リッドのヒンジがかじらないように配置することは非常に難しい作業なので比較的平面的なフェンダー部に移動してくれるのはデザイン的にはプラスであろう。



リアビューは最近のトヨタらしく一文字ランプとRrワイパーを思い切って廃止したバックドア側よりもCTR部が廃されたRrスポイラーが目新しい。おそらくサイドからの気流とルーフからの気流がぶつかって渦になることを防ぐ為の形状なのだろう。Rrワイパーが無いと言うことは雪や泥で汚れがちなSUVとして問題が無いのか気になるところだが、走るな!という作り手のメッセージであると理解した。

こうしてbZ4Xのエクステリアを見ていると2016年にあのスタイリングを実現していたC-HRは相当頑張っていたんじゃ無いかと気づかされる。

●インテリアデザイン



インテリアデザインも未来的である。小径ステアリングの奥にスピードメーターは無く、初代ラクティスのようにステアリング円周外にバイザーレスのメーターが配置される。しかも視線をメーターに誘導する為、両サイドに壁を立てている。運転中に遠くを見ているときに焦点が合いやすいようにステアリングから遠方にメーターが配置されているのは中年になってきた私にはちょっと嬉しい配慮だ。メーターのデザインは先進的なデザインと言うより、最低限の情報だけに絞ったシンプルなものだったのが意外だった。

ショーモデルではステアリングが異形形状だったが、日本の市販版は小径の真円形状になった。個人的にはこれでいいと思う。メーターにステアリングが被るという指摘も目にしたが私はステアリングコラムを下に調整していたので気にならなかった。

センタークラスターには大型の12.3吋ディスプレイオーディオ(ナビ付き)が置かれセンターコンソールはSAIや3代目プリウスや初代オーリスのような2階建て構造である。低く構えたインパネはファブリックが巻かれてハイテク感と言うより温かみや広々感や優しさを感じさせる。

ドラポジをとってみると小径ステアリングこそ独自性のあるデザインながら、目に入るレバー類からA/Cのトグルスイッチ、或いはシート、シートベルトのアジャスタブルアンカー調節機構までもが既存のトヨタ車で見たことのある部品なのだ。流用は決して悪では無い。確かにそうなのだが、bZ4Xのキャラクターを考えたときに一気に現実に引き戻されることは事実だ。



一旦現実に戻るとその後は悲惨だ。三角窓の部分に変な張り出し(ドアミラー取り付け部)があってドアトリムがごちゃごちゃしているし、ドアトリムとツイーターのカバーが連続した面なのにシボが全然合っていないなどデザインとしての詰めの甘さが気になってくる。ちょっとトヨタ車としては荒削りかなと言う印象がある。
走行性能

4

スマホを使って解錠し、充電プラグを抜いて乗り込んだ。ドラポジを合わせた後は普通のトヨタ車のようにブレーキを踏んで起動ボタンを長押しするだけで走り出す準備が出来る。



シフトレバーの代わりにダイヤル・ボタン併用式の電気シフトが置かれている。リング状のスイッチを押しながら回すことで前進後進とニュートラルが選べる。メーター同様にbZ4Xのインターフェース系はシンプルだ。

時間制限があるので急いで店舗を後にする。私のような内燃機関大好き人間と言えどもBEVにもいくつかの試乗経験がある。モーターの強烈な加速やエンジン音がしないことにも実は慣れてしまっているのだが、いわゆるEVフィーリングは当然ながら味わえる。



名古屋市の市街地を走らせるとボディサイズの大きさは目立たず、瞬発力を活かして思うように走らせる事が出来る。ステアリングがクイックで手首の動きに瞬時に反応する。瞬発力がある動力性能にふさわしいシャシーの敏捷性の高さである。

ロングホイールベースでありながら風吹裕矢のロータスヨーロッパのようにヒラヒラと操れる感覚は確かに面白い。もしかすると、BEVが持つ動力性能の良さに対応するためには操縦性を上げておかないとバランスが取れないのかも。

前方の駐車車両を素早く察知してレーンチェンジ、或いは左折車両のために減速した後の再加速などbZ4Xはストレス無く周囲の流れをリードした走りが可能だ。特に加減速フィールは優れているだけで無く前方の交通状況をクルマが察知して減速度を強めて回生量を増やしつつブレーキペダルへの踏み替え動作を減らすような動きを見せる。

他社のワンペダルという仕組みは時としてうっとうしい物だがbZ4Xは都合の良いときだけワンペダル風のメリットが得られる仕組みである。この様な挙動は「動きが予測できず気持ち悪い」という評価にも繋がり兼ねないし、私もそういう制御には否定的なのだがbZ4Xの制御は素直に便利だと思う。これはレーダークルコンの動きに普段から飼い慣らされているからでは無いかと自分では考えている。

都市部から郊外に抜ける自動車専用道路を走らせた。加速車線で息の長い加速を見せ、ジャンクションでのコーナリングも実に気持ちいい。ステアリングクイックなのでワンモーションでグイグイ曲がっていくのはbZ4Xならではの快感である。そして流れの速い高速道路では持ち前のロングホイールベースを活かしてリラックスできる直進性を誇る。

BEVの高速道路はツライというのは事実ではあるが、それでも過去に経験したBEVのように時々刻々と残り走行距離が減っていくという感覚は薄く、楽しみの為の加減速を謹んで淡々とコースティングするように流していればバッテリーの減りは気にならなかったが、高速道路の120km/h巡航を続けているとあっという間に電欠になるかも知れない。

今回の限られた試乗時間では、BEVらしい加減速の良さを味わい、市街地とは逆に高速ではゆったりとクルーズした。

運転感覚はSUVでありながら、同時に本格スポーツカーの様に俊敏で間違いなく未来感にあふれている。bZ4Xの一番良いところはここだ。
乗り心地

2

20吋タイヤを履き、指定空気圧260kPaという素性を考えれば何ら期待できる物は無いのが普通だ。期待せずに乗ったが、市街地では確かに堅めだ。車速が上がってきて高速行きになるとそれが安心感に変わる。ちょっとしたワインディングでも鋭い操縦性と相まって印象は無い。しかし、気になる部分がある。それは静粛性である。エンジンという騒音のカタマリから解き放たれたBEVゆえに
静かな走りができると期待を持ってしまうが、エンジンの音に隠されていた色んな音が聞こえてくる。

過去に試乗したミニキャブMievの場合、A/Cのコンプレッサーの振動がうるさいなどこれはBEVに共通する悩みどころだろう。

bZ4Xは650万円のSUVである。しかし結論から言えばRAV4と同等の印象しか持てない。つまり価格に見合っていない。市街地走行ではロードノイズやこもり音が聞こえてくる。確かに耳が痛くなるような耐えられないレベルでは無い。

しかし25km/hあたりから気になり始めて絶えず聞こえているのは洗練からは遠い。路面が悪ければ諦めもつくが、「これくらいなら」と思うような普通の路面でもゴーという音が聞こえてくるのでこbZ4XはNV性能は余り気にしていないのか。




50km/h位になるとタイヤ由来と思える高い音で「うわーん」と聞こえる騒音が気になる。車速を上げると気にならなくなってくるのでこれはタイヤの空洞共鳴ではないだろうか。名古屋市内だとコンクリート路面も多く、bZ4Xの動力性能や操縦性に魅せられつつも、思ったほど静粛じゃ無い、むしろ騒々しいクルマだという事にすぐに気づく。

この印象は高速域になると一層強まる。80km/hを超える頃にはキーンという高いモーターノイズが目立ち始める。そこに風切り音やロードノイズなどが聞こえ、それが比較的キャビンに侵入する。例えばプリウスPHVのドアガラスには中間膜を挟んだ二重ガラスで静粛性を高めているが、bZ4Xは普通のガラスだ。本来は電池を床下に締結してフロア剛性が高くなるなど有利な面もあると思うのだが。



ノイズ対策の甘さは例えばフードを開けてカウル部の遮音構造にも現われている。カウルルーバーのウェザーストリップ(W/S)と両サイドのW/Sの間が明らかにシール切れしていた。例えば先日試乗した日産オーラはカウルの部分はこれでもかとウレタンで隙間を埋めていたのだが。

同じようにRrドアを開けたときにもW/SとW/Sの間に隙間があってシール切れの状態であった。
実はbZ4Xにはこういう部分が多い。



W/Sというのは、元々泥や水を入れないことが主目的だが、シール性能が高まれば静粛性も上がる為、NV対策部品としての性格も持っている。NVを考えるならシール性の善し悪しが重要になってくる。

例えるなら、雨の中走行していて窓を少し開けた位では室内が水浸しになることはない。しかし、車外の音はよく入ってくる事は経験上、納得してもらえると思う。つまり、音は隙間をしっかりシールしないと入ってきてしまうということだ。

私は車の設計者じゃないのであくまでも推測だが、何となく部品と部品の間はバラツキを吸収したい、最悪でも当たらないように隙をとって設計したんじゃないかと疑ってしまう。一般的な部品ならそれで良いがNVのためのシール部品がそれでは困るし、普通の車と同じようにやっていたらBEVらしい静粛性は実現できないのでは無いか。
積載性

2

私が子供の頃、BEVは航続距離を稼ぐ為、巨大なバッテリーを積む必要があり、バンなどの商用車をベースにするしか無いとされていた。

それからウン十年が経ち、大人5人を乗せて500kmを超える航続距離を実現するBEVが市販され始めている。

bZ4Xは通常時410L、デッキ下合わせて460Lという荷室容量をもっている。駆動用バッテリーは床下に積み、インバーターなどの補記類はエンジンフード下に置き、駆動用モーターは小型化されて搭載されている。昔のBEVを知っている人ならbZ4Xから技術の進化を感じられるだろう。



一方でBEVが実績のあるICE車に対して、置き換わるような存在になるかどうかという時代になる為にはICE車に対して肩を並べるレベルに立たなければならない。

その意味ではbZ4Xはよく出来たICEに置き換わるほどのレベルまでは来ていない。収納面ではグローブボックスがない、ということも気になるが、そもそも人をうまく乗せられておらず、基本的なパッケージングが悪い事が気になる。



前席に座っている限りは、それこそRAV4と変わらないが、後席は大きく違う。ロングホイールベースを活かしてレッグスペースは広いものの、足を大きく前に投げ出すような着座姿勢となる。その分少しシートバックも寝ており、SUVで有りながら妙にセダン的なパッケージングである。これは床下にバッテリーを積んだしわ寄せがキャビンに及んだ結果だろう。床が高くなって体育座りの様になってしまうので足を前に出させるしか無いのだ。



この状況はICE車に対してスペース問題が残るbZ4X以外のBEVやFCEVでも見られ、外から見た感じでは普通に座れるように見せておきながら後席の足元だけ狭い車もある。

bZ4Xは足を前に出させてレッグスペースを確保している点は前述の他車より工夫を感じるがお世辞にもスペース効率が良いパッケージングとは言いがたい。せっかく最低地上高に余裕があるSUVルックであるにもかかわらず、ネガを消す為にロングホイールベースを無駄使いするようなパッケージングだからだ。

もっとも、ICE車の方も最近はボディサイズが大型化の一途を辿っているのに、搭載するデバイス(特に排気関係)が増えている事からクリーンで健康的なパッケージングを実現することが難しいのは変わらない。自分事に置き換えれば後席はCRSを取付けっぱなしの我が家のような使用状況なら問題にならない。
燃費

4

BEVで最も気になるスペックは航続距離ではないだろうか。今回試乗した20インチを履いた4WDの場合は487kmである。

4WDモデルのカタログ値の電費では148Wh/kmとされていて、これは1km走るのに148Wh電気を使います、という意味になる。

逆数をとると0.00676km/Whとなる。これで1Whあたり6.76m進むことが出来ると理解できる。

カタログ上の動力用主電池のスペックによると、96個積まれたLiイオン電池の総電力量は74.4kWh(74400Wh)とされているので、

74400Wh×0.00676km/Wh≒503kmと求められる。

一充電走行距離(WLTCモード)で487kmなので3.3%程誤差があるが、大体の相場観としてはこんなものだ。

さて、bZ4Xを借りてすぐ、航続距離は440kmを示していたが空調を使うと348kmまで落ち込んだ。この落ち込み方はかなり大きい。例えば10km/Lのガソリン車(燃料タンク44L)が有ったとしてそのクルマが空調を使えば、一気に7.9km/Lまで悪化したのと同規模となる。やはりBEVでは空調のマネジメントは重要になってくる。

bZ4Xはオールオート(ECO)ボタンが存在し、これを押すことで乗員の周囲だけを暖気で包んだり、シートヒーターやステアリングヒーターを自動調整して乗員の周囲を暖める。また、冷房時も自動調整して快適性を維持しつつ、電力消費を抑える工夫がある。

ところでbZ4Xのメーターにある電費計は走行中に6.1km/kWhという見慣れない単位を示していた。

kW(キロワット)は仕事量、つまり1000ワットの仕事を行える仕事率、或いは電力である。1Wは1秒間に1J(ジュール)の仕事をするという意味である。

kWhのhは1時間(アワー)を示すので、電池が1kWhの電力を発揮するような電力量で、クルマを6.1km走らせるという意味になる。

カタログ値の電費の単位とは逆数の関係になっていて、148Wh/kmというカタログ値を電費系の表現に換算すれば6.76km/kWhとなる。

なぜ単位を揃えないのかは素人の私には分からなかった。さて、bZ4Xを満充電するときのコストを見積もった。参考までに私が契約している電力会社だと従量料金が1kWhにつき25.51円であった。

総電力量は74.4kWhなので約1898円である。無理矢理ガソリン車の燃費に換算してみたい。

私が2時間試乗してみた結果、6.1km/kWhなので
満充電で走れる航続距離は453.84km。この走行に掛かる電気代は1898円である。レギュラーガソリンは166円/Lとすれば11.43Lに相当する。

453.84kmを11.43Lで走行するガソリン車の燃費は39.71km/L。こう考えると走行にかかるコストだけではBEVは経済的という見方も出来る。(その電力が石炭を燃やして・・・という事は一旦置いていく)

価格

2

価格は非常にシンプルだ。
FFが600万円で4WDが650万円。



他車種との横並びを見てみると、プレミアムブランドのAUDIは除くとしてそれ以外よりは高価である。



試乗してみた感想として車格としてはRAV4だと思うがフラッグシップのPHEVモデルと比較しても200万円近く高い。

インテリジェントパーキングアシストや大型ディスプレイオーディオの分もざっくり差し引いてもRAV4 PHEVより150万円は高い。この150万円がEV代(≒バッテリー代)と言うことなのだろう。

実際は国からの補助金が85万円、自治体の補助金(例:愛知県なら40万円)を足し合わせればRAV4 PHEV(こちらも、国:55万円+県:20万円の補助金有)との差額は縮む。何年も連続して15%の重加算税を払い続けている身からすると、新車を買うだけで補助金がもらえるというのも異世界の話のように感じてしまう。

bZ4Xのお金にまつわる話題でもっとも大きなトピックは、一般販売はされずにリース販売のみであるという点である。個人で購入したい場合は兄弟車であるスバルのソルテラを購入するか、サブスクと称した個人向けリースのKINTOを利用するしか無い。任意保険や諸費用込みで定額払いなのは人によっては魅力的かも知れない。
故障経験

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