トヨタ アルファードハイブリッド 「最大の魅力は快適性」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

最大の魅力は快適性

2022.6.21

年式

2015年1月〜モデル

総評

アルファードの広い室内は、国産ミニバンではトップレベル。その快適性を求めて選びたい1台だ。車両価格を考えるとコストパフォーマンスでハイブリッドを選ぶのは微妙なところだが、少しでも燃費をよくしたい人や、エンジンを止めたままスタートするスムーズさに魅力を感じたら積極的に選ぶ価値はある。

満足している点

ゆったりとして快適な室内。上質な装備。静粛性の高さとは発進のスムーズさ。そして優れた燃費。燃料代まで含めたコストパフォーマンスではガソリン車にかなわないので、それ以外のメリットをしっかりと考えて選ぶのが賢いセレクトだ。

不満な点

車両価格が高いこと。加えてアクセル操作に対する反応が鈍いという点でドライバビリティがガソリン車よりも劣るので、走る楽しさを味わいたい人には向かない。また、車体が大きいので狭い道を通ったり狭い駐車場を使う人は気を付けたほうがよさそうだ。

デザイン

4

賛否両論ある立派なフロントグリルはともかくとして、堂々とした佇まいながらエレガントなプロポーションは巧みなデザインだと思う。デビューから7年が経過した今なおデザインの古さを感じさせない。ハイブリッドだからと言ってガソリン車と大きな差別化はなく、エンブレムがブルーになること程度。

走行性能

3

動力性能をひとことでいえば「4気筒ガソリン車以上、6気筒ガソリン未満」。ガソリン車にはない、モーター走行時の滑らかな感覚は爽快だ。いっぽうで、いまとなっては古い世代のハイブリッドゆえに、アクセル操作に対するダイレクト感は薄いのがウィークポイント。ドライバビリティを求めるなら、音もレスポンスも気持ちよく、CVTではなくATによるリズミカルな変速が心地いいV6エンジン搭載車のほうがオススメ。

乗り心地

5

燃費と並んでハイブリッドモデルの魅力となるのが室内の快適性。アイドリングストップ機構作動中を除きガソリン車は停車中もエンジンがかかっているので、その音や振動が伝わってくる（シートを通じて細かい振動があり特に4気筒モデルは顕著）。しかし停車中は発進時は基本的にエンジンを止めるハイブリッドは、音や振動がなく快適。またエンジン始動も発進してからとなるので目立たないから耳障りではないのだ。だから乗員の快適性を求めるなら、ハイブリッドがイチオシ。

積載性

5

全長5mに迫るラージボディだけに積載性は国産ミニバン最大級。3列目を畳むことなく、最後部までスライドした状態で大型スーツケースを2個積めてしまう。3列目を畳むのはもちろんのこと、畳まなくてもシートスライドを活用して荷室奥行きを増やすことでよりたくさんの荷物を積むことができるのは便利。3列目のシート格納は左右跳ね上げ式だが、アシスト機構が付いているので格納／展開作業に力は不要。シートの動きに応じて足が自動的に折りたたまれたり、展開するのも機能的だ。積載性は、床下収納部の広さを除けばハイブリッドでも他パワートレインとの違いはない。

燃費

4

3タイプあるパワートレインの中で、いうまでもなくハイブリッドが最も燃費に優れる。WLTCモード値は14.8km/Lで、これは1Lのガソリンで走れる距離が直4ガソリン車やV6ガソリン車の約1.5倍に相当する。燃費重視でアルファードのパワートレインを選ぶのであれば、ハイブリッドが最高の選択となるのは明らかだ。

価格

3

ドライバビリティと並び、ハイブリッドのウィークポイントといえるのが価格。ハイブリッド車は全車とも4WDとはいえ、直4ガソリン車はもちろん、V6ガソリン車よりも車両価格が高い。だからいくら燃料代に優れるとはいっても、コストパフォーマンス的には微妙なところ。ハイブリッド車のアドバンテージである静かさや市街地走行における同乗者の快適性で選ぶのが、正しいアルファードハイブリッド選びなのかもしれない。