スズキ スイフト 「全世界で900万台を売り上げたベストセラー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
5
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
4
燃費
5
価格
5

全世界で900万台を売り上げたベストセラー

2024.2.28

年式
2023年12月〜モデル
総評
これ一台でマルチに使える、そういったクルマは世界中で販売台数を伸ばしているが、歴代のスイフトは、さらに走行性能の高さと実用燃費性能の高さで定評がある。日本だけでなく欧州での人気も高い。今回4代目だが、初代からの年間販売台数をグラフにするときれいな右肩上がりで、世界累計販売台数は900万台を数える。5代目はエンジンを4気筒から3気筒にして、そこにマイルドハイブリッドシステムを組み合わせて高効率化。5速MTモデルもある。
満足している点
ともかく扱いやすいことだが、こと走行性能においては世界中のクルマ好きをうならせるほどの高い完成度を誇る。徹底した軽量化は4代目でも踏襲され、1トン以下のグレードも豊富にそろう。フルタイム4WDもラインアップする。販売台数の上では10%程度となるこのクラスの4WDだが、生活圏によっては必需項目。よって実直なスズキはその領域もしっかりサポートする。運転支援技術もグレードアップし車線中央維持機能もスズキの登録車として初装備。
不満な点
不満点が本当に少ない。強いて挙げれば地味なところだったが、5代目となってスタイルを大きく変えイメージチェンジを図った。デザインの詳細は後述するが、画像と実車がこれほどまでにかけ離れているクルマもめずらしい。ともかくスタイリッシュだ。鉄壁のように思える4代目スイフトだが、トランスミッションであるCVTの特性に起因して、低〜中速域に唐突感が出る場面がある。乗り方次第で大分抑えられるものの、もう少し滑らかな制御になるとさらに良い。
デザイン

5

デザインは好みの問題といわれるが、販売台数を大きく左右することも事実だ。スイフトは初代と2代目でスマートでクリーンなデザインを採用。一転して3代目ではアグレッシブな顔つきを用いファンを増やした。5代目はボンネットフードの先端処理を、ボディ全体のキャラクターラインを連続させたことで、躍動感を高めつつ、低いシルエットをイメージさせることに成功した。画像では極端な前下がりに見えるが、実車はとてもまとまりがいい。リヤデザインも秀逸。
走行性能

3

平凡に思えるかもしれない。なにせ直列3気筒1.2Lエンジンはマイルドハイブリッドシステムを用いているとはいえ、エンジン単体では82PS/108N・mと控えめだからだ。しかし、実際の走行性能は十分に満足いくもの。郊外路を1時間たっぷり走らせて実感したのは、実用域のトルクに優れていること。だから登坂路に差しかかった場面でもじんわり踏み込めば失速どころか回転を保ったままCVTはレシオを移行して増速に転ずる。そのCVTも1.9kg軽くなった。
乗り心地

4

乗り心地の主な評価軸は快適性能とハンドリング性能だが、このバランスが絶妙だ。ちょっと乗っただけでは、身体が鉛直(いわゆる上下)方向に揺さぶられると感ずる。でもそれはボディ全体の動きを鉛直に集約させる、プラットフォームからサスペンションまでの統合的な制御によるもの。しかも振幅は一度で収まるから、結果としてフラットな乗り味が前席、後席の両方で味わえる。ボディサイズは小さいけれど安心して乗っていられる度合いはとても高い。
積載性

4

コンパクトカーだから5名乗車時の積載性はそれほど望めない。とはいえ、内装設計を変更することで、荷室の最大幅は3代目から15mm拡大した1155mmを確保した。また天地方向も5mmアップの875mm。大きな荷物の出し入れに関係するリヤゲートの開口部も拡げた。こちらは天地方向で25mm拡大し、同時に地面からリヤバンパーの上端までの位置を10mm下げている。わかりやすく積み込みやすくなった。横方向は15mm減ったが突起物が減らされた。
燃費

5

燃費数値にはあまり期待していなかった。マイルドハイブリッドシステムということもあるし、そもそもがパワー不足によりアクセル開度が大きくなることが予想されたからだ。でも実際はカタログ上のWLTC値とほぼ同じ数値を、ごく普通の乗り方をしただけで達成した。試乗したハイブリッドMXグレードのFFモデル(CVT)はWLTC値で24.5km/Lだが、筆者が1時間程度、郊外路(山谷あり)を試乗した際の値は23.1km/L。一人乗りだったが、十分な値。
価格

5

172万7000円〜と今回も200万円を割ってきた。これぞスズキの良心だ。ほしい装備の大部分があるから満足度も高いはず。コンパクトカーは扱いやすくて、燃費数値に優れていることが大切だが、じつはそれと同じくらい価格も重要な選択基準になる。しかもこの価格帯では、軽自動車のトップグレードとも肩を並べるから、競合する相手も多い。スズキのなかでは軽ユーザーがスイフトの登録車ユーザーになる第一歩にもなる。そうした分析結果からの値付けだろう。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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