スバル ソルテラ 「SUBARUのAWD魂をもつBEV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

3

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
4
価格
3

SUBARUのAWD魂をもつBEV

2022.11.28

年式
2022年5月〜モデル
総評
トヨタとSUBARUの協業第二弾として誕生したBEV。走行性能ではダンパーの減衰力違いによる乗り味変化はあるものの、バッテリー、モーター、インバーターのいわゆる三種の神器に関しては変化がない。協業初のBEVだから失敗は許されず、さらにいえば、bZシリーズとして「bZ3」としてセダン、「bZ Compact SUV」 として小型SUVなどが控えており、そのトップバッターとしての重責もある。だからこそ、bZシリーズに通ずる華があると、この先の展開がおもしろくなるように思う。
満足している点
筆者はソルテラ(とbZ4X)を普及型のBEVであると見ている。トヨタでいえばカローラのBEV、SUBARUではインプレッサのBEVといったところだ。特別なBEVではなかった印象だが、これこそソルテラとbZ4Xの最良ポイントだ。電費は良いが、驚くような加速力もない。デザインセンスは高いが、欧州BEVのような高い質感はあえてもたない。道具として扱いやすい、そんなBEVが2車の特徴だと感じた。また、2次バッテリーは信頼性を重視したというが、これについてはこの先の展開に注目したい。
不満な点
公道をロングラン試乗してみて痛感したのは、特別感が薄いことだった。筆者はこれは最良ポイントとして掲げたが、販売の面からするとアピール不足であることは否めない。インテリアもデザインセンスこそ洗練されているが、従来の延長上にあるHMIに留まり、配色やタッチにしても目新しさは少ない。視界にしてもステアリング越しのメーターは、一部が終始、ステアリングに覆われてしまい視認性が阻害される。せっかくのソーラールーフ装着車も生産可能上限に達していて、すでに選べない。
デザイン

4

トヨタとSUBARUの共同開発によって誕生したのがトヨタ「bZ4X」、SUBARU「ソルテラ」だ。2車では外観意匠が異なり、フロントマスク部分にシンプルなデザインを用いたbZ4Xに対し、ソルテラは六連星のCIマークと大型のヘキサゴングリルを用いた。BEV(電気自動車)であるソルテラは、奇をてらったデザインではなく、SUVの王道となる力強い面構成と前後フェンダーには黒色の樹脂フェンダーで安定感を造り込んだ。インテリアではステアリング越しに見るメーターをアクセントにしている。
走行性能

4

前輪のみのシングルモーターモデルと、前後ツインモーターのAWDモデルがある。シングルモーターモデルは150PS/266N・mの特性をもち、AWDは前後それぞれに同じ特性をもつモーター(80PS/169N・m)を備える。100km/hまでの加速性能は7.7秒(シングルモーターモデルは8.4秒)と公表。満充電一回あたりの走行可能距離はシングルモーターモデルが567km(18インチタイヤ)、AWDの18インチが542km、20インチが487kmだ。2次バッテリー容量は71.4kWh。
乗り心地

3

全体的に滑らかな乗り味が際立つ。いわゆる動的な質感はBEVであることから角がなく、初めてBEVに乗るユーザーでも快適だと感じるだろう。高速道路に入り、徐々にペースを上げる。グッとアクセルペダルを踏み込むが加速力はそれほど高まらない。アクセルひと踏みでガツンと加速するBEVが多いなか、bZ4Xは瞬間的な反応を示すものの、若干おとなしい印象だ。開発陣に伺うと、「日常走行での扱いやすさを主軸に走行性能を設定した」という。たしかに、気負うことなく運転できた。
積載性

3

リヤシートは6:4の分割可倒式で、倒すことでフラットなラゲッジルームが出現する。フロアは可変フロアボードにより深さの調整が可能。さらにBEV専用のプラットフォーム(車体の土台)を使っていることからサスペンションや補機類の張り出しも少なく積み込みやすい。ラゲッジルームの開口部分は最大幅で1050mm、高さは757mmあるのでかさばる荷物も積み込みやすい。ただ、ラゲッジフロアまでの高さはそれなりに高いので、積み下ろしの際には積荷を少々持ち上げる必要がある。
燃費

4

BEVなので電費になる。シングルモーターモデルがWLTC値で126Wh/kmなので7.94km/kWh、AWDの18インチが133Wh/kmなので約7.52km/kWh、20インチが148Wh/kmなので6.76km/kWhだ。急速充電にも対応するリチウムイオンバッテリーは、SOC換算で初期段階から70%の容量状態になるまで8年/160,000㎞の枠内であればSUBARUが保証する。公道で400㎞程度の試乗をこなしたが、急速充電(50kW)を使った場合の充電具合は終始安定していた。
価格

3

シングルモーターモデルが5,940,000円、ツインモーターのAWDモデルの18インチモデルが6,380,000円。これら2モデルをもってグレード名「ET-SS」を名乗る。ツインモーターのAWDモデルで20インチの「ET-HS」が6,820,000円だ。国と自治体の補助金は、ETHSの場合、東京都在住の場合、最大で1,300,000円が優遇される。CEV補助金については、ここしばらくは予算がついたことから安心して商談ができる。補助金を計算すればトップグレードでも事実上5,520,000円。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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