メルセデス・ベンツ CLSクラス (クーペ) 「クーペスタイルセダンのパイオニア」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
4
走行性能
4
乗り心地
5
積載性
5
燃費
3
価格
1

クーペスタイルセダンのパイオニア

2021.9.30

年式
2018年6月〜モデル
総評
2005年に初代モデルがデビューした時は遊び心がありすぎて「ベンツらしくないモデルだな」と思ったが、すぐに世間に受け入れられて「アウディA7スポーツバック」や「BMW 6シリーズグランクーペ」などのフォロワーも登場。その結果、流麗なクーペスタイルセダンもすっかり一般的になってしまった。実質的にEクラスとSクラスの中間という存在に魅力を感じて買うのもありだろう。
満足している点
セダンの枠にとらわれないチャレンジングなスタイリング。かつて80年代から90年代はじめにかけて日本で流行った4ドアハードトップとは異なり、後席居住性に問題はない。その理由は、全長が長いのでクーペスタイルとしても頭上空間はしっかり確保されているからだ。
不満な点
日本の道路環境で使うには車体が大きすぎること。そこさえ気にしなければ(値段の高さ以外に)ウィークポイントと思える部分は見当たらない。わがままを言えば、「Sクラス」などのように6気筒ディーゼルエンジンを積んでくれるとうれしい。4気筒よりもドライバビリティが高いからだ。
デザイン

4

ルーフからリヤウインドウにかけてを寝かせた「クーペスタイル」を流行らせた立役者。デザインが最大の見どころだ。2018年デビューで現行となる3世代目は、サメの顔っぽくも見えるフロントデザインを初めて採用し、これは後に登場したメルセデスのモデルに横展開されている。
走行性能

4

ボディサイズはSクラス並みに大きいが、プラットフォームのベースとなっているのは「Eクラス」。車体もしっかり作られていてハンドリングも良好だ。パワートレインは2.0Lの4気筒ディーゼルターボと3.0Lの直6ガソリンターボを用意するが、前者でも必要にして十分な実力。
乗り心地

5

上質なサルーンだけに乗り心地が悪かったら話にならない……とハードルを上げて評価しても、CLSも乗り心地は期待に応えてくれるものだ。ダンパーには減衰力調整機能が組み込まれ、コンフォートモードに入れると路面の凹凸をしなやかに吸収してくれる。
積載性

5

ラージサルーンだけに広いトランクを備えている。奥行きは後席を倒すことなく1mオーバーとたっぷり確保し、容量も490Lとセダンとしてはトップ水準。後席背もたれは4:2:4の3分割式で、それぞれ独立して倒して奥行きを拡大させることができる。
燃費

3

ガソリンとディーゼルで大きく印象が異なる。前者はWLTCモード燃費10.1km/L〜10.6km/Lで、ハイパワーエンジンとしては驚くべき高水準だが、今どきのクルマとしては誇れるほどでもない。いっぽうでディーゼルは16.5km/Lと高水準。燃料の軽油はハイオクガソリンに比べて単価が2割ほど安いのも魅力だ。
価格

1

メルセデス・ベンツのなかでも上級タイプだけに、ボトムグレードでも800万円台からとなかなかのプライスタグ。AMGモデルになれば1300万円をオーバーする。価格的には「Eクラス以上、Sクラス未満」となるが、Sクラスに匹敵する見栄えを考えればある意味コスパは高いといえるかもしれない。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
メルセデス・ベンツ CLSクラス (クーペ) 新型・現行モデル

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