マツダ MAZDA6 ワゴン 「第6世代マツダを代表するラージクラス」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
4
価格
3

第6世代マツダを代表するラージクラス

2022.1.17

年式
2019年8月〜モデル
総評
2012年登場のアテンザは2019年にマツダ6へと車名を変更。その間、何度も小変更を繰り返し熟成の域に達した。日本車でこうしたケースはめずらしいが、マツダは各モデルでこうした手法を通じて商品価値を高めた。マツダが起死回生を狙って開発した記念すべきモデルだ。
満足している点
CX-5と並び、日本市場にクリーンディーゼル(当時のポスト新長期規制対応車)を根付かせた1台であり、なおかつ走行性能も十分に満足のいくモデルに成長したことが最良点。ガソリン、ターボ、ディーゼルターボ、そして6速MTと選択肢を拡げてくれたことも大いに評価できる。
不満な点
SKYACTIV TECHNOLOGYをフルに使って具現化したが、時代とともに各技術が向上したこともあり、次なる基礎技術が欲しいところ。具体的には電動化の対応が遅れており、また、先進安全技術の分野でもアドバンテージが薄れつつある。2022年の第7世代ラージクラスに期待!
デザイン

4

現在もマツダのフラッグシップとしてセダンとステーションワゴンをラインアップ。全長はいずれも4800㎜を超えるが、ホイールベースはセダンの2830㎜に対してワゴンは2750㎜として走行性能と積載性能のバランスを図った。流麗なスタイルな後の競合車に大きな影響を与えた。
走行性能

5

2.2lディーゼルターボの実力をまざまざと見せつけたのが当時のアテンザ、現マツダ6だった。現在、2.0l2.5lのNA、2.5lのガソリンターボの4本構成だ。熟成が重ねられた2.0lディーゼルは痛快で頼もしい走り。FF/AWDともに6速ATと6速ATが選べる。2.5lターボ(6速ATのみ)は速さも身につけた。
乗り心地

4

度重なる小変更と年次改良によって後期モデルになるほど上質な乗り心地が堪能できる。とかくディーゼルモデルは補機類が多いため前輪荷重が大きくなりがちだが、しっかりとダンパーが働き大きな凹みにもしなやかに対応する。後席の乗り心地にも優れていて、多人数乗車でも車両挙動には大きな変動がない。ここも特徴だ。
積載性

4

セダン、ステーションワゴンとも収納スペースには事欠かない。セダンのトランクルームはヒンジがトランク内に張り出さないため、大きな荷物も積み込みやすい。ステーションワゴンのリヤシートは6:4分割可倒式。トノカバーはゲート連動方式なので煩わしさがない。
燃費

4

ディーゼルエンジンは巡行燃費に優れることで知られるが、じつはガソリンエンジンも良好だ。2.5lのNAエンジンでは気筒休止機構を用いて燃料消費を節約。研究車両で気筒休止のアリ/ナシを比較テストしたが、5%ほどアリの数値が伸びた。2.5lターボも巡行燃費に優れる。
価格

3

2.0lのセダン(FFモデル)なら289.3万円とリーズナブル。ワゴンでも同額だ。マツダの各モデルは競合他車よりも高いと思われているが、じつは装備内容で比較していくとマツダ各モデルは標準装備品の数が多く、そこを統一すると、低価格グレードではマツダが有利になる。マツダ6も同様の傾向がある。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
マツダ MAZDA6 ワゴン 新型・現行モデル

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