マツダ CX-3 「内外装のクオリティを高めた特別仕様車もラインアップ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

内外装のクオリティを高めた特別仕様車もラインアップ

2024.4.29

年式

2015年2月〜モデル

総評

マツダのコンパクトSUVとして2015年に登場。完成度の高いデザインのおかげで現在も古びた印象はないが、2023年9月の一部改良で細部のデザインをリニューアル。なかでも特別仕様車の「Vivid Monotone（ビビッドモノトーン）」はラジエターグリルを縁取るシグネチャーウイングにブラッククロームを初採用、光沢のあるクラッティング塗装の採用、専用18インチアルミホイールを装着するなど、一段とスポーティな仕上がりを見せている。1.8リッターのディーゼルターボエンジンも最高出力を116馬力から130馬力に高めたことで、一段と余裕のある走りが得られるようになった。

満足している点

スタイリングが色褪せず、現在でも高い商品力を維持していること。ガソリンエンジンは2021年の改良により2Lから1.5Lに変更されたことで経済性を向上、自動車税も安くなった。ボディサイズが手頃であり、機械式立体駐車場が使える全高もCX-3の美点だ。

不満な点

CX-3の上級グレード＆特別仕様車は、ひとつ上のCX-30と価格が被るのが気になるところ。CX-3のコンパクトさ、スタイリング、特別仕様車の内容に魅力を感じているのであれば迷わないだろうが、もう少し価格面での差別化を図ってもらいたかった。

デザイン

4

デザインに大幅な変更はないものの、ベーシックな「15Sツーリング」、「XDツーリング」でもホイールカラーやシートデザインを一新するなど、エレガントさやスタイリッシュさを進化させている。「15Sアーバンドレッサー」についても、これまでオプションだったブラックグロッシーパッケージを標準装備としている。ボディカラーではセラミックメタリックに代わり、エアログレーメタリックを新たに設定。特別仕様車だけではなく、既存のモデルにも進化が見られる。

走行性能

3

1.5Lガソリン車の動力性能は必要にして十分。普段使いにはこれで何の不満もない。1.8Lディーゼルターボは一部改良で最高出力を116馬力から130馬力に高めている。従来モデルでも力強い吹き上がりが得られたが、パワーアップを果たした新型はトルクフルな走りとともにアクセル操作に対するレスポンスを向上させている。

乗り心地

3

2018年の一部改良で足まわりが見直されて乗り心地を向上させている。それ以降は足まわりの見直しは行われていない。今回試乗した「アーバンドレッサー」には215/50R18 92Vサイズのタイヤが標準装着されている。それだけに路面によっては硬さを感じることもあり、もう少ししなやかさがあってもいいのではと思わされた。シートは小ぶりでも座り心地自体は良好だ。しっかりとした走りが得られるが、高速ではレーンをしっかりとキープする先進安全運転支援システムが欲しい。

積載性

3

ラゲッジルームには高さ調整式のフロアボードが備わり、最大で350Lの容量がある。フロアボードを高い位置にセットすることで、6:4分割機構のシートバックを倒した際にフラットなフロアが得られる。リヤゲート開口部面積はやや小さく、ゲート開口部下端が高いので重くかさばる荷物は積みにくい。

燃費

3

ガソリン車のWLTCモード燃費は17.0km/L。都内を主体に走行した際の実燃費は13.2km/Lだったが、高速走行ならば18km/L前後の経済性は期待できる。経済性の高さで選ぶならディーゼルターボだが、車両価格が割高になるのが玉にキズ。

価格

4

一部改良＆装備内容の充実化によって価格は上昇しているものの、売れ筋の15Sツーリングは230万円弱にとどまっている。降雪地域でなければFFでも十分だ。特別仕様車の「ビビッドモノトーン」、「アーバンドレッサー」は上質な内外装をアピールするものの、それなりに高価。1クラス上のCX-30がターゲットに入る価格帯だけに購入する際はしっかりと見比べて決めるべき。