レクサス NX 「世界市場で評価される上級SUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

世界市場で評価される上級SUV

2023.11.26

年式

2021年11月〜モデル

総評

初代は2014年に登場。2代目となり今やレクサスの中堅どころSUVに成長した。中堅といっても走行性能や装備の類いはレクサスの中でトップランクに位置する。日本の道路では上限に近いが、全長4660×全幅1865×全高1660mmとレクサスSUVの中では扱いやすいサイズに留まる。多彩なパワートレーンもセールスポイントだ。

満足している点

直列4気筒2.5L、同HV、2.4ターボ、2.5LのPHEVと、実に豊富なバリエーション。日本での普段使いとして事実上の上限サイズとなるNXだけに引き合いが強いが、同時に「幅広いパワートレーン＝車両価格にも幅がある」と認知されている。売れ筋は上級モデルだが、455万円〜という価格帯は装備、走りの面からも説得力が高い。

不満な点

ユーザーサイドに立てば、パワートレーンとして人気がある2.5L HVモデルの納期が長期化していることが不満。しかし、それ以外には大きな不満点がない。高額の価格帯であることには違いないが、競合他社を輸入車と考えた場合、装備内容はむしろNXが充実している。2023年3月の小変更では走行性能と先進安全技術をグレードアップ。

デザイン

4

画像で確認すると、ずんぐりむっくりとしたスタイルのように思える。しかし実車はかなりシャープだ。レクサスの目指すグローバル市場で際立つ存在になるという目的は達していると考える。インテリアにしても14インチの大型液晶パネルや、操作系を見直した各種スイッチ類など見た目を充実させながら、同時に機能性を考えた作り込みがなされた。

走行性能

4

トップグレードのPHEVはモーター特性をスポーツ寄りに振っている。市街地から高速道路までアクセルひと踏み目の力強さがある。一転、人気グレードのHVは軽快さをアピール。2.4Lターボはトルクにのせた重厚な走りっぷりが特徴。個人的なおすすめはボトムの2.5Lグレード（レギュラーガソリン）。専用ギヤ比の8速ATでスムースな走りが楽しめる。

乗り心地

3

未試乗ながら2023年3月の一部改良では走行性能を左右するボディ剛性を向上させ、サスペンション特性もそれに合わせて変更されている。電動パワステにも手が入っているようだ。筆者が試乗したのは2021年初期モデル。乗り味はしなやかだったが、ボディの動きが大きく、凹凸では上下動が大きかった。それが改善されているのであれば、期待大だ。

積載性

3

5名乗車時のラゲッジルーム容量は520Lとクラスの平均的な数値。後席を倒すと1411Lへと拡大する。テールゲートは自動開閉式で、後席は運転席側が6、助手席側が4の分割可倒式。最大幅が1387mmとクラスの平均値よりも大きく、さらに張り出しが最小限なので大きな荷物も積み込みやすかった。荷室高が若干低く450mmに留まる。

燃費

3

2.5HVがシリーズの上位数値でWLTC値は19.9〜22.2km/Lを記録。PHEVは19.6km/Lだがエンジンを停止させたEV航続距離は87kmと長い。二次バッテリーは総電力量18.1kWでホイールベース間に収めた。燃費数値での注目はボトムの2.5L。WLTC値で13.5〜14.4km/Lだが超ロングストローク型で実用燃費に優れる。

価格

3

2.5Lの455万円（FFモデル）〜同PHEVの753万5000円まで幅広い価格帯。2.4ターボはAWDのみで608万6000円。走行性能と装備、そして価格を考慮したおすすめは2.5L“version L”で駆動方式はAWD（579万6000円）。上位モデルと同じく緊急時操舵支援がアクティブ操舵機能付にグレードアップされるからだ。