レクサス LCハイブリッド 「日本に残したいクーペとコンバーチブル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
2
燃費
2
価格
3

日本に残したいクーペとコンバーチブル

2022.1.17

年式
2017年3月〜モデル
総評
SUVやミニバン、そしてコンパクトカーが全盛を極める市場にあって、クーペとコンバーチブルは日本車にとって特別な存在だ。販売台数の増加は望めないが、熟成を重ねて歴史に名を残す一台に育ってほしい。V型8気筒5.0lエンジンの咆哮は格別で、エコカーにはない高揚感が味わえる貴重な存在。コンバーチブルは風も巻き込みも少なく、快適だ。
満足している点
美ししいスタイルと佇まい、これに尽きる。走らせていても、駐車していても、見る者すべてがそう感じるはずだ。ドーピングされた競合車からすれば走行性能はおとなしく感じられるが、実際はかなり速い。ただ荒々しさがないので手の内感が高まり、同時にクルマとの一体感も向上する。日本発のスーパーカーという言葉がぴったりだ。
不満な点
ユーザーにとっての不満は少ないという。納得ずくで購入する場合がほとんどだからだろう。とはいえ、乗り心地はクーペ、コンバーチブルとももっと上質で滑らかな領域を目指して頂きたい。昨今では、ゴリゴリのスーパーカーでも電子制御ダンパーにより快適な乗り味を提供するからだ。
デザイン

5

流麗なデザインのクーペは、コンセプトモデル時代からの路線を踏襲し、市販化された美しいスタイルが魅力。そのクーペをベースにしたコンバーチブルは、トヨタ「スープラ」の製造でも知られるマグナ・シュタイヤー(オーストリア)製。開けた際の開放感のみならず、ソフトトップを閉じたスタイルも秀逸。まさしく日本車離れしたデザインだ。
走行性能

5

クーペはV型6気筒3.5lのHVと、V型8気筒5.0l。コンバーチブルは5.0lのみ。4速有段ギヤと組み合わせた3.5lのマルチステージ機構は低速域〜高速域までモーターアシストが力強い。一方、5.0lは迫力あり。排気音も力強く、オープン走行時は爽快かつ豪快だ。
乗り心地

3

2017年の初期モデルはハードな乗り味だった。現行モデルは低速域でのゴツゴツ感がなくなり悪路でのいなし能力も高まった。ソフトトップも同じような傾向だが、開口部が大きくなるため物理的に発生する応答遅れが乗り心地にも影響を与えたようだ。シャープな乗り味はクーペ。その路線を貫きながら、コンバーチブルはグランドツーリング的な乗り味だ。
積載性

2

このスタイルなのでそれほど望めるものではないが、クーペだけでなくソフトトップもトランクルームを備える。ゴルフバックなら1個積載できるようだが、深さがあまりないので大きな期待はできない。また、ボディそのものは大きいが収納部は多くない。大きな荷物は後席に載せることが前提だ。
燃費

2

3.5lHVと5.0l、ともに長距離走行する機会があったが、HVモデルでもそれほど伸びない。電動モーターのアシストはすべて走行性能の向上に当てている、そんな印象だ。具体的には3.5lHVが12㎞/l程度であるところ、5.0lでは5㎞/l台。良いことに越したことはないが、このクルマに燃費性能を求めるのは違うようだ。
価格

3

1300万円以上するクーペ、1500万円に手が届きそうなコンバーチブル。ともに高額モデルだが、輸入競合モデルと比較すれまだリーズナブル。また、価格以上の満足度が得られるのもLCの魅力だ。走行性能だけでなく、車内外各部の操作系はタッチが上質で、素材も選び抜かれたものばかり。ボディカラーも豊富だ。その意味では高くはないのかも。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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