ホンダ ヴェゼル 「総合力の高さが光るコンパクトSUV」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

瓜生洋明
瓜生洋明(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
3
走行性能
4
乗り心地
3
積載性
3
燃費
4
価格
3

総合力の高さが光るコンパクトSUV

2024.2.29

年式
2021年4月〜モデル
総評
コンパクトSUVのベストセラーモデルであった先代ヴェゼルの魅力を受け継ぎつつ、洗練された内外装のデザインや爽快感の増した走りが加わるなど、さらに総合力の増した1台となった。にもかかわらず、先代ほど売れている印象がないのは、発売のタイミングがコロナ禍と重なったため、思うように生産することができなかったことが大きく関係している。逆に言えば、ヴェゼルそのものに大きな欠点があるというわけではないため、納期が改善された現在では積極的におすすめしたいモデルのひとつだ。
満足している点
スタイリッシュなエクステリアデザインと質感の高い内装、爽快な走り、広い室内空間など、このクラスのモデルとしては非常に総合力の高い1台。良くも悪くもトガったところがないのが特徴であるが、その分、多くの人におすすめできるモデルであると言えそうだ。
不満な点
総合力に優れたモデルであるため、大きな欠点はない。強いて言えば、グレードの選択肢が少ないことはユーザーにとってネガティブに映るポイントかもしれない。
デザイン

3

どちらかと言えば丸みを帯びていた先代に対し、現行モデルではよりスタイリッシュなデザインへと生まれ変わった。多くのSUVでは、Cピラーを極力垂直にすることで十分な室内空間を確保しているが、ヴェゼルのCピラーはクーペのように傾斜している。それによって洗練されたシルエットを演出しているわけだが、それでもクラストップレベルの室内空間を持っているのは、ホンダの独自技術である「センタータンクレイアウト」の賜物と言えるだろう。ただタイヤの幅が細いために、特に後ろからのシルエットが頼りなく見えることや、リアドアのノブがデザインを優先した結果「ヒドゥンタイプ」となっているのは、好みの分かれるところと言えそうだ。
走行性能

4

「e:HEV」による爽快感あふれる走りは、ヴェゼルの大きな魅力だ。ヴェゼルにはガソリンエンジン車もラインナップされているが、コストを最重要視するようなケースでなければ、基本的にはハイブリッド車をおすすめしたい。先代と比べると、車重が増えた代わりにパワーもアップしているため、より地に足のついたしっかりとした走りになったという印象だ。ちなみに走行モードの選択が可能であるが、それほど大きな変化を見せるわけではない。ちょっとした気分転換程度のものと考えておいたほうがよいだろう。
乗り心地

3

特筆すべきは、サスペンションのセッティングが絶妙であるという点だ。これにより、どんな速度域でも安定した走りを見せてくれる。また、クラストップレベルの室内空間を持っていることも、乗り心地の良さに大きく貢献していると言えるだろう。ただ、静粛性という面で課題が残るのも事実だ。特に高速走行時では、パワートレインにかかわらずエンジン音や風切音がそれなりに室内に入り込んでくる。そういう意味でも、都市型のSUVであると言えるかもしれない。
積載性

3

「センタータンクレイアウト」の採用により、荷室容量もクラストップレベルとなっている。もちろん、コンパクトSUVではあるため過度の期待は禁物であるが、日常的な利用に限って言えば荷室容量が問題となることはないだろう。また開口部も広く、荷室の形状もきれいであるため、荷室全体をしっかりと使えることもうれしいポイントだ。強いて言えば、リアウィンドウの傾斜がかなり強いため、高さのあるものを搭載する際には若干の工夫が必要かもしれない。
燃費

4

ハイブリッド車、ガソリン車ともに燃費性能は必要十分と言えるだろう。ただホンダの場合、基本的には爽快な走りに重きを置いているため、走り方によっては実燃費が大きく前後する可能性も高い。また、EVのみで走行できる距離も非常に短いため、ちょっとした移動でもガソリンはしっかりと消費する。加えて、ほかのホンダ車同様「ECON」と呼ばれるエコモードを使っても、燃費性能が劇的に改善するわけではない。とはいえ、基本的な燃費性能は高いため、クルマの特徴をしっかりとつかめば、十分な実燃費を得ることができるだろう。
価格

3

ハイブリッド車に対して基本的な装備を設定していくと、その乗り出し価格は300万円をゆうに超える。コンパクトSUVとしてはやや割高のようにも思えるが、機能や装備のバランスを考えると決して高いとは言えない。ただ、ヴェゼルはこのクラスとしては最もおすすめしたいモデルのひとつではあるものの、ほかのクラスにまで視野を広げると、同じ予算でより上級のモデルを狙えてしまうのも事実だ。もちろん、駐車場の制限などでコンパクトSUVしか選べないのであれば、ヴェゼルは第一の選択肢になりうることは間違いない。
瓜生洋明
瓜生洋明
自動車ジャーナリスト
1987年生まれ。大手IT企業や外資系出版社を経て2017年に株式会社ピーコックブルーを創業。現在では平均年齢25歳のメンバーとともに毎月300本超の記事を配信している。愛車のボディカラーを社名にするほどのエンスージアストだが、新しいテクノロジーへの関心も強く、最新モデルは常にチェックしている。
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