ホンダ NSX 「自動車史に名を残すスーパースポーツ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
3
走行性能
5
乗り心地
3
積載性
2
燃費
3
価格
4

自動車史に名を残すスーパースポーツ

2022.1.17

年式
2017年2月〜モデル
総評
ついに、ホンダのスーパースポーツも幕を閉じる。2021年4月に社長に就任した三部氏は「違う形で具現化する」としているが、再び消滅するとなると残念だ。また、NSX本体もそうだが、搭載技術であるSH-AWDが消えることも寂しい。NSXの逆レイアウトともいえるレジェンドも消滅。1/2/3モーターで培ったハイブリッド技術は永遠だ。
満足している点
ホンダのスーパースポーツ論と、同じくホンダが培ってきた3モーターシステムであるSH-AWD技術の融合、これこそがNSX最大のポイントだ。速さもそうだが、その佇まいも素晴らしい。登場当初から評判の良かった初代に対して2代目の外観はあまり受け入れられなかったようだが、今となっては立派なアイデンティティとして認められている。
不満な点
一言、インテリアデザインが平凡であること。見た目には各部が整えられていて使いやすい部分もあるのだが、たとえばドアミラーの鏡面調整スイッチは軽自動車にも使われている部品と形状が同じ。カーナビにしても画面サイズは小さく、表示されるコンテンツも一般的だ。せめてコネクト技術を駆使して新しい要素があればユーザー評価も高まっただろう。
デザイン

3

2016年に登場した2代目NSXは、26年ぶりのフルモデルチェンジとして迎えられた。カミソリ的にシャープな初代から一転、北米市場をメインターゲットにされたことからボリュームあるデザインへと生まれ変わった。押し出しのある外観だがインテリアは大味。細部にはホンダ各車に使われているパーツも見受けられるなどフラッグシップスポーツらしさが薄い。
走行性能

5

ホンダオブアメリカで製造される2代目だが9速DCTとツインモーターは日本( 浜松工場)で生産。V型6気筒3.5Lツインターボ(529PS/61.2kgf・m)に48PSのモーターを組み合わせ、前輪の左右に37PSのモーターを用いた3モーター「SHーAWD」を構成。猛烈に速いが荒々しくなく、前輪左右独立駆動のミッドシップは異次元コーナリングを披露。
乗り心地

3

乗り心地を語るクルマではないが、これだけのパフォーマンスをもちながらクルマに急かされることはなく終始リラックスした運転ができる。精度の高いサスペンション、高剛性を誇るボディとステアリング機構によって、身体や掌に伝わる振動は雑味がなく、路面からの衝撃も一度できれいに減衰。シートも秀逸で長身から痩身まで体幹をしっかりと支えてくれる。
積載性

2

走るためだけに生まれたクルマながら実用性も考えられた。ただ、荷物を積むためのスペースは最小限。基本は助手席に手荷物を置く程度と考えるべきだ。ちなみに、アメリカでも積載能力はあまり問題になっていないという。NSXはマルチな性能をもったスポーツカーだが、これ1台ですべての移動をこなす人々はおらず、セカンドカーでその用を足すからだ。
燃費

3

最終型のタイプSはWLTC値で10.6km/L。燃費数値で優劣が決まるカテゴリーではないが、この御時世、無視もできない。燃料タンクは59Lだから実用的な後続可能距離は400km/L程度。WLTCーMの郊外モードでは12.1km/Lまで伸びる。とはいえNSXの場合、ハイブリッドシステムはあくまでも走行性能を向上させることが第1の搭載目的だった。
価格

4

"27,940,000円。これが最終型タイプSの価格だ。よく日本車、とりわけホンダ車が高くなったと言われる。事実、1990年発売の初代の価格は8,000,000円だから否定はできない。ただ、スポーツカーは時代の最先端技術を集約した工芸品でもあり、その意味で、最終型のこの価格は想定ユーザーからすれば高くはないと思われる。"
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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