ホンダ シビックタイプR 「赤バッジ30年目に登場したピュアスポーツモデル」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
4
燃費
5
価格
5

赤バッジ30年目に登場したピュアスポーツモデル

2022.11.28

年式
2022年9月〜モデル
総評
1972年のシビック生誕から50周年、そして1992年の初代タイプRであるNSXタイプRの誕生から30周年にあたる2022年に誕生したのがFL5型シビックタイプRだ。歴代のタイプRのなかでもっとも美しく、そして上品で速いピュアスポーツモデル。初代NSXのキャッチフレーズである「解放するスポーツ」をそのまま現代に蘇らせたのが、FL型シビックタイプRだ。コロナ禍の影響から、手放しで喜べない状況が続くなか、人に夢と希望を与えてくれるホンダのレッドバッジは、この先、語り継がれるだろう。
満足している点
サーキットで全開走行してわかったことは、安心してスポーツ走行に臨めるセッティングだ。単にサーキットでタイムを争うだけのモデルであれば、もっとカリカリのチューニングにスリリングなサス設定であったほうが喜ばれる。しかし今回のタイプRは違う。ナンバープレートをつけ、公道でも走る喜びを実感するために作られたピュアスポーツモデルだ。ゆっくりと走らせている際の燃費数値は、標準モデルの1.5Lターボと遜色ない。高いスポーツ性能と実用性能の両立こそシビックタイプRの最良ポイントだ。
不満な点
正直なところ、シビックタイプRの気になる点が見つからなかった。サーキット、市街地、ワインディングといろんなシーンで乗り込み、ウィークポイントを探してみたものの、コレといって気になる点がない。強いて挙げるとするならば、265/30ZR19にはじまる専用パーツのランニングコストだが、これはどんなスポーツモデルであっても、メンテナンス費用として掛かるもの。一方、気をつけたいのは車両の盗難だ。歴代タイプR同様に、駐車環境にはしっかりとした場所を選び、盗難防止装置も万全にしたい。
デザイン

5

11代目シビックを初めて目にした際、顔付きや目尻がシャープで、リヤスタイルも引き締まっていると感じた一方で、ボディの長さを感じさせるデザインだと思った。そこから一点、タイプRは標準モデルのシビックから全幅を大きく広げ、1890mmを誇示する。前後に大きく張り出したフェンダーと四隅に張り出したタイヤの存在感は絶大だ。大きなリヤスポイラーは見た目の迫力だけでなく効果も大きくで200km/h走行時に60kg近いダウンフォースを単体で生み出す。
走行性能

5

直列4気筒2.0L直噴VTECターボエンジンは最高出力330PS/6500回転、最大トルク42.8kgf・m/2600〜4000回転を発揮する。専用クロスレシオの6速MTとの組み合わせのみだ。筆者は、鈴鹿サーキットとオートポリスサーキットで全開走行する機会を得たが、いずれのサーキットでもパワフルかつ、柔軟なエンジン特性を実感。市街地走行では図太い中速トルクと、最良タッチの6速MTによりタイプR史上、最強で、かつ最高に乗りやすいモデルになったことが確認できた。
乗り心地

5

アダプティブ・ダンパー・システムをコンフォートモードにすると、市街地の凹凸も気にならないレベルにまでしっかりと減衰力を落とし対応する。265/30ZR19サイズの極太タイヤを装着するが、サスペンションの取り付け剛性が高く、強〜弱い入力までしっかりと吸収する。製造する埼玉県の寄居工場では、標準モデルに混じりラインを流れるが、高い精度が求められるサス取り付け工程では、わざわざ専用の手組みラインに流して造り込む。徹底した作り込みが生む最良の乗り味だ。
積載性

4

スポーツモデル、しかもタイプRに積載能力を求めるとは……、という声が聞こえてくるが、じつはラゲッジルームは標準モデルと同等だ。乗車定員こそ標準の5名から4名になっているが、リヤシートはバックレスト含めてラゲッジルームへ送り込まれていないから、積み込みには一切影響しない。そのリヤシートは6:4の分割可倒式なので長尺物も積み込める。つまり、タイプRながら、標準モデルの利便性はしっかり確保しているのだ。
燃費

5

燃費数値云々を語るモデルはないものもの、市街地を走らせてみると想像以上に数値が良かった。流れのよい国道では13〜14km/Lを難なく記録する。都内の激しい渋滞路では落ち込むものの、それでも丁寧なアクセルワークを心掛ければ10km/L台だった。驚きは高速道路でHonda SENSINGのACCを使い淡々と左車線を走らせると15.3km/Lと標準モデルの1.5Lターボ(6速MT)と肩を並べる数値を記録した。
価格

5

4,997,300円のプライスだけみれば高価だが、性能からすれば安価だ。しかも、タイプRとしては最後のガソリンエンジン車となり、この先のタイプRは何かしらの電動化を伴った形式になるという。その意味でも、十分に価値のある一台であることは間違いない。うれしいことにカタログモデルであるため、騒音規制などで販売できなくなるギリギリの段階まで販売が続けられる。すでに年単位での納車待ちと言われているが、待つ甲斐のあるモデルだ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ホンダ シビックタイプR 新型・現行モデル

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