アウディA3&S3に試乗 燃費とエモーショナル!
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:アウディ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:アウディ ジャパン
アウトバーンに入ってアクセルを踏み続けると、250km/hまで楽々と到達するほど(ランエボ/インプレッサは200km/hを超えると加速が著しく鈍る)。しかもこの時には片手運転でも緊張しないほど、ドッシリとした安定感がある。その意味ではやはりドイツ育ち、超高速域のスタビリティの高さとそれが生む安心感の高さは、国産2.0リッターターボ4WDの比ではない。またステアリングフィールも実に滑らかで気持ちよい上に、常にフラットな姿勢を保ってくれるため、走りには“大人のスポーツ”と呼ぶに相応しいゆとりが感じられるのもポイントだ。
これまでの3.2クワトロと比べると、エンジンにターボならではのパンチがあるのに加え、鼻先の動きも軽快な感覚が増したといえる。またハイチューンの2.0リッター直噴ターボ+クワトロゆえに、ゴルフGTIとも走りは異なる感じがある。さらにBMW・135iクーペと比べると、超高速域での座りの良さ…、つまり安定感でS3に分がある。ハンドリングでは確かにFRの純粋な感覚には及ばないが、その分クワトロによる粘り強さがしっかりと感じられたのだった。
新しくなった『A3』と『S3』、実に対照的ながらどちらも魅力溢れるクルマに仕上がっていた。A3では社会的な負荷を低減する役割(CO2排出量:133g/km)をしっかり持たせた上で、クルマの本質的魅力である走りの楽しさや気持ちよさを表現しているし、S3では販売のボリュームが少ないクルマだからこそできるパフォーマンスの追求をしつつ、社会性を損なわないだけの環境性能(CO2排出量:201g/km)を実現することができた。
世の中建前だけじゃウソくさいし、本音だけでは疲れてしまう…というのが実際のところ。そう考えるとA3とS3は、人間味溢れるラインナップを構築した上で、魅力ある商品展開をしていると言えるのではないだろうか。
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