シトロエンDS5、アバンギャルドなニューカマー
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:プジョー・シトロエン・ジャポン
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:プジョー・シトロエン・ジャポン
ここで、現代のDSシリーズがかつてのDSとは異なる流儀のクルマであることを図らずも露呈することになる。DS19に代表される初代DSは、スタイリングだけでなくメカニズムの分野においても他を圧する先進性を備えていたが、今日のDSシリーズは後者の分野においては必ずしも先進的であるとは限らないわけだ。同じ「5」を車名に持つC5がエアとオイルを電子制御したハイドラクティブをサスペンションに採用しているのに対して、C4系プラットフォームをベースにするDS5は、フロントがストラット、リアがトーショナルビームに金属スプリングを使った、通常の脚を用いて登場してきたからである。
その理由をシトロエンは、以下のように説明している。今日のDSシリーズは、プレミアムかつアヴァンギャルドであると同時に、スポーティであることもその重要なキャラクターとしている。そこで、スポーティなハンドリングを実現するためには、ハイドラクティブは必ずしも最適の選択ではない、というのだ。ハイドラクティブのフラットな乗り心地と存外にシャープなハンドリングを好む僕としては、素直に受け容れ難い表現だが、ハイドロニューマチックのご本尊シトロエンがそういうのだから、根拠があるのだろう。
キャップフェラ先端のホテルに用意されていた試乗車は、THP155とTHP200の2種類のガソリンエンジンモデルと、ハイブリッド4と呼ばれるディーゼルハイブリッドの3車種。ベースがC4系ということもあってエンジンはすべて4気筒で、前2車が1.6リッター直噴ターボの155ps仕様および200ps仕様で前輪を駆動、後者は1.6リッターのターボディーゼルで前輪を、電気モーターで後輪を駆動する。変速機は、THP155が6段AT、THP200が6段MT、ハイブリッド4がシングルクラッチ式2ペダルの6段EGSになる。
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