三菱エクリプスクロスPHEVはキャンパーも注目するハイブリッドの価格で買えるプラグインハイブリッド
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 64
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 64
三菱のPHEVは前後車軸にモーターが1基ずつ配置されるツインモーター式で、4輪を駆動する。バッテリーの総電力量は13.8kWhで、満充電からだと57.3kmのEV走行が可能(WLTPモード)。外部から普通充電(200Vで約4.5時間で満充電)および急速充電(約25分で80%)ができるほか、搭載される2.4リッター直4エンジンを稼働することで約46分で約80%まで充電できる(停車中の場合。もちろん走行しながらでも充電可能)。
一定速度での巡航時に限ってエンジンを駆動に用いるが、それ以外の場面ではモーター駆動のため、走行感覚はEVそのものだ。発進から巡航にいたるまで変速なしにスムーズに加速する。始動直後、高負荷時などに必要に応じてエンジンが始動するが、音と振動はよく抑えられており、始動しても不快な印象はほとんどない。モーター駆動の特性上、発進と同時に大きなトルクを発するため、体感的なパワーは十分以上。いつなんどきもアクセル操作にレスポンシブに反応してくれる。
ステアリングホイール奥のパドルを操作することで回生ブレーキの強さをコントロールできる。コーナー手前で左パドルを連続的に引いて減速する操作は、できの良いトランスミッションをギアダウンして減速する感覚に似ていて、それ自体がなかなかのエンタメだ。
三菱自動車といえば、歴代のランエボが凝った4WD技術を駆使してWRCで大暴れしたのを思い出す。現代の三菱はWRCにこそ出ないものの、当時培った4WD技術とツインモーターを組み合わせ、きめ細かい制御によってさまざまな局面でトラクション性能とコーナリング性能を両立している。前後モーターそれぞれが独立して制御されるため、前後トルク配分は自由自在だし、必要に応じてコーナーで内側の車輪のみにブレーキをかけるAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)によって、左右のトルク配分も制御する。今回は街なかでの試乗のみだったので限界性能を試すことができなかったが、同じシステムを採用するアウトランダーPHEVを雪上で走らせたことがある。雪上で最も姿勢をコントロールしやすいクルマだと思う。
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