プジョー508海外試乗、胸騒ぎが現実になった
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:プジョー・シトロエン・ジャポン
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:プジョー・シトロエン・ジャポン
大幅な質感向上を果たした508だが、ドライブフィールにも同じことがいえる。主に試乗したのは156psの1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載したモデル。日本仕様にもこれと同じエンジンが積まれるが、現地に用意されていた試乗車はすべて6速MT(日本仕様は6速AT)だった。このクラスでも、欧州はまだまだMT比率が高いのだという。
抜群のスムースさと静粛性、低回転域から立ち上がる厚みのあるトルクが持ち味のこのエンジンは、508の大柄なボディをストレスなく加速させていく。発進直後からポンポンと矢継ぎ早のシフトをしてもグズルことはないし、車速が50km/hに達すれば6速からでもスムースに加速していく。それでいて、積極的に回していけばレブリミットまでなんのためらいもなく回りきる軽快感も備えている。おそらくATとの組み合わせでも動力性能に不満は感じないだろう。排気量はわずか1.6リッターだが、過給技術が向上してきた今、排気量を動力性能のモノサシにするのはもはや意味をもたない。そんなことを改めて感じさせてくれるエンジンだ。
ボディを大型化したにもかかわらず407比セダンで25kg、SWで45kgという軽量化を実現しているのも見逃せない。軽量化に大きく貢献しているのがフロントサスペンション。高性能ディーゼルエンジンを積む「GT(日本導入予定なし)」は従来と同じダブルウィッシュボーンだが、それ以外のモデルはより軽量でシンプルなストラットを採用した。
見方によっては「ダウンスペック」だが、実際に乗ってみて、フットワークに対する悪影響はまったくないことが確認できた。直進性は素晴らしく高いし、路面の凹凸に対しサスペンションを滑らかに動かしながらフラットな乗り心地を実現する乗り味はまさにプジョー流。ロードノイズの遮断レベルが極めて高く、ザラ付いた路面でも車内が驚くほど静かに保たれているのも印象的だった。そうそう、407ではセダンとSWの乗り心地の差(セダン>SW)が気になったが、508ではSWとセダンがほぼ同等の快適性を備えている、ということも報告していこう。
優れた快適性に加え、山岳路ではあたかもボディがひと回り小さくなったかのような軽快なフットワークを示すのも508の美点。軽さのなかにリアルな手応えを感じさせるステアリングフィールや、4輪を巧くバランスさせながら狙ったラインをきれいにトレースしていく正確性は、FR系のプレミアムカーを乗り継いできたクルマ好きにも新鮮な驚きを提供するだろう。そういう意味で、508のストラット式フロントサスペンションには「ダウンスペック」ではなく、エンジン領域で流行している「ダウンサイジング」という表現がピタリと当てはまる。
見た目、内容、走りともに大幅なグレードアップを果たした508。僕の希望混じりの予想である「ナビ付き400万円切り」が実現すれば、冷え込んだマーケットに対してかなり大きなインパクトを与えることになるだろう。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
ホンダの[英断]がマジで凄い!! [SUV販売トップ]のヤリスクロス超えなるか? 300万円以下コンパクトSUVを徹底比較
いつしか消えた軽自動車のホットハッチの復活希望! お金のない若者を育ててくれた「安くて面白くてバカッ速」モデルを振り返る
ダエグのリア周りにダイレクトなフィーリングを!ZRX1200 DAEG 用「口の字断面スイングアーム ポリッシュ」がアクティブから6月発売
【ポイントランキング】2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP終了時点
フェルスタッペン、ノリス&ペナルティの脅威と戦い辛勝「ハードが機能せず厳しかった。逃げ切ることができて安堵」
過去最高業績!「バイクで絶好調のスズキ」に死角はないのか? 肩身狭かった二輪の躍進
国道・高速道路の「上り・下り」 “定義”を知らない人が多すぎる!
6/26申込締切「ロボタクシー」サービスの今とこれから~市場と主要企業の最新動向~
アクラポビッチのオリジナルグッズがアクティブから登場!
最強「V8エンジン」の爆音が轟く! 670馬力の新型「FRスポーツカー」実車公開に驚きの声! ツインターボ搭載の爆速「シックスパック」にも期待大!
正しい乗り方は! 基本的なライディングフォーム「リーンウィズ」って何?
ルノー『ラファール』にもうひとつのアルピーヌ、「アトリエ」仕様登場…専用チューンの足回り
イタリア語で「12気筒」を意味する新型フェラーリは「デイトナ」似。SDGs時代もV12は不滅?
【円安効果はごく一部!】国産自動車メーカー好調の理由は日本お得意の“着実な積み重ね”にあった
【今わかること比較】走りと後席の快適性は新型「フリード」優勢。「シエンタ」に勝る点、劣る点
【VIPの隠密仕様】アルヴェル4人乗り「スペーシャスラウンジ」準備中。目立ちすぎLMより本命
【装備充実】ミドルサイズSUV「F-PACE」にジャガー90周年特別仕様車を追加 917万円から
スバル「レガシィ」生産終了。あなたが最も印象に残っているのはどのモデル?【写真でチェック】
三菱の軽EV「eKクロス EV」一部改良。グリーンやライラックのお洒落系カラーも登場。価格上昇は控えめ
「ランドクルーザー250」のおすすめグレードとは? 長く乗りたい人は“ナビ選び”に注意!?
コンパクトSUV「キックス」が仕様向上 日産創立90周年記念モデルは装備が充実!