新型ワゴンR試乗。黄金時代の復権を目指すホンキ度を感じた
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:菊池 貴之
そのいっぽうで、これまでのワゴンRが質実剛健を売りとしてきた内装は、一転して高級指向である。エアコンパネルやエアコンアウトレット周辺に埋め込まれたメッキ部品の繊細さなどは軽とは思えない。軽初のヘッドアップディスプレイも、現代の必須アイテムといえる“セーフティパッケージ”とのセットなので、けっしてカタログを飾るためだけの高額オプションでないところが嬉しい。
先代比で60mm拡大した室内幅の効果も明らかである。まあ寸法的には「やっとムーヴやN-WGNに追いついただけ」ともいえるが、低く見せる水平基調のダッシュボードの効果もあって、心理的な開放感は一頭地を抜く。
これまでのワゴンRは圧倒的な販売実績と認知度もあってか、デザインでも機能でも、あくまで“ワゴンRらしいこと”が最優先だった感が強い。質感表現や装備内容に、あえて“軽トップ”や“軽初”に執着していなかったように思えた。
しかし、先代の途中からは一転、自動ブレーキにハイブリッド(先代の呼称はS-エネチャージ)、燃費…と、目に見えるスペックにこだわりはじめたのは、やはり軽販売トップからの陥落が影響しているように思える。今回の新型は最初からライバルを追いかける立場で開発されたわけで、開発陣の気合い(というより危機感)がヒシヒシと伝わってくる。
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