新型「メルセデス・ベンツ Cクラス」世界初公開。近未来的なデジタル装備はまさにベイビーSクラスだ
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 259
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インテリアもほぼ完璧にSクラスで、レザーとアルミとプラスチックを組み合わせ、オーナーが触れる部分は高品質でソフトな素材が使われている。ただし滅多に触れない場所にはちゃっかりとハードプラスチックが使われているが。
インフォテインメントシステムはドライバーの正面に10.25インチかオプションの12.3インチ、ダッシュボード中央には9.5インチかオプションの11.9インチのタッチパネルが備わり、古典的なスイッチは中央パネル下のハザードスイッチくらしか残っていない。オペレーション(OS)機能は最新のMBUXがコントロールしており、ソフトウエアアップデ―トはCクラスとしては初めてOTA(オーバー・ジ・エアー:無線通信経由)で行われる。
ヘッドアップディスプレイはオプションで用意され、カラー表示のイメージサイズは9×3インチ(23cm×8cm)で、最新鋭のAR(拡張現実、実際の風景にバーチャルの視覚情報を重ね合わせる技術)、すなわち画面がクルマのノーズからおよそ4.5m先に浮かび上がるように表示され、ナビの指示と実像が重なるようになっている。
搭載するエンジンは、このCクラスからは全てが1.5と2.0リッターの4気筒となり、ガソリン仕様の出力は170PS、204PS、258PS。ディーゼル仕様は全て2.0リッターで163PS、200PS、265PSとなる。ガソリンもディーゼル(初)も三菱電機製のISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を使った48Vのマイルドハイブリッド(mHEV)を搭載し、アイドリングストップからのスムーズな再スタート、コースティング走行時の電力供給などを実現している。また15kW(20PS)と200Nmのパワーでブーストも可能だ。組み合わされるトランスミッションは9Gトロニック(9速AT)で4マチック(4WD)も用意される。
サスペンションはは現行モデルと同一のフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンクだが、Sクラスと同じフィーチャー(特徴的な装備)としては後輪ステアが採用されている。最大2.5度までの舵角を持ち、同位相では高速走行時の安定性を保ち、逆位相では回転直径11mと現行モデル比で40cm短縮しており、駐車を含む街中での取り回しの良さを実現している。
Cクラスのバリエーションは今回同時発表されたワゴンに加えて、クーペとカブリオレが続き、おそらく2022年後半には「アウディ オールロードクワトロ」のメルセデスバージョン「オールテレイン」が続く。しかし、カーボンニュートラルや環境問題に注目が集まるこれからの時代の最重要モデルはPHEV(プラグインハイブリッド)だ。「C300e」(ガソリン仕様)と「C300de」(ディーゼル仕様)にそれぞれ搭載される電池容量は、現行の13.5kWhから25.4kWhへと増大、航続距離は50kmから一気に100kmへと倍増させている。
スタイル、テクノロジー、クオリティと三拍子揃った新型Cクラスは今年登場するニューモデルの中で最も注目に値する一台である。ドイツではセダンとワゴンが3月30日から受注開始となる。日本での発売時期については2月23日時点ではまだ発表されていない。
※取材記者が独自に入手した非公式の情報に基づいている場合があります。
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