イヴォーク試乗、3ドアも5ドアもイケてる!
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:菊池 貴之
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最初に乗ったのは黒いクーペのダイナミック仕様で、オプションの赤いオックスフォードレザー張りスポーツバケットシートも鮮やかなキャビンに収まる。フロアはそれなりに高く、しかもクーペは5ドアよりルーフが30mm低いが、それでもヘッドルームが特にきついということはなく、自然な運転姿勢が得られる。ただし、傾斜のきついAピラーが太く、しかも最近の傾向どおりドアミラーが大柄だから、左角の視界に閉塞感があるのが少々気になった。それと2ドアのクーペの場合、リアシートへの乗り降りがけっこうきつい。
といったことはあるにせよ、走り出してみるとイヴォーク、かなり気持ちいいクルマだった。アダプティブダイナミクスをオプション装備した脚は、20インチタイヤを履くにもかかわらず不快な突き上げを感じさせることなく、やや硬めだがフラットなライドを提供してくれる。一方、2リッター4気筒ターボと6段ATで1700kg台の車重を走らせるパフォーマンスにも不足はなく、深く踏み込むと意外なほど活発にスピードを上げていく。
それに気を良くしてターンパイクに攻め込むと、コーナリングもシャキッとしていた。着座位置の高い感じは若干つきまとうが、その割りにロールが少ないのに加えて、ステアリング操作に対するクルマのレスポンスはクイックかつ正確で、SUVにありがちなモッサリした印象は皆無。マルチテレインヴィークルらしからぬスポーティさを感じる。
そこで試しに、テレインレスポンスを「オンロード」モードから「ダイナミック」モードに切り替えてみたら、たしかに挙動は一段と締まったが、乗り心地が硬くなって不整路では跳ねる傾向が出た。だから僕としては、「オンロード」モードの方が自然にコーナリングが愉しめると思った。逆に、舗装路でも路面の荒れた場所では適度にソフトな「草/砂利/雪」モードを選ぶと乗り心地が快適になる。今回、オフロードを走るチャンスはなかったが、その分野に関して圧倒的な信頼をおけるのがランドローバーの製品のいいところだ。
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