現在の新車の納期は? 人気モデルに改善の兆しも、23年の目玉車種はどうなる?
掲載 carview! 文:ピーコックブルー 31
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現在、クルマの購入を検討するユーザーの頭を悩ませているのが、新車の長納期化です。
これまで一般的な国産車であれば、注文から納車されるまでの期間はせいぜい1か月程度でしたが、現在では1か月以内に納車されることはかなり珍しく、人気のモデルでは半年から1年以上の納期を覚悟しなければならない状況となっています。最新の状況を調べました。
コロナ禍以前から長納期が話題となっていたトヨタ「ランドクルーザー300」やスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」のような趣味のクルマであれば、「気長に待つ」という選択肢もあるかもしれませんが、日常生活や仕事にクルマを利用するユーザーにとっては、現在の長納期は文字通り死活問題と言える状況です。
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新車の長納期化が起こる背景には様々な事情がありますが、その根底には新型コロナウィルス感染症やウクライナ危機といった世界情勢が関わっているため、解消までにかなりの時間を要するとされてきました。
しかし、世界情勢の変化や自動車メーカーや関連企業の努力などの要因により、納期状況はゆるやかに改善しつつあるようです。
日本自動車工業会では、新車販売台数ランキングを毎月発表していますが、これは新車登録をした時点、つまり、ナンバープレートを登録した時点で1台とカウントされます。
ナンバープレートの登録は納車直前に行なわれることが一般的であるため、このランキングで公表されている新車販売台数は、納車された台数とかなり近しい数字と見ることができます。
2023年1月のランキングを見ると、上位50モデルのうちの32モデルが前年同月よりも台数を伸ばしています。2022年12月は22モデル、同11月は24モデルであったことと比べると、納車が進んでいるモデルが多くなっていると言えそうです。
ランキングの上位を見ると、2位の「カローラ」、3位の「シエンタ」、4位の「ノート」、7位の「ヴォクシー」、8位の「ノア」、9位の「フリード」、10位の「アルファード」が前年同月よりも販売台数を伸ばしていることがわかります。
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2022年にフルモデルチェンジを果たしたシエンタやノア/ヴォクシーは順当な結果と言えますが、発売から一定以上の期間が経過しているノートやフリード、アルファードが好調を維持している点は注目に値します。
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特に、ノートやフリードは、競合モデルに対して納期が早いという点がメリットとなっているようです。どちらも、グレードや仕様によっては2か月程度で納車されることが増えているといい、一時期と比べて大きく改善しています。
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また、「ランドクルーザー」や「ジムニー」も、2022年5月以降は前年同月比増を安定して記録しており、納車状況が改善しているようです。
アルファードは、2023年の春から夏にかけてのフルモデルチェンジが噂される中、モデル末期にしては驚異的な人気とも言えます。
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一方、前年同月比よりも大きく台数を落としているモデルも見られます。
例えば、5位の「ルーミー」、6位の「アクア」、15位の「ライズ」、18位の「セレナ」、22位の「ヴェゼル」などが前年同月比の80%以下となっています。
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セレナは2022年11月にフルモデルチェンジが行われたことが影響しており、そのほかのモデルはオーダーストップを行なったことが主な理由と考えられます。
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このように、新車の長納期化問題は改善の兆しを見せつつありますが、このまま納期は短縮されていくのでしょうか。
大きな原因となっていた新型コロナウィルス感染症については、日本をはじめとする各国で「共生」へと方針転換が行なわれていることもあり、納期に対する影響は小さくなっているようです。
また、半導体をはじめとする部品不足についても、国内外の企業が増産体制を整えていることから問題は解消に向かっていると言えそうです。
しかし、本当の意味でコロナ禍が収束するにはまだかなりの時間を要すると見られます。半導体などの増産についても、納期の改善に貢献するようになるのは2024年以降になる見込みです。
加えて、ウクライナではいまだに不安定な情勢が続いていることから、それにともなうエネルギーや物流のコストの上昇は続くと見られています。
つまり、現在納期が改善しつつあるのは、自動車メーカーによる生産体制の見直しなどの効果が現れているという状態であり、根本的な解決には至っていないのが実情です。
2023年は新型「プリウス」を皮切りに、先に述べたアルファードや新型「N-BOX」、「ランドクルーザープラド」など、人気モデルの登場が控えていると言われています。
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これらのビッグネームは、メーカーも納期短縮に向け手を打っていることが予想されます。また、販売店に案内された納期よりも早く納車されるケースも徐々に増えているということから、事態は快方に向かっているというのも決して間違いではないようです。
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