発売1ヵ月で1万台受注! レクサスHS250hに試乗
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
HSが静的部分においてレクサスに相応しい実力をもっていることがおわかりいただけただろう。そこで気になるのが走らせてどうかという部分だ。アトキンソンサイクル化によって効率を引き上げた4気筒エンジンにモーターと発電機を組み合わせるという仕組みは、プリウスと基本的に同じだ。ただしエンジンはプリウスの1.8リッターに対し2.4リッターとなり、モーターもより出力の高いタイプを搭載。最大システム出力はプリウスの136psに対し190psを誇る。もっとも、ウェイトが1640kgと、プリウスより約300kg重いこともあり、パワースペックの差をそのまま動力性能の違いとして感じることはない。もっとも、アクセルペダルを深く踏み込んでいったときのパワー感はやはりHSが一枚上手だ。
しかし、それ以上に違いを感じるのが静粛性だ。レクサスとしての基準を満たすべく、遮音性能にはかなりのコストと重量と手間をかけたのだろう。エンジン音だけでなく、ロードノイズや車外騒音の抑え込みは、はっきり言ってプリウスとは比べものにならないレベルに達している。
もう一点、プリウスを大きく凌ぐのが乗り心地だ。安価でスペース効率に優れたトーションビーム式のリアサスペンションを採用しているプリウスに対し、HSは贅沢なダブルウィッシュボーンを採用。形式によって性能が決まるとは一概には言えないが、強い衝撃が入ったときの突き上げがキツいプリウスに対し、HSは角の取れた上質な乗り心地を示す。路面の状態によって快適性がコロコロ変わるのは高級車にとって致命的だが、その点、HSは路面状況を問わず、常に快適な乗り心地を維持してくれる。また、高速走行中のフラット感や、ワインディングをハイペースで走ったときの正確な身のこなし、限界域まで強い粘り腰をみせるハンドリングなど、実際に乗ってみると、HSがドライバーズカーとして意外なほどに高い実力をもっていることが確認できた。レクサスセダンのなかではちょっと異色の存在に見えるHSだが、なかなかどうして走りのテイストにはレクサスセダンのDNAがしっかり刻み込まれているようだ。
さて、最後に肝心の燃費を報告しよう。カタログに記載されている10・15モード燃費は23km/L。排気量が大きくウェイトも重いだけに、プリウスの35.5~38km/Lには及ばない。しかし、モーターをパワーブースターとして使っている傾向が強い他のレクサスハイブリッドと比べると、燃費性能は圧倒的だ。車載の燃費計によると、HSの市街地での実用燃費はリッターあたり15km程度。プリウスの市街地実用燃費(約20km/L)との差をどう評価するかは人それぞれだろうが、居住性、内外装の質感、動力性能、乗り心地、静粛性などにおいてHSがプリウスをことごとくリードすると考えれば、これはかなり優秀な数字と判断してあげるのが妥当だろう。
トヨタ・サイがどんな装いで登場するかまだわからないが、少なくとも現段階において、HSにプリウスとの価格差と燃費差を納得させるだけの実力が備わっているのは間違いない。多少値は張る(ベーシックグレードがプリウスの最上級グレードより68万円高)が、装備の充実度や中身の実力、レクサス店ならではの洗練されたサービスなどを考えれば価格差は十分納得できる。とくに、マークXやクラウンといった上級モデルから乗り換える人で、なおかつ予算に余裕があるなら、この『HS250h』を強くオススメしたい。
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