二世代にわたるパッケージ革新を完成させた新型ポルシェ911。プラグインは次期型で登場予定
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ポルシェジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ポルシェジャパン
先代の後期モデルからターボ化された3.0Lフラット6はさらにパワーアップしている。カレラS(4S)のターボエンジンは先代よりも+30psの450psを絞り出し、最大トルクは530Nmと強烈なパンチ力を持っている。その結果、0-100km/h加速はカレラSが3.7秒、カレラ4Sが3.6秒。このスペックは一昔前のGT3のパフォーマンスではないか。ここまでパワフルだとカレラ4をチョイスしたくなる。
バレンシアのサーキットではいつのようにコンボイ走行。イントラの「GT3RS」を追い越すのはご法度だが、GT3RSよりカレラSのほうがトルクが大きいので、どんなバトルになるのか楽しみだ。
ウォームアップが終わりペースが上がる。やはりPDKで2~3速でクリアするコーナーの立ち上がりはカレラSのほうが速い。イントラが手を抜いているとは思えないが、どうしても出口でイントラカーに迫ってしまう。無線で「間隔を空けろ」と注意を受ける。「だって、カレラSはターボのトルクで速いから、あなたがもっと速く走ってよ」とは言わなかった(笑)。
ポルシェのフラット6はビッグボア(シリンダーの内径)×ショートストロークなので、タンブル(縦渦)が作れないが、2本の吸気バブルに位相差を与えて開き、スワール(横渦)を作りだす。さらにピエゾインジェクターを使い、5回に分けて燃料を噴射する。ガソリンエンジンの出力を高めるには、燃焼速度をいかに速くできるか。ここがポイントだとエンジンの担当者は述べている。
3.0Lターボのパフォーマンスを十分に堪能できたが、実はもっと驚いたのはハンドリングだ。ステアリングのギア比が10%ほどクイックになったことで、コーナーリング性能が非常に高く感じた。ステアリングを切り込むと吸い込まれるような感覚で、クリップポイントにノーズが向く。まるでゴーカートのようだ。
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